5-11 小さな転生貴族は盗賊と戦う 1
100話、到達です。
「【身体強化】」
全身に魔力を循環させ、身体が軽くなる。
(パッ)
「「「「「っ⁉」」」」」
俺の姿がいきなり消えたことに盗賊達が驚く。
素早く動いただけだが、あまりに速くて消えたように見えたのだろう。
「後ろだっ」
だが、流石にリーダーはついてこれたようだ。
俺の姿を視認して、即座に部下に指示を出す。
だが、既に遅い。
(((ドサッ)))
後方の三人が力なく倒れる。
腹部の衝撃のせいで吐いてしまった。
汚いな。
「「「「「っ⁉」」」」」
仲間がやられたことに盗賊達は慄く。
この程度で驚かれても困るのだが・・・・・・
本来なら、この倍の人数はやりたかった。
だが、流石に右腕だけではこの人数が限界だった。
近接戦闘ではいくらなんでも無謀だな。
「【土縛】」
地面に魔力を流す。
うねうねと地面が動き、盗賊達の足に絡みつく。
「な、なんだっ⁉」
「きもちわりぃっ!」
いきなり生き物みたいに絡みつかれ、阿鼻叫喚な状況になる。
男達の野太い──いや、そもそも女性の叫び声すら聞きたくもないので、静かにしてもらおう。
「【クラッシュ】」
魔力を操作し、地面を圧縮する。
「「「「「ぎゃあああああああっ」」」」」
足の骨を潰された盗賊達が悲鳴を上げる。
どんな痛みなのか想像できない。
あまりの痛みに全員が白目をむいて気絶してしまった。
「っ⁉」
左右から気配を感じ、俺は即座に上体を逸らす。
((ヒュンッ))
先程まで顔があった位置に何かが通った。
そのままだったら、頭と胴体がおさらばしていただろう。
「ちっ、避けられたか」
「どうやら魔力感知も得意なようだ」
少し離れたところから話し声が聞こえてくる。
俺を挟んで左右に二人の男が現れた。
背格好がよく似ており、顔もよく似ていた。
双子だろうか?
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