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設定……主人公はかなりの美少女です。テンプレ

 次の日の朝、僕はベットの中でもぞもぞ考えていた。


 果たして僕は既にもう狙われているのだろうか?学校に行ったら呼び出されて後ろからズドンと撃ち殺されたりするのだろうか。


 鬼化していれば銃の2,3発位軽く耐えることができるが学校の僕は完全に人間。


 簡単に殺されうる。


 ……うん?完全に人間?


 完全に人間!!


 そうか、僕は学校では人間だから殺されない!


 そう気づくと僕はベットから飛び起きた。布団が盛大に宙に舞っている。


 「僕は人間だー!」


 僕は無駄にテンションが上がって叫んでしまった。


 地味に生きよう。

 

 学園生活を満喫するぞ!!


 よし!!


「うし!」


 僕は一人でガッツポーズをして着替え始めた。


 そしてぶつぶつととなえはじめる。


 朝ごはんを作ろう。そして学校へ行こう。地味に過ごし、奴らにとってまるで空気のような存在になろう。さすれば、道はひらかれん。


 「我ながら、完璧だ。」


 ふっふっふっとにやけながら僕は台所へ向かい目玉焼きを作りはじめた。



 当然鬼の僕は一人暮らしだ。


 家族なんていない。


 すこし、さびしいけど僕には学校がある。


 ああ、早くあいちゃんに癒されたい。


 パン


 手を合わせると今日はいつも以上にいい音が出た。


 「いただきます!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


 学校についた。


 今日の僕はなんだか機嫌がいい。


 僕は屈しない。力や暴力に屈しない。

 たとえ、高校に殺鬼人がひしめいていようが屈しないぞ!

 僕は平穏に学生生活をおくるんだ!空気、空気。



 僕は心の中で吠えた。


 校門を超え、歩いているとげた箱が見えてきた。


 ほら、大丈夫。


 考えてみれば今の僕の姿は完全に人間であって何も恐れることはない。


 堂々地味にしていればいいんだ。


 そう考えてるうちに僕はげた箱についた。


 ふっふーんと鼻歌を歌いながら、靴を取り出してると


 「おはよう」


 と後ろから声をかけられた。


 「おはよう」


 と僕も振り向くと、そこに立っていたのは林友一だった。


 「げっ」


 思わずもれてしまう僕の声。


 「げ?」


 林友一が聞き返してくる。


 「げ、げーぇっ……ゲゲのキタロウに出てくる目玉おやじってなんか目玉だよね!!」


 思わず口がひとりでに動いてしまう。


 いやぁーー!なんていう返しをしてしまったんだ!!

 あほか、僕。

 この口が悪いんか!この口がっ……


 どうしようかと思い、内心半泣きで林友一を見上げてみた。

 

 すると、

 

 「うっ。そっ、そうだね。目玉だね。くっくっ」


 林友一は顔を赤らめ目を一瞬逸らしたかと思うと、急に穏やかに笑い始めた。


 う、うけたのか?


 空気が固まらず、僕は少し気が楽になりつつも、目玉の話でうけるこいつは変態なんじゃないかと思った。


 「なんか、みずきちゃんって言うこと面白いね」


 そういう変態にちょっと引きつつも


 「そうか~」


 と笑顔でこたえてやる。


 あっそうだ、目玉の話がいいならこれもうけるかな?


 「あのな、今日朝ごはん目玉焼きつくったんだ。めっちゃくちゃおいしかったよ!」


 「へー、そうなんだ。てか、みずきちゃん自分で朝ごはんつくってるんだ。」


 くいついた!やっぱり目玉がいいんだな。この変態は。


 このあとも、林友一と『毎日自分でつくってるんだよ』とか、『へーおいしそうだね。たべてみたいな』とか話しながら教室に入った。


 入ると━━じゃあ、ここでっ、と言って、林友一はほかの男子のところに行ってしまった。


 それを見ながら、ふー、よくあの失言から会話がつなげたなぁ、と達成感を味わってるとあることに気がついた。


 だめじゃん!!なに楽しく話してるんだよ!


 ついさっきまで奴らにとって空気になるって自分に言い聞かせたのにっ。

 空気とまったく逆のことをしてしまった。


 僕は相当落ち込んだ。

 落ち込みながら僕は席へと向かう。


 席に着き、つい頭を抱えてしまった。

 自己嫌悪だ。

 つい、目玉おやじがうけて、目玉の話をしてしまうなんて。


 もうあいつに目玉おやじの話はしてやらん。


 そう心に誓う。


 ガタッ


 僕は席を立った。トイレにでもいって気分展開をするためだ。


 てくてくと歩き、教室のドアをあける。


 ガラガラっという音とともにドアは開き、僕は廊下に出た。

 

 「ふー」


 息を吐き出し、トイレに向かい歩く。


 すると歩いていると、前から男子が数人歩いてきた。


 その中にはあの憎き水守一輝もいる。


 奴を見たとたん、僕に自然と緊張が走った。

 思い浮かぶのは奴が鬼をチリにした瞬間。

 あの冷酷な目。


 ぶるっと僕の体に鳥肌がたった。


 空気だ、空気。僕は空気と心の中で自分に言い聞かせつつ、素通りしようとする。


 一歩、一歩奴との距離は近づいてくる。


 大丈夫、奴は楽しそうにクラスの男子と話しながら歩いている。


 そう自分に言い聞かせ僕も一歩一歩足を前に進める。


 あと少し……


 僕は手に汗を握る。


 通りすぎ……


 ポンっ


 不意に肩をたたかれる。


 水守一輝が僕に笑顔で話しかけてくる。

 僕の脳裏をよぎるのは鬼がその手によってチリにされていく光景。

 

 

 「おはよ……「ひぃーーーーーーん!!!」……う?」


 僕は両手をあげて叫びつつ全力で駆けだしてしまった。


 水守一輝はぽかーんとたたずみながらも一瞬で正気にかえり


 「えっ、えっ。は、林さんっ?えっ、ちょっと待って!」


 と叫んでいるが僕には何も聞こえない。


 聞こえないったら聞こえない。

 

 僕はトイレにつくと思いっきりドア開け、中に駆け込みバタンと大きな音を立ててドアを閉めた。


 さすがに女子トイレの中にはこれないだろう。


 「ふー」


 壁にもたれかかると今度は安堵により息が出てきた。


 なんだか最悪なファーストコンタクトを取ってしまった気がする。


 「はぁ」

 

 もはやこの一週間で癖になってしまったため息が僕の口から出てきた。





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