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第8話:新星誕生

町は朝から大騒ぎであった。

つい先日、大盗賊サーピンが討ち取られるという慶事があった時も大騒ぎであったが、今回もそれに負けず劣らぬ騒ぎであった。


"おい、聞いたか!町の外で盗賊カマーセの一味が尽く斬り殺されてたってよ"


"本当かよ!?カマーセと言えば先日討ち取られたサーピンと兄弟の盃を交わしたっていう間柄だろ"


"ああ、お役人が言うにはどうも仇を討ちに来たみたいらしいけど、誰も何も聞いちゃいねぇし、見てもいねぇしで、さっぱりらしいよ"


"怖ぇ〜な〜。町に入り込まれてたらオレたち今頃あのよ行きだったんか・・・・でも、いったい誰がやったんだ?"


"さぁ〜な〜、ただこの町でそんな事が出来るのは副総監様かサーピンを討ち取ったあの方だけじゃねぇか?"


"んだな、もし副総監様がやったんならお役人様方がこんな慌てる訳な〜から、やっぱりやったんは・・"


"おう、その件なんだがな・・朝から副総監様の部下の方たちが、確認の為にあの方の宿に行ったそうなんだが、もぬけの殻で居なかったそうな・・・"


"ええぇ〜本当かよ!?どこに行っちまったんだよ?"


"まさかサーピンに・・・?ってどうしたんだよサネキチ、おめぇニヤニヤしてよ?"


"フッフッフ・・・・"


"ニヤニヤニヤニヤ気持ち悪い顔しやがってよ、なにか言いてえならさっさと言っちまいな"


"フッフッフ・・オレァ聞いちまったんだ・・・副総監様がな・・・やったのは十中八九あの御仁で間違いないだろうってな"


"なぁ!?・・本当かよ?ならあの方はいったい何処に行ったって言うんだよ!"


"フッフッフ・・副総監様はこうも仰っていた、あの御仁にとっては今朝の賊共はただの路傍の石にすぎないと・・・だが、町の者は違う・・だからこそ、これ以上町の者に迷惑をかけない為にも町を出てったのだろう・・っと"


"・・・くぅ〜カッコイイ御仁だね〜"


"サーピンには劣るとはいえ、あのカマーセを歯牙にもかけない姿勢だけじゃなく、オレらみてぇなもんにまで気にかける優しさ・・・オレが女なら惚れてるね!"


"それにしてもどえらい新星が現れたもんだな!この調子でバンバン賊共を倒して貰いたいぜ"


"そうだな・・だがこの周辺の賊には'怪物'、'怪童'、'怪人'、'怪獣'の怪賊ビック4がいるからな・・・"


"ああ、もしもその一角でも落とす事が出来りゃあ凄い騒ぎになるぜぇ・・・"





Side:主人公



「ふぁ〜あ、団子と茶を頼む。それにしても眠い・・・・全然寝足りない・・・」



「お待ちどうさまです」



「ああ、ありがとう。ところで亭主、ここからオワーリの街まで後どれくらいかかる?」



「そうでございますね〜・・馬であれば1時間程度あれば着くと思いますよ」



「そうか、1時間程か・・・。うむ、馳走になった。亭主〜代金をここに置いとくぞ」



「へい、ありがとうございます・・・ちょ、ちょちょ、旦那〜多いですよ〜!お釣りお釣り〜」



「釣りは要らん、取っておけ。ではな」



「・・・本当に行ってしまった・・・」




こうして主人公は去って行ったが、実はただ単に団子と茶の値段が分からなかったのと、一度は言ってみたいセリフ百選(自分厳選)を格好良く言ってみただけであった。

それを知らない茶店の亭主は粋なお客さんも居たもんだ!っと勘違いをしていた・・・・知らぬが花である。


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