第八話 20年前の事件
バーマッカ大陸で二番目に大きな国、アーマンティ国。
人口10億7千万人以上。世界で六番目に人口が多い国である。アーマンティ国はバーマッカ大陸で一の鎧、盾、銅の作る盛んな国で「絶対防御」を文字に防御の高い国で、創国五00年間今日まで敵や侵入軍や虫一匹でさえも一度も侵入を許したことのない要塞防御高度国である。その防御の源「国防軍」は防御は勿論攻撃も知将も優秀で、その戦績は五大陸の世界の五本指に入るくらいのレベルで、未だ「敗北」などしたこともない。現在、アーマンティ国の敵になる国は今はなく、かつて世界で最も火薬が多い大帝国「ハイメロウドルフ帝国」と戦は何度かあったが全ての勝負は引き分けで終わり、今や何事もなく休戦協定を結び最近では「平和協定」と「同盟友国法」を作る話も聞き再来年には現実するとゆうぐらいに仲が良くなっているらしい。
ザッザッザッザッザッ
ザッザッザッザッザッ
「全体~止まれ!!」
ザッザッザッ!!
「敬礼!」
スッ。
アーマンティ国防軍。第一部隊から第二十部隊まであり、全部隊総勢九千五〇〇万人兵近くいる国防軍である。国防軍の軍境圏はアーマンティ国の東の海側に存在し常に二四時間アーマンティ国の周辺をパトロールし魔物や山賊や盗賊からの輩を退治しアーマンティ国を守っている。勿論海からの敵海賊や密入船など厳しく警戒し「安心安全百万年」の誇りに国防軍の勇士達が守っている。
国防軍の要塞総官基地、銀のブロック総令官館の総司令室。
「全く・・・君にはまいるよ。バルコーニー君。」
ゾルックス総司令がバルコーニー副司令に言った。
「マーチブ山賊団一家全滅作戦を考えたのは、他でもなく私だ。そして軍の侵攻、攻撃の指揮は君。」
ゾルックス総司令が好物のレモンティをバルコーニー副司令に投げバルコーニー副司令の鎧にあたり溢れた。
「もうすこしで、作戦がパァになるとこだったよ。砲撃指示までは良かった。だが奴等の進行してくる事に君は奴等の進行を許し多くの兵の命を失いかけた!まぁ何にせよ奴等は私の優秀な部下達が射殺したが。そして最も重要な問題はマーチブ・サイクロンの捕獲!・・・なぜ、排除しなかった?バルコーニー。」
そう元々の計画は、山賊団一家全滅とマーチブ本人の排除の任務であった。しかし今回の結末は山賊団残党死、射殺した数五十八人、森で亡くなった残党二十一人、他動物やモンスター数は不明、うち一人は行方不明そしてマーチブ捕獲の結果で終わった。ゾルックス総司令は完璧主義者でこのような結果は絶対無く常にパーフェクトな軍神である。
「君とマーチブは師弟関係だった事は存じている。そして私も元戦友で大親友に近い友でもある。しかし君は忘れてはいないであろう?彼が20年前にしたことを・・・いや我々二人が奴を消そうとしたことも。」
バルコーニーは拳と歯を噛み握りし20年前の事を思い出した。
「まぁ何にせよあの時あそこでマーチブを消してたら、また部下からの信頼性が失うと思い今回は生かしたが。処刑は君に任せるよ?バルコーニー君。」
「・・・・はい。」
あそこでマーチブを殺してたら周りにいた部下達に信頼性が失いかける事態に気づいたバルコーニー。多くの兵達は皆砲撃攻撃から嫌な思いで戦っていた。あの森の中では山賊以外関係ない動物、生き物、下手したら一般人もいたと思いながら撃ち続け、戦闘など望んではいなかったのである。そんな感情の中、目の前で無残に射殺する元英雄達を見て「ごめんなさい」も言えず帰国した。敵であることは承知だがやはり同じ人間を殺すのはと多くの兵士は思っていた。
ゾルックス総司令が窓際に移動し国防軍の訓練している広場を見てバルコーニー副司令に言った。
「君の師は誰かな?」
バルコーニーは涙ながら言った。
「はい!他の誰でも無い知将天性を持つ代八十九総司令ゾルックス様です。」
「ふん。」
コン!コン!
