第1話 まもってもまれないものは?
第2弾の投稿です。楽しいでもらえるとうれしいです。
ー まもってもまもれないものは? ー
俺の名前は、菅山くい(すがやま くい)ごく普通の高校生だ。
いつも、安逸な日々を送っている。いつもと変わらない風景、日常、世界。。。。
高校3年生の4月の始業式、俺はいつものとおり学校の進路指導の担当の教師から話を聞き
じぶんの進路を報告して帰った。
ー何か将来の目標はありますか?ー
個人的には自分のスキルを活かし社会と密接に関わって行きたいと思います。(嘘)
ー志望大学はやっぱりやりたい事があるから?ー
はい。ここなら自分のやりたいことが出来て、何より自分のしたい勉強もできとても充実した大学生活が俺くれると思ったからです。(嘘)
用意された言葉、用意された顔、用意された性格、
俺には主体性が有るのだろうか?
いつものように帰り際に交差点で信号が青になるのを待っていた。
ただなんとなく、上を向く。そこは空だ。
毎日が鬱で世界が全部、同じに見える。記憶も全部一緒でみんながみんな同じに思えてくる。この数秒の間でもなんにも変わらない。
「日常を変えたいとは思いませんか?」
ん?
咄嗟に後ろを振り返る。そこには、黒い執事のような格好をした長髪で高身長の男が立っていた。
「は、はぁ」
俺はだるそうに、返事を返す。もし、こんなとこほかの奴に見られたら嫌だからだ。いかにもヤバい奴だ。こいつ。。。関わってはいけない。
「毎日が、ニヒル。そんな顔してますよ。」
マジで痛い。こいつ何なんだ?だから何なんだよ?お前に俺がどんな顔してようが関係あるか?
「そう・・・ですね。。あはは」
適当に返す。そして、前を向く。信号が青になったら早歩きで行こう。なんかの撮影?ドッキリとかか?
「もし、このニヒルが"充実"に変わったらどうします?」
「・・・・・・・」
聞こえないフリだ。
男は続けて話す。
「もし、今あの信号がずっと赤だったらあなたは私の話をすこしでも聞く気になるでしょうか?」
んなわけねーだろ。もう、わたってしまおうか。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
30秒ぐらい立ったか。信号は一向に変わらない。
おい、はやくしろよ。はやくしろって。もう速く家に帰りたい。てか、おかしいだろ。おかしい。ん?これ夢か?なんだ?いや俺がきた時はちょうど赤だったよな。てことは。。。ん?
「変わりませんよ。ずっと。そういう事にしましたから」
あんた、まだいたのか。
「あの、これなんかの悪戯ですか?だったら、迷惑なんでやめてもらえません。。」
俺は、振り返って男に問いかける。
「いえ、悪戯でもありませんよ。ただの。。そうですね。あなたの気持ちを確かめたかったんですが
どうも今の人間というものはよくわかりませんね。率直に聞いても答えが返ってこない。だから、こうやって面倒なやり方をしないとまともに話すら聞いてもらえない。。。」
「はぁ。。。」
いやだから、じゃあなんなんだよ?やめろよ。取引とか意味わかんねーよ。。
しかし、信号はずっと赤のままだった。俺はついふっきれてしまい男に聞く。
もう面倒だ。
「すみません。何がしたいんですか?答えますから。」
なんだか、走って別の道に行ってもこいつは追ってきそうだった。
「よかった。話聞いてくれるんですね。あなたもし神様がいると行ったら信じます?」
「信じません。」
俺は即答する。
「ですよね。現代人ですから。でも、今こうやって神様は存在している。」
「は?いや意味わかんないっす。」
「後ろを見て見なさい」
俺はうしろを向く。すると交差点の車道の方にさっきまで車などほとんどなかったのに10台?20台ぐらいの車が走っていた。
「あれ?」
おかしかった。普通に10台や20台ならすぐきそうなのだが、信号で止まっていた。そして、今俺が
この男の方を向いていた時間は10秒ぐらい。なのに、車がこんなに。。しかも人もたくさんいる。
一瞬が。。。なんだリープしたような。。
「場所を変えましょうか」
俺とその男は、俺の家から徒歩10分の喫茶店にむかった。
「私は、フリーオと申します。以後お見知りおきを。」
「はぁ。。。ふりーおさん。。」
なんだ。。これ?マジでやばいんじゃないのか俺。。。新手の勧誘とかか?今、こういうの流行ってんの?
マジでやばい。適当に断って帰ろう。マジで怖すぎだろ。。。
「俺は、すが・・」
「あ、菅山さんですよね。知っていますよ」
俺が名前を言う前にフリーオは俺の名前を言った。
「では、本題に。じつはね今ゲームの参加者を募集してるんですよ。」
「え?なんの?」
「サバイバルゲームのね」