第6話:困惑
Side:主人公///
町に着いてクビを見せたら速攻詰所の奥に通された。
が、特に気にせずマイペースにひと息ついていた時、ふと気になった・・・・・・応対した兵が何処かよそよそしく腫れ物を扱うような感じだったのである・・・あれ、もしかして完全にヤベー奴扱いされてる?
出されたお茶もついつい何も考えず飲んでしまったが、もしかしたら自白剤入りとかじゃないのか!?
ヤベー・・ヤベーよ、自称常識人?としては看過できない問題じゃん!
っと、しょうもない勘違いをあーでもないこーでもないと繰り返していた主人公の元に、何やら接近する気配がある。それも複数も・・
"はっ!"もしやこの部屋に留めおき、討伐隊を編成してやってきたのか!?
あの盗賊も、もしやよくある国のお偉方と裏で繋がっていたっていうパターンなのでは!
元はそこまで悪い頭では無かったのだが、睡眠学習により闘う事ばかり詰め込まれ、こなした結果、ちょっとアホな残念な子になってしまったのである。
ヤラれる前にヤルか?っとバカな事を考えていた為、若干殺気が漏れ出てしまった。
その結果、部屋のそば近くまでやってきた一行に殺気を浴びせる事となってしまったのである。
Side:副総監
兵の案内のもと渦中の人物の元に向かっている時である。今まで体験した事の無い冷たい殺気を受けた。
「なっ!・・・・くぅ」
咄嗟に膝をつきそうになり慌てて堪えたが、身体が硬直し、冷や汗が止まらないのである。
兵の手前、狼狽る姿は見せずに済んでホッとしたが・・・
「か、閣下!これは!?」
「・・・・・・どれくらいの時を待たせている?」
「ハッ!かれこれ2時間ほどであります」
副総監は思った。所詮、詰所である。その中で1番上等な部屋であってもやはりその程度のレベルである。その部屋で2時間・・お茶を出し、もてなしたというが、こんな所に上等な茶なんかある訳が無い!
相手は近隣にまで恐れられるほど凶悪な大盗賊・・そんな相手を討ち取った剛の者を詰所で2時間も待たせる・・・・・・誰か副総監代わってくれんかね・・っと心の中でさめざめと泣いた。
Side:主人公///
まあ色々と考えた結果、なるようになるだろう・・っという前向きな結論に達したが、ただ単に出たとこ勝負である。
そんなこんなで、またひと息ひいていた時・・・
"コンコン"とノックされた。
「お待たせして大変申し訳ない。この度、手配中の賞金首を持ってきて頂いたとかで感謝します。申し遅れましたが私、本部のミツカニーと言います。部下からも報告を受けましたが、改めてお話をお聞きしてもよろしいですか?」
という事で改めてことの顛末を話したが、時折顔を青くしたりもの凄い汗をかいたりと、この人具合が悪いのか?っと思ったのであった。
大きな思い違いである。
ただ単に主人公の常識外の行動に驚いているだけである。そんな事を思いもしない主人公は相変わらず見当違いの事を考えているのであった。
Side:副総監///
「なるほど、そういう事でしたか・・・・ところでこの後のご予定は?」
「・・暫くはこの町でゆっくりしたいと思います」
「そうですか、それはこちらとしても良かった。まだお聞きしたい事もありますし、報奨金に関しても今しばらくお時間を頂かなければなりませんので・・。おぉ、そうだ。お宿を紹介しましょう。費用はこちらで持ちますので、ごゆるりと寛いで下さい」
主人公は戸惑う事なく頷いた。
"タダ"という言葉に釣られてホイホイとついていったのである。
逆に副総監の方は心底ホッとしたのである。これで少しでも心象が良くなればと・・・
「・・・・そうだ忘れておった。宿の方に行って、この手付金を渡しておいてくれ」
そう部下に言いつけ、自らは今後の話し合いをしなければならないと思い、気が滅入りため息をつきたくなった。