一人の秘書が入り報告書を持ってきた。その後バルコーニー副司令は部屋から出、自分の部屋へと帰った。
ゾルックス総司令がキーア秘書にこう言った。
「キーア君。後でライアンビ・ブルーリーと言う女兵を調べてくれ。・・・気になるのでね。」
アーマンティ国の中央図書館。
「う~~~ん。やっぱ書いてないか~」
ライアンビが一人3階の過去資料室で過去の事件の書類や新聞の記事を見て何かを探していた。
「やっぱり20年前だから覚えている人は少ないかもね~記事も細かく書いてもないし・・・」
その時、一人の老人がライアンビに近づき話しかけてきた。
「ふぉっふぉっ。ライアンビよ。珍しいの何を調べてるんじゃ?」
「ドロ爺。」
ドロー館長。ここのアーマンティ中央図書館の館長で今年で106歳らしい。
ライアンビはドローとは家が近所で孫とお爺ちゃんみたいに仲が良く腐れ縁である。ライアンビが20年前に起きたマーチブの事件について聞いたが「ワシもあまり記憶が無い」と言い。役には立ち無かった。
「はぁ~。どうでも良いんだけど。気になっちゃうんだよね」
ライアンビはあの日以来帰国してからずっと図書室で調べマーチブの事を調べてたのである。
ライアンビはコーヒーを飲み一人の少年のことを思い出した。
「あいつ、なにやってんだろ」
ッハックジュ!!
「?風邪ですか?だから宿で寝ましょって言ったのに・・・」
「うるせい・・・ズズゥーー」
トーマンがリンスに風邪かと心配しアレルギーなのと言うリンス一行。
ここはアーマンティ国から遠くエーデン草原を出てチャックリ峠を歩いていた。アーマンティ国はここからおよそ1500キロくらい離れており徒歩で1週間は掛かる距離であった。勿論アーマンティ国に行ったことの無いリンスは道が分からなく、1回だけ行ったことのあるトーマンの記憶と20年も行ったことの無いポルスの記憶辿りにアーマンティ国へ目指している最中であった。
「なぁーー。腹へらね?」
リンスがお腹を空かしチーズねえのかとトーマンに言う。
「さっき朝食でパン8枚も食べたでしょ。もう無いですよぉ食料・・」
「俺もネズミ一匹ならあるがな・・」
ネズミはさておき、トーマンのリュックの中には三日分の食料があったがリンスとポルスの暴飲暴食により1日半で全部無くなり今日食べるメシは無くなった。それから記憶辿りで歩き歩き一行は夜になるまで歩いき続けた。気づけば「あれ?こっちだったかな」と悩むポルス。トーマンは何度も何度も地図を確認し「やっぱりさっきの道右だったかな?」と悩み出す・・・
今日はここで一晩しまた明日に迎えて寝ることにした三人。
今夜のご飯はポルスのネズミ一ッ匹とトーマンの残したパンの耳一本だった。
リンスは一人焼いた焼きネズミを食べ、少ししてからすぐに寝た。zzzzz
トーマンはまだ眠くないのでいつも寝る前に読む医学の本を読み始めた。フムフム。
ポルスは一人少しその辺り散歩してくると言い満月の見える崖の方へと歩いて行った。
ポルスが散歩に出て一時間くらい経った頃。トーマンは明日に備え寝ようとしたが、ポルスの戻りが遅いので心配になりソワソワし始めた。
「どうしたんだろうぅ・・・遅いですね。」
トーマンの横でトーマンのリュックを枕代わりにして寝ているリンスは、すごく爆睡しているのでトーマンにコンコンと起こしても全然起きなかった。
仕方なく、トーマンはポルスのことが心配になり彼を探し始めた。
「たしか・・・崖の方へ行ったよね・・・」
「はっ!まさか、落ちてないよねぇ・・・ポルスさん!!」
この辺の崖の底は大河になっており、落ちると濁流に呑み込まれ流れ死する所であった。
トーマンは下を警戒しながらポルスを探し出した。辺りはそこまで暗くなく今夜は満月だったので月明かりがいい気持ちの良い夜であった。少し探し出して5分。崖の先に一人の影が座っておりトーマンは恐る恐る近づいた。ポルスであった。トーマンは呼びかけようとしたが、彼の様子がおかしく体が震えており、耳を澄まして聞くと泣いているシクシクとする声も聞こえてきた。
「・・・スッ・・・・ズッ・・・」
「だ・・・大丈夫ですか。ポルスさん・・・」
トーマンは横に座り自分着ている自慢の純白のコートをポルスの体に被せた・・・
「あにじゃ・・・・ズッ・・親父・・・」
