愛とは狂気 後
愛って...何?
僕は精霊城へと行く道中、ずっとそれを考えていた。
愛愛愛愛。僕が彼女の事を考えると、胸がドキドキする。彼女が目の前にいると、ついつい抱きしめたくなる。
恋と愛の違い
恋は焦がれるモノ、愛は与えるモノ。
僕はそう思う。でも、僕は何も与えられてないな...代わりに僕が、リンからたくさんの笑顔を貰ってる。
ダメだなぁ、僕。もう一度リンに会って、今度は僕が愛情を注いでリンを笑顔にしたい...笑顔に...
「カナトー、どうしたの〜?」
クリンの声が、耳の中に飛び込んで来る。
と同時に、水の弾が僕の頬にぶつかってくる。
「もう! あたいを忘れないで欲しいの〜」
「あぁ、クリンか」
「クリンか、じゃないの〜! リンを想うのは良い事だけど、今は兎に角精霊城を目指すの〜!」
クリンは悠々と空を飛びながら、片手の人差し指を立てる。
僕はそうだね、とつぶやくと、真っ青な空を見上げた。綿菓子みたいな雲が、フワフワと浮かんでいる。
「そうだね...でもさ、ただただ歩いていても、仕方無いと思うんだ。確か、精霊城は大陸の真ん中なんだよね? 此処は端っこ。中々行けないよ」
僕がそう言うと、クリンはぷーっと頬を膨らませた。
「何言ってるの〜? あたいだったら一時間もかからないの〜!」
「それは、クリンだから。僕は飛べないんだ」
「カナト、不便なの〜。人間はある意味凄いと思うの〜」
クリンはため息をついた。
僕は空を見上げた。普通の、田舎道のようだった。
周りには山があり、森があり、自然に溢れていた。
**
さて、それから僕等は精霊城へと向かった。
二週間ほど経っただろうか。
僕等は今、精霊城の真ん前に来ていた。道中で精霊や妖精に警戒されたり、襲われたりする事以外は、特に何もなかった。
カット反対? 道中書け?
無理、神の体力が保たない。
僕の事は精大陸中に知れ渡っているらしく、人型、チビ型、巨人型、全ての精霊・妖精達は僕の事を知っていた。
案外、友好的な人達だった。
若干、僕に言い寄って来た精霊もいたけど、僕は勿論真顔で撥ね付けたよリン。僕には君しかいないからね。
「やほーワット。あたいなの〜クリンなの〜」
精霊城は、まるでアトランティスのような幻想的な城だった。
エメラルドグリーンの壁で、大小様々な尖塔、小さな窓、そしててっぺんに掲げられた緑色の下地に剣が二本交差している大陸旗ーー
クリンは、城の前で槍を持った、人型精霊に話しかけた。
「あぁ、クリンか。どうした? 精霊王様、お前にリベンジはもう諦めたはずだが?」
「うーんと、ちょっとカナトとあたいを城に泊まらせてほしいだけなの〜」
「カナト...そこの人間か。良いぞー、ちょっと待ってろ」
二、三個ツッコませてほしい。
まず、クリン嘘ついてなかった。
王が...リベンジ? もしかすると、決闘的な感じなのかもしれない。
次に、おい、人間全然嫌悪されてないじゃん。
僕、一応襲われたりしたけど、大体が友好的だったよ?
そして何この絶対権力的な奴。
クリン、君何者なんだい...?
**
僕等は精霊城の中へと入った。
アレ? 案外普通...。
中は、某英国人気魔法学校小説の城みたいな感じだった。
クリンは本当に何なんだろうか。周りを歩いている精霊の兵隊さんやら、妖精のお姫様やらに挨拶されたりしている。
おっと、此処で精霊・妖精について説明しようかな。
精霊・妖精は少し違うんだ。
精霊は多くが自然に宿るモノで、妖精は特に特定はされていない。
精霊は形を好きに変える事が出来る。
人型、獣型、精型。
最初のは其の名の通り。人の形。次は獣の形。そして最後は通常体の小さな掌サイズの大きさだ。
ただし、形を変えられるのは精霊だけだ。妖精は、ずっとそのまま掌サイズ。
さてさて、精霊城の中をクリンの案内で進んで、僕等は王座の間のような所にやってきた。
だが王座には、僕の想像していたような人物は座っていなかった。
「アァら、クリンじゃないの。久しぶりねぇ」
王座には、ピンクの大きなドレスを着た小さな少女が座っていた。
彼女は、クリンに問いかけながらも、僕をジッと見つめていた。
「ま、マリア...何でアンタが此処にいるの〜!」
「マァ、王様がお出かけしちゃったみたいだから〜ん、ワタクシが代わりに座ってあげてるのよ。ねぇイケメンさん?」
彼女...マリアは僕に向かって微笑んだ。その目は濁っていた。
まるで、僕をモノとして見ているかのようにーー
「よろしければ、ワタクシとお茶でもいたしませんこと? イケメンさん? ワタクシはマリア・コリンですわ。精大陸一番のお金持ちで麗しいご令嬢様よ」
「そうですか。僕はカナト・キショウインです。残念ですが、お断りいたします」
「ア、アラ...何故かしら? このサイトリール一...いえ、この世の全てを通り越す美しさを持つワタクシの誘いを断るなんて...」
途端、僕はピリッと来た。
この世の全てを通り越す美しさ? それは、リンだ! お前みたいなビッチの何処か美人だ!
クリンは僕の心の中でフツフツと煮えたぎる殺意に気がついたらしく、慌てて話を変えた。
「せ、精霊王は何処に行ったの〜?」
「マァ...サボりって言ってたわ」
「あのサボリ魔...仕事しろっての〜!」
一先ず、このビッチを殺す計画を立てながらも、リンを気侭に待つかな。
道中は何もなかったし、面倒なのでカットです。
番外編として出すのもアリかもね。
今日は疲れた。
リン「手抜きだね」
作者「手抜き言うな」
アーレイ+シューベルト「「手抜きだな」」
作者「べ、別に...アンタのために手ぇ抜いてるんじゃないからねっ」




