誰かの一人語り2
「俺が保育園で働いていた頃、不思議なおじさんが時々来て園児と遊んでいたんだ」
「園長に聞いたところ彼はなんだか偉い人のようだったけど、とてもそんな風には感じなかった」
「子どもと全身全霊で遊んでいる姿を見て、何故だか彼は本当に子どものことを想っていると理解できたんだ」
「彼がいつもお土産に持ってきてくれていたメロンアイスは、アイスクリーム部分とシャーベット部分があって、何故だか滅茶苦茶旨かった」
「この前のゲリラ戦の中、偶然あのメロンアイスが手に入ったんだ」
「ドロドロに融けて何も味がしなかった」
「それだけだ」
遺影の中の彼女はいつものようにただそこにいるだけだった