ポルスは死んでいった仲間、兄弟と捕らえられたマーチブのことを思い出し号泣していた。無理も無い、1週間前まで共に生き国の固い法律など無い自然で豊かな緑の森林で生き、家族当然だった仲間が燃える砲弾に殺され、あの無残な射殺光景も見て泣けないはずはない。
「ポルスさん・・マーチブさんは、本当に動物を・・・無差別に殺したのですか?私にはあんなに森の動物達を可愛がってるマーチブさんがやったとは思いもしないんです・・」
「・・・・・・」
「20年前・・・アーマンティ国で何があったのですか?」
「・・ズッ・・・ズッ・・・・ねぇよ・・・」
「え?」
「殺してねんだよ!!ーーー隊長はーーーーー!!」
ポルスは、泣き怒鳴りだしトーマンに20年前の真実を言い出した・・・・
アーマンティ国。21年前。
当時、アーマンティ国は第四次ハイメロ帝国戦争の真っ只中だった・・・
その時のアーマンティ国防軍は第一部隊から第十二部隊まであり総兵数五千万兵。対するハイメロ帝国軍、総兵数八千五百万兵、勝敗はハイメロ帝国軍が有利であった。戦場となったタカーン西地方はこの戦は7日で多くの死者を出し、今までの三戦の中で特に酷い無残な戦であった。当時アーマンティ国防軍の総司令していたボスカム総司令は禁断の選択に迫りとても厳しい状態であった・・
一人の軍神が総司令に言った。
「総司令!!もう選択などしてられません!!ここは挟み撃ちです!!」
「くっ・・・・・しかし・・・・」
総司令に助言する鬼き軍神は・・当時四十代のマーチブ・サイクロン。第十二部隊総隊長。国勇部隊隊長であった。
「我々第十二部隊が前進し後から国勇隊で挟み撃ちします。そして・・・」
「ふんっ!ふざけるな!国勇部隊などまだヒヨッコの軍団ではないか!」
国勇部隊をけなす総隊長、ゾルックス・アーケイン。当時第二部隊総隊長。兼騎馬副官。
当時から仲が悪かった二人は一応国防軍の中で優秀な軍神で国防軍には居なきゃいけない「風神雷神」であった。
総司令の判断により、この最終作戦マーチブの「国勇作戦」で決まった。そのマーチブの提案し自分の第十二部隊の前進と背後の国勇部隊の攻めでこの作戦は成功し、この戦いはアーマンティ国防軍の方に有利ができ逆転劇を見せつけた。多くの兵士、軍師、軍神、司令、大将も喜んだ。だがただ一人その成功に喜ばない軍神一人いた。第二部隊総隊長ゾルックスであった。総司令はゾルックスの知将な作戦を無視し、憎きマーチブの提案に決めた。作戦は成功したのは良いが、ゾルックスは敵の存在より他でもないとても憎んでいる奴はマーチブであった・・・そしてハイメロ帝国軍はアーマンティ国防軍の快進撃で大逆転され勝利はアーマンティ国に向けられてた
しかし・・・
激しい大戦争の日々で体力がほぼゼロにちかくなっていた両軍。
この戦で多くの戦死者を出した、ハイメロ帝国軍で三千五百万人。そしてアーマンティ国防軍が四千万人。両国の若き英雄達や古き有名軍神も多く亡くなり天へと旅たった。この異常なる死因の原因は兵糧不足であった。この頃バーマッカ大陸は過去最悪の食料飢饉で一兵にパン一個とグミ二個、水分なんかも良くて泥水であった。そのせいかこの戦場で開戦二日で謎の高熱、風邪や病気が広まり感染者が広まった。
こうして両国の王達は「これでは現状が酷くなるばかりだ」と会議し、この戦争は休戦し両国は「休戦協定」を結びまたもや引き分けと言う結果に終わったのである。
勿論、その結果に納得いかないのが両国の将軍達である。あと一歩あと一歩の踏ん張りで我々国防軍の勝利は目の前だったという兵も皆そう思った。数は負けていたが、マーチブの奥の手「国勇部隊作戦」が成功し相手の大将の暗殺が可能し、いつでも出来る状態まで行き彼等は総司令の合図待ちで敵の本陣の影で潜んでいた。しかし、ハイメロ帝国軍は負けてはいなかった、この戦が終わり休戦から一ヶ月が過ぎたとき、真実は明らかになった。実はハイメロ帝国軍の多くの死者は戦士では無く、飢饉で病気で亡くなったのが多かった。それでも怯むことは無く国防軍に立ち向かい激しい戦闘劇を見せつけた。だが、マーチブの「作戦」で有利が奪われたが、奇妙なことに彼等は脅えることも軍は崩れることは無かった。実はハイメロ帝国軍はこの時の総兵の数は八五百万兵だったがその数は過ちで、実はこの戦のしている間にハイメロ帝国からまた新たに五千万人という兵が進軍していたと言うのである。そして最もの真相が国勇部隊が合図待ちで相手のハイメロ帝国軍の大将は、全くの「偽物」で影武者であった事が分かった。
