第127話 女の子だから
お待たせ致しましたー
ですが、デートとなると……そのままの服装で行くわけにはいきません。
国綱さんのお手を取る前に、『準備だけ……』と一言断ってから、メイク道具などを取り出したりなどと支度を始めました。国綱さんは国綱さんで、お着替えなどの準備をしていただくのに出ていただいて。
(……どれくらいぶりでしょう)
幽体化の前でも、こんなはりきることはあまりなかったはず。学校の校則では、基本的にお化粧は禁止ですのでスキンケアくらいしか普段はしませんでした。
それでも、お休みの日は国綱さんとお出かけすることが多かったので、必要最低限のメイクはしましたけれど……完璧に装うのは久しぶりです。
この間の警察署に行った時も、ちょっとメイクする程度でしたし。我ながら、なんとマナーになっていないことをしてしまったのでしょう。内心、余裕もありませんでしたからね。
「……よし」
仕上げのリップグロスを塗ってから、唇を動かして整えました。目の周りもケバくないし、着替えた白いワンピースともよく合います。あとは髪……と、下手にアレンジするよりは、とヘアアイロンで丁寧にストレートにしたら出来上がりです。
仕上がりは、清楚な女子高生となりました!
鞄も、お母さんの使っていたものが部屋に仕舞ってあるのでそのひとつを手に。鏡で確認すれば、バッチリでした。
これで、準備完了ですね。
部屋を出ると、すぐ近くで国綱さんがスマホをいじりながら壁にもたれかかっていました。
「……かわいいよ」
目が合うなり、さらっと言ってくださる国綱さんの言葉に胸がときめかないわけがありません! 国綱さんも国綱さんで格好いいのです。シンプルなシャツにジャケット。スラックスという服装ですが……国綱さんという素材が良過ぎるので、大変お似合いなんです! メイクをしてなければ抱きつきにいきたいところですが……我慢します。
今日は、デートなんですから。
「あ、ありがとうございます」
「じゃ、行こうか。お姫様」
準備をする前と同じように手を差し出されたので、私は今度こそうなずいてから、自分の手を乗せました。
お家を出たら、デートスタートです!
次回はまた明日〜




