見通すのは蘇芳の瞳〜その出会いは必然か偶然か？〜

第110話 膿の本懐

お待たせ致しましたー

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　わ……れ、は

　何を……して、いた？

　あたた……かい

　優しい……

　心地……よい

　これは、これは……

　な……んだ……？

　望んだ

　手に……したいものは、あった

　我は

　あれを

　妻を

　取り戻そうと……していた

　だから……屍人を集めた

　力を……使った

　だが……今は

　それらが

　無駄だと思える

　何故なら

　我は

　妻は

　いるのだ

　ここに……ここに

　我の……前に

『……もう、してはダメですよ？』

　優しく……諭してくれた

　ああ……ああ

　妻よ……我が妻よ！

　やっと……やっと！！

『逢えた』

　我は手を伸ばし……抱擁し

　幽界の先へ……堕ちるために

　互いに溶けていった

　今なら……素直に言える

【ありがとう……時蟲(ときむし)の娘】

　あの者に……唆され、砕いた我を許さなくていい

　だが……次の旅路を、どうか迷わず進んでくれ

　妻を抱きしめながら、我の意識は溶けていった

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次回はまた明日〜