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【書籍化】小さな転生貴族、異世界でスローライフをはじめました  作者: 福音希望
第七章 成長した転生貴族は冒険者になる 【学院編2】
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閑話10-6 女子高生は異世界召喚される


「まあ、言葉が理解できるのはありがたいな」

「どうしてですか?」

「言葉がわかるということは、それに伴う教育をしなくて済むということだ。最低限生活を送るためには、その場所の言葉を覚えておいた方が良いだろう?」

「なるほど……確かにその通りですね」


 皇帝の言葉に今度は私が納得する。

 これは地球でも同じことが言える。

 留学にしろ、旅行にしろ──外国に行く場合には、その場所の言葉を学ぶ必要がある。

 もちろん、すべての言葉ではなく、それぞれの目的に必要な言葉だけではある。

 だが、それを学ぶか学ばないかで過ごしやすさが変わってくる。

 おそらく、皇帝はそのことが言いたかったのだろう。


「では、本来の目的に戻るとするか」

「【ステータスプレート】の件、ですね?」


 ようやく本来の話に戻ってきた。

 まさか、こんなに回り道をするとは思っていなかった。

 まあ、まったく見知らぬ世界に連れてこられたのだから、スムーズに話が進むことは難しいか。

 むしろ、これでもかなりスムーズに進んでいるのではないだろうか?

 比較対象がないので、わからないが……


「では、使い方を説明しよう」


 皇帝は【ステータスプレート】を一つ手に取った。

 それを両手で持つと、目を閉じた。

 すると、【ステータスプレート】から光が溢れ出した。

 数秒後、その光が収まると、皇帝は再び目を開けた。

 そして、【ステータスプレート】を私に渡してきた。


「読んでみろ」

「はい」


 皇帝の言葉に私は頷く。

 渡された【ステータスプレート】に書かれてある内容を確認した。


・名前:エドワード=カイザル

・年齢:32

・状態:良好

・職業:大剣使い

・称号:皇帝、独身


 書かれてある内容を読み取ることはできた。

 これはおそらく皇帝のステータスなのだろう。

 といっても、基本的な情報が書かれているだけで、筋力などのステータスが書かれているわけではないだろうが……

 まあ、そんなものが書かれてあったとしても、日々の生活で変化したりするので意味はないのかもしれない。

 とりあえず、私は先生に【ステータスプレート】を渡した。

 先生はそれを確認し──


「えっ!?」


 驚いたような声を漏らした。

 一体、何を驚いているのだろうか?

 周囲の視線が彼女の方に向く。

 皇帝が話しかける。


「レイよ、どうかしたのか?」

「い、いえ……なにもありません」


 皇帝の質問に彼女は首を振った。

 だが、彼女のその反応は明らかに何かあったように思える。

 しかし、変に聞き出そうとしても、答えてはくれないだろう。

 こういうのは、本人が話したくなるのを待った方が良い。

 とりあえず、先生から【ステータスプレート】を回収した。

 受け取った後──


「32歳独身か……」


「何か言いましたか?」

「な、何もないわ」


 先生が何か呟いたので聞き返したが、再び先生は首を振った。

 残念ながら何を言っているのか、聞き取ることはできなかった。

 一体、どうしたのだろうか?

 かなり神妙な表情を浮かべていたようだが……







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