第132話 こちらの仕事
お待たせ致しましたー
今頃、彼らはデートを楽しんでいるのでしょうか。
少し心配ではありましたが、逆に安心もしています。
学生である翠羽さんが高校に行かれていないのは、あまりよろしくありませんが……休学届けも出していますし、今は無闇に蘇芳所持者の国綱さんから引き離すのはよくありません。
加えて、翠羽さんの時蟲の勘が高校に何か陰を感じると警告を鳴らしているのであれば……なおのこと、彼女をひとりには出来ません。
ですが、半監禁状態もいけないので、デートを提案したわけですが……今は何をしているでしょうね? いちゃつくことには口出ししませんが……あのお二人がどこまで進展しているか、おじさんの僕が言っても意味はないですから。
それぞれのペースで恋愛ごとは進みますからね? 見守りましょう。
お二人のこともですが、私の本分は警察としての仕事です。
燐音さんが、例の玉を鑑定しているのですが……なかなかいい結果が得られないようです。偽物はあっさり壊れましたが、翠羽さんがあの崩れて消滅した彼らから取り出した玉は……やはり、特別性らしく。
衝撃を与えても、傷ひとつ付かないようです。
「くっそ。うんともすんとも言わねぇ」
「……こうなると、別の方法も使わないといけませんね」
「……試してくれねぇか、乃亜?」
「善処してみます」
印を組み、呪を唱え……意識を玉に向け。
翠羽さんの【見る】ではなく、【辿る】方法を私も試してみました。
術が完成すると……青い靄が出て、ヒトのような形になりました。
次回はまた明日〜




