妹は何も知らない。
片田舎に住むティティは今年で十三になる。唯一の家族であった母は亡き人になった。自慢の黒髪を行商に高値で買い取ってもらい、ティティは大金を得る。ティティはさほど心根がいい娘ではないが、貧しい村の為に金を使えばいいと思うぐらいには故郷に情があった。けれど、村人は口を揃えて「母の遺言を守れ」と言う。―――「ティティ、お願いだ。母さんの一生に一度のお願いだ。お前だけでも、姉さんに会ってやっておくれ」と母さんは言ったけど、俺と母さんを捨てたのは姉さんじゃないか、とティティは思うのだ。
雑草狩り
2013/08/27 22:00
(改)