第129話 デート①
お待たせ致しましたー
存在達は、とても多く居ます。
幽体化する前は特に意識していませんでしたが、改めて見てみるとそれぞれに個性があるのがよくわかりました。
耳の形、髪の色、顔の形に手足が人間とは違って複数あったりなかったりと。
国綱さんと街を歩きながら、少しばかり存在達を見ていると……いかに、人間は個性が薄い存在だとわかりました。
美醜ではありません。
美しさでは、国綱さんも負けてはいないんのです。私と手を繋いでいても、あちこちの女性の目を釘付けにするほどですから。
ただ、他の存在らは人間にはない個性が多いので、目を向けてしまうのは仕方がないといいますか。
とにかく、今日はお出掛けです。デートなんです。
どこに行くのでしょうか?
身体探し以前の私は学校があったのでダメでした。お休みの日は、国綱さんのお仕事があったのでキャンセルが多かったです。
だから、デートはすごく久しぶりなのです。
「国綱さん、今日はどちらに行かれるんですか?」
「んー。せっかく身体が戻ったんだったら、動いたりする場所かな?」
「動く? ボーリングとかです?」
「正解」
そして、到着したのはボーリング場もあるアミューズメント施設でした。
入場料などは国綱さんが支払ってくださり、まずは靴を借りるところからでしたが。
「……ギリギリでした」
まだ子どもですが、なんとか22cm以上はありました。背はそこそこあるのに、足は小さいのが問題です! 可愛い靴しか履けないからなのです! おしゃれには気合を入れたいのに。
「可愛くていいと思うよ?」
逆に国綱さんは成人男性でも大きめのサイズだったようです。そんな方に『可愛い』と言っていただけると、ちょろい私は思わず照れてしまいます。
「……ありがとうございます」
本当にちょろいので、気落ちしてた気持ちがすぐに浮上してしまうんです。
その後に飲み物やお菓子を買ってから、自分達のレーンに向かいました。
次回はまた明日〜




