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毛根だけは絶対死守します!

作者: ザック

 キーン、コーン、カーン、コーン。

 学校の最後の授業の終わりを告げるチャイム、俺の心は浮足立っていた。

「おい、ハゲ! 何早々と帰ろうとしてんだ。今からチキチキホモビ鑑賞会始めるのによ」

「なんだよチキチキホモビ鑑賞会って、何を競うチキンレースで何が悲しくてホモビなんて鑑賞しなきゃいけないんだよ」



 ホモビ鑑賞なんて悲しい時間1秒たりとも体験したくない。

 それどころか、友達との会話すら今すぐ終わって欲しいとすら思っている。

「チッ、ノリ悪いな実際は男のケツばっか追いかけてるホモのクセによぅ」

「ハゲでホモとか人生終わってるな、なんか悲しく見えてきた」

「まず俺の髪の毛はフサフサだし、俺が好きなのは色白の優しい女子だよ。何をどう勘違いすればホモになるんだよ」



 友達の強い罵倒、ハゲやホモ等の誹謗中傷を浴びせられるがそんな物を振り払ってでも今すぐ家に帰りたい。

「悪いけど、帰るわ。あと俺をそんなに悪く言うの止めて」



 捨て台詞を言い残し、ダッシュで廊下を駆け抜ける。

 廊下を走るな? 知らんな、今はそれくらい急がないといけない。

 


 廊下を出て慌てて、上履きを脱ぎ、靴を履き替える。

 そのままの勢いで校門まで一気に走り抜ける。

 結構、急いでいたつもりだが、吹奏楽部のラッパの音が聞こえてきて、ヒヤッとする。

 もう、部活始まるくらいあいつらと喋ってたのかよ。

 急がないと、ホントにまずいな。 



 更に走る速さは加速する。

「おっ染メタ……」

 見回りの先生だろうか? 何か俺に話しかけているようだけど、そんな事に一々構ってる時間は無い。

 先生に歯向かうとゆう優越感と少しの罪悪感で何とも言えない、気持ちになった。



 気がつけば、走るなスピードを落とすことなくそのまま、学校の校門を出ていた。

 その時に一瞬、振り返り時計に目を移す。

 時刻はもうすぐ4時になろうとしていた。

 ヤバイ、時間的にこのままじゃ、間に合わない。



 焦りが募るが、今の俺に止まってる時間など一瞬たりとも有りはしない。

 信号の赤を大胆に無視し、横になって井戸端会議真っ最中の奥様方を掻き分けて、タピオカ片手に下校しているJKに目移りすることなく、駅まで走った。



 ポケットから電子マネーのカードを取り出し、改札を楽々突破する。

 ホームではちょうどタイミングよく電車が待っており、当然駆け込み乗車。

 少し、タイムロスしたものの、何とか時間に間に合いそうで少し安堵した。



「はぁ……はぁ…………こんなに走ったの体育の持久走以外無いぞ。はぁ……はぁ……息苦しい」

 学校から駅までの距離はそんなにある訳では無いが、日頃から部活をしている訳でもなく、空調の効いた環境のいい部屋でダラダラとゲームをしている俺にとっては、この教室から駅までノンストップで走るとゆうのは、しんどい以外言葉が出てこない。



 少し、息を整えて水分を補給する。

 車内は幸いまだお昼とゆうこともあり、ガラガラで席が空いてるのが有難かった。

 しかし、落ち着いてられる時間は無い。

 電車に揺られることものの数分目的の駅に電車が停まった。



 再び始まった全速力での中距離マラソン、あと目的地まで後少しとゆうこともあり、更に勢いよくスピードを上げて行く。

 アホみたいな速さで走っていた為気がつけば既に家の前についていた。


 鞄から鍵を取り出し、鍵穴に噛みしめるように鍵を入れて、勢いよく玄関を開けた。

 靴を脱げすて、最後のスパートをかけて部屋までかける。

「はぁ……はぁ……ついた、やっとここまでついた」

 ここまで、急いで走って来た理由…………それは今日の朝届いたVRゲームをしたいがためだった。



 ここまで信号無視という軽犯罪を犯し、人ゴミを掻き分けて走るってくる。

 ここまで、する必要はあったか? と問う人もいるかもしれないが、それだけ重大なこと…………



 何とこのゲーム、自分の世界を一から創造するとゆう、なんとも浪漫があるゲームになっている。

 プレイヤーの取る行動次第では剣と魔法の世界やムフフな世界、ありとあらゆる欲望を顕現することが出来る、夢と欲望に溢れたVRゲームをこんなゲームがあるのに、我慢出来る物だろうか?



 早速ゲームの電源を付けて、ゲームを始めた。

 視界に映し出されたのは【神々の遊び】モード選択画面に入る。

 初期設定 時代

▶現代

 近代

 中生代

 古代

 ランダム


 最初の選択から作り込まれる神ゲー待ち望んでいた物がそこにある達成感、なんとも言えない喜びがこみ上げてくる。

「最初は何にしよう、操作になれるために現代みたいな所から初めても良いし、中世などある程度文明がある状態から始めるのも悪くはない」

 少し迷った末、出た結論。



「迷うくらいなら、もういっその事ランダムで、なるようになりやがれ」

 流れに任せてランダムの選択を押した。

 一変にして世界が創生される。

 目の前に映し出されたのは木々が生い茂る森林だった。



「ん?ここはどこの時代なんだ」

 設定を確認する為に慌ててウィンドウを開く。

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 設定された項目

 ニックネーム ハゲホモ

 時代     ジュラ紀

 初期装備   棍棒

 権限     制限あり

 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



 なんだよ、ジュラ紀って…………



 これは俺がジュラ紀で奮闘する冒険活劇激である 


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