第133話 残ったものでも
お待たせ致しましたー
『……求むか、存在よ』
姿形に声。
消滅した、あの幹部だった男……『らお』ともうひとりに呼ばれていた者の姿でしたね。
ですが、それは仮初の姿でしょう。おそらく、中身が違うでしょうから。
「辿り、求む。彼の者への導きを」
『……我らにか』
「残滓ゆえど、残っているものはあるだろうか?」
『……是』
男が手を開きますと……そこから靄が出て、映像のようなものが映りました。どこかはよく見えませんが、建物の中に土くれが山ほど広がっているところです。おそらく……魍魎の本部か。教主を失ったことで、こちらでも起きた消滅の現象がここでもあったのでしょう。
「……ここに行けと?」
『……然り。得られるものはあるだろう。……あやつのことも』
「あやつ?」
もっと深く聞こうと思いましたが、やはり力の残滓だったこともあり。維持が難しかったのか、それ以上聞き出せないと言わんばかりに……ノイズのように姿が乱れ、消えてしまいました。
「……ざっくりしたことしか分からんかったな?」
「とりあえずはいいでしょう」
玉は壊れませんでしたが、これ以上負荷はかけられません。
ひとまず、先ほどの映像は燐音さんがスマホで録画してくださったので、今度はそちらを場所の特定をしていただくのに作業をお願いしました。
次回はまた明日〜