ハイメロウドルフ帝国は最初っからアーマンティ国と戦う気が無かったのか、まるで一つの競技の練習戦みたいに王族達は実験のように観ていたのである。「我々帝国はいつでも消せる」みたいなオーラを放ちアーマンティ国が休戦所がリベンジに燃えていた。しかしまだ、戦いの傷は癒えず多くの戦死者を出したためアーマンティ国防軍は悲しい結果となりアーマンティ国は以後大きな戦争はしなくなった。
それから、一年が過ぎ戦争のことは人々の記憶から薄く消え平和の時代が訪れていた。
国防軍は前の戦で多くの兵や軍師を失いボロボロ状態であったが国防軍全滅では無かった。ハイメロ帝国軍に「復讐」に燃え、また多くの若き「勇士」が入隊しその年で四千万人は入隊した。国防軍の部隊法も追加し第一部隊から第十五部隊まで増やした。ボスカム総司令は引退し、そろそろ次の総司令の座を誰かに譲ろうとしていた。しかしボスカム以外同期軍師、軍将は戦死し残った戦士は中堅将が多かった。そんな中堅将から推薦されたのが、マーチブ・サイクロンであった。去年の戦で最後まで勝利まで近づけたのがマーチブの活躍が多かった為、誰もがマーチブであろうと思った。
「隊長!この度総司令昇格おめでとうございます!」
「よせ!まだ決まったわけではない・・・・」
「何を!皆貴方の昇格を認めています。隊長こそ次の総司令にふさわしいと」
「ワシはまだ・・・青二才よ・・・」
マーチブはあまりこの昇格には喜んではいなかった、そんな中皆の黄色い喜びの中にただ一人、マーチブの昇格に喜ばない軍師がいた。ゾルックスだった。彼は今年昇格したのは総司令護衛部隊隊長に昇格し第二部隊から離れ幹部クラスに入れた。
「何故だ・・・・何故優秀な私が奴のお守りをしなくてはならぬのだ!!」
「隊長!このた・・・・・・ひっ!」
カチャ・・・ゾルックスの銃が兵の眉間に狙った。
「何だ!おめでとうか?あぁー!」
「俺は認めんぞ・・・絶対に・・・クク私の方が総司令ふさわしいのだ。」
そして一ヶ月が経ちマーチブはボスカム総司令室にいた。
「おお~すまんのサイクロン。待たして。で、話とは?」
「はっ!私この一ヶ月考えに考えました結果、ようやく決心しました。」
マーチブはボスカムに伝えた。
「今回の総司令昇格は無かったことにお願いします。」
「何!?」
マーチブは総司令の昇格を断り、また第十二部隊で隊長と国勇部隊の隊長を続けさせてくれと言ったのである。
「自分は・・まだ軍を動かせる力や十億の民を守る力はありません。私はまだ他にやることがあるのでは無いか、誰かを育てなければいけないのではと思うのです。前の戦でよく分かりました。我々国防隊はまだまだと・・・そして国勇部隊の成長見て思いました。これからはコイツらの時代だと・・・今私が彼等と離れるとあいつらは強なるばかりか、弱くなるのでは無いのかと。彼等は強くなります。そしていずれ、このアーマンティ国防軍の優秀な軍神達になるでしょう。それまでに私が彼等を育て、磨き、超エリートな武将にしたいと思うのです。」
マーチブは自分より自分の部下達をもっと見てあげたい強く優秀な軍師にしたく総司令昇格を断ったのである。
「頂点より、国の防衛力か・・・」
ボスカムはマーチブによく分かったと言い、これからも国防軍いやアーマンティ国を守ってくれと言いマーチブは昇格せず元のまま第十二部隊隊長、国勇部隊隊長に戻った。
そして事件当日がきた・・・・
「隊長!ローレム曹長からお電話です。」
ガチャ
「はい。マーチブだが・・?」
時刻は深夜0時前、軍幹部室のローレム曹長から電話があり、すぐにアーマンティ中央公園に来てくれと電話があった。マーチブの部下達は何か怪しいと思い我々も行きますと言ったが、マーチブは断り訓練で疲れているから明日に備え寝ろと命令しマーチブ一人中央公園へと行った。
外は銃弾のような大きな大粒の雨が降り竜のように紫の稲妻が鳴り天気は最悪の「漆黒の大嵐」であった。
自分の馬で急いで駆けつけ、中央公園と向かったマーチブ・・・
パカラッパカラパカラ!
「そうだ・・・たまには家族の顔でも見に行くか。」
ザーーーーーーーー
ザーーーーーーーー
ザーーーーーーーー
ゴロロロ・・・・
マーチブはアーマンティ中央公園についた・・・彼が公園に着きローレム曹長の姿を探したが、現場には誰一人虫でさえ、いなく、ただ激しい雨が降っていた・・・
「何だ?・・・誰もいないでは無いか・・」
ズチャッ、ズチャッ、ズチャッ、ズッ・・・・・・
マーチブは雨で濡れる地面を歩き出し七歩ぐらいで止まった・・・・・
「こ・・・・これは・・・・・」
地面が、雨で濡れ真っ赤に染まり雨の力により異臭が増し不気味な声を出しながら次第に死ににいく生き物、そして夜空は晴れ満月の月光が放たれた瞬間・・・その謎の異臭の正体が明らかになった。
犬
猫
馬
鳥
リス
ネズミ
猿
熊
ライオン
虎
キリン
ゾウ・・・・
色んな種別関係なく多くの動物達が血で赤く染まり、皮は剥ぎ取りられ・・・目の玉はえぐり取られてたり、首が反対方向・・・グチャグチャ曲げられた足、手・・・無残に無差別に殺害されていた・・・
「ど・・・ど言うことなんだ・・・酷すぎる・・・」
マーチブあまりにのショックに足を崩れ落ちその場でしゃがみ込み目の前の一本のナイフを見つけ手にし確認しそのナイフを見て驚いた。
「ワ・・・ワシの!?」
その時背後からある動物の声が聞こえ背後を振り向いた。
ドサッ!
マーチブの馬が悲鳴を上げ何者かに殺され、一瞬で首を斬られ倒れた・・・
「なっ!?・・・・誰だ!!」
その馬を殺した犯人は暗く影で分からなくすぐに暗闇に消えどこかへと消えていった。
キャーーーーーーーー
今度は女性らしき声が聞こえまた振り向き・・・・最悪の事態が始まった。
「誰かーーーーーーーーー!!殺しよーーーーーーーー」
通りかかった女性に見られ、マーチブは「違うんだ」と止めたが足が震え落ちあまりにのショックで動けず理性を失っていた・・・・・そしてアーマンティ国の警察隊が駆けつけマーチブをその場で捕らえマーチブを牢屋にぶち込んだ。マーチブはすぐに「無実」を訴えたが誰も信じず・・死刑判決と懲役一〇〇年を食らった。この無差別動物殺害で第十二部隊五年間活動停止と国勇部隊解散を命じられ・・・マーチブの部下達は国防軍から辞めさせられ、仕事も無く最悪の人生だった。彼等はどうしてもマーチブがやったとは認めず真犯人を掴もうと情報を集めたが・・・何一つ変わることは無かった。あの現場でいたのはマーチブただ一人そしてマーチブが手にしていた真っ赤に染まった凶器のナイフ・・・目撃者一人。
マーチブ以外あり得なかったのである。
マーチブはその後面会で部下達と会い、
「必ず真犯人を捕まえます」と言い真犯人を追い捜した・・・・
しかし、見つかることは無く、死刑の時が来た。
この時、ポルスは十五歳の最年少でそばかすの少年だった。
「リーダー。バルコーニーさんは、どうしたんですか?」
「ん?あ~アイツは軍に残って何故か知らんが第二部隊に入団したぜ・・」
「え?・・・なんで、僕らと同じ国勇部隊だったのに・・・」
「アイツは俺らと違って頭が良いからな・・・勿体ないと思ったんだろ・・ケッ!」
当時、バルコーニーは国勇部隊に入団していた、よくマーチブに厳しく仕付けられ未熟だった「風祭り」を教えバルコーニーだけ厳しかったマーチブ。しかし戦闘は駄目でも、勉強の方は優秀であった。
「いいか。バルコーニー戦は頭脳が良くても駄目だ・・・戦争になりゃ頭脳も何も関係ねぇ生きるか死ぬかだ・・」
「はい!」
マーチブとバルコーニーだけは本当の息子のように育てられ親子みたいなコンビであった。しかしマーチブが捕まりその親子愛は消え、バルコーニーは部隊とマーチブの元から離れ一人昇格し、まるで縁を切ったかのように彼等と会わなくなった。
カン!カン!
「これより・・・マーチブ・サイクロンの死刑を決行する。サイクロン!首切り台へ立て!」
ジャララララララララ
「何か最後に言い残す事はないか・・・?」
「・・・・・・」
「なければ結構。今貴様を地獄へ送ってやる!」
「・・・・・」
処刑場は何億の民の目の前で処刑することになった・・・その多くの人々の声から・・・
「この悪魔ーーーーー!!」
「おめぇ~なんか誰も信じねぇよーーーーーー」
「自業自得じゃあーーーーー」
マーチブにへの怒りの言葉がアーマンティ国の空に舞い上がった。
その時のマーチブの瞳から見た光景はこうだった・・・・
怒り狂う男達・・・悲鳴と怒りで唸る女達・・・泣け叫ぶ子供達・・・共に戦ってきた同期の戦友達の怒り・・・この世のから消えろと見る王族達・・・その空を飛ぶ鳩達でさえ糞を落し・・・・その大勢の歓声の中に自分の家族の冷たい目線もあった・・・・・
「・・・・・・」
「フン・・・そうか・・・・」
マーチブは何億の人々達の目の前でこう言った・・・
「こんな国とは思わなかった・・・かつて国を守り・・・戦い・・・その結果がこの始末・・・結局正義などねんだな・・・」
一瞬現場は静かになった・・・その時!!
シュッルルルルルルルルルルル・・・・パァーーーーーン!!
白く光る砲弾が処刑台で放ち白くモクモクと煙幕を出し周りの視界を失わせた。
騒ぎを起こす国民達、国防軍が警戒態勢になり辺りの周辺を護衛した。10分後煙幕が晴れ場が落ち着き始めた。すると処刑台にいたマーチブが消え国防隊は探した。
「おい!見ろっ!!」
一人の国民が遠くの離れた国防壁に指を指し何億の目がその先を見た・・・
バサバサァ~バサ・・・
「こ・・・国勇部隊だ・・・!!」
その国防壁の上に立っていた数十人の姿は元国勇部隊の彼等とマーチブの姿が立っていたのである。
マーチブの部下達は今日マーチブを助け、怒る国民達の前で宣言しようと決めた・・・
「俺達三十六人国勇部隊は、今日もってアーマンティ国を敵とする!!」
「おめぇら・・・・」
「隊長・・・いや、親父!!どこまでも付いていきます。」
国勇部隊の旗が揺れ何億の国民の前から消え、こうして彼等アーマンティ国から永久追放したのである。
一方、ゾルックスはその後・・・総司令の座が彼になり、ゾルックス総司令へと昇格し、さらなる国防軍強化と防衛力の力を上げ今日をもって今の現実なのである。
「クククク・・・言ったであろう。私にふさわしいと。ククク・・なぁ~バルコーニー?」
「はっ!」
ポルスは20年前の事件事をトーマンに涙ぐんで全てを言ったのであった。
「なんて・・酷い話なんだ・・・」
「親父は無実なんだ・・・あんなに人が大好きで・・動物好きの親父が殺すわけねんだよ!!」
ポルスは怒り泣いた、マーチブは無実だと信じ殺された仲間達を胸にアーマンティ国を恨み続けるのであった。
ドーーーーーーーーーン!!
大きな音が二人の背後で鳴った!!
「敵か!?」
「ももももも・・・・・モンスターーかな!?」
落ちてきた何かを見て驚いた・・・
「レッドバッファベアだ!?」
レッドバッファベア、ウォール谷に多く生息するモンスター。まるで熊とバッファローが合体した赤い肌を持ちとても固い頑丈なモンスター。
グルルルルル!!
「あらよっと!!」
ズカーーーーーーーン!!
一人の少年がレッドバッファベアにトドメを指しこう言った・・・
「まいったよ・・・人が気持ちよく寝てたらいきなり襲いかかってきたんだよ~」
「おめぇら。本当にアーマンティ国の道知ってんのか?レッドバッファベアだらけだぜ・・・」
その通り、ここはレッドバッファベアが多く生息する谷、ウォール谷のど真ん中であった。
「ええええええええええええええ~」
三人は間違ってウォール谷の方へと迷い込んでしまったのであった。