ザラメ
「いいのよぉー♡うちの家来が間違えただけだしぃ♡」
え?
「それより、こうちゃんが来てくれて嬉しぃわぁ♡」
「ハ、ハル!俺もだよ!」
二人のイチャイチャモードがあまりにも全開でその場は呆然となった。
「ふふ♡ついに双子が出会ってしまったわねぇ♡」
「ごめん……俺の不注意で」
「もう♡」
えー、よくそんな子供の前でイチャつけんな。
「うげっ」
はくらなんて吐きそうな顔してるし。
「大体、しずく!言ってはいけないと言ったでしょ」
女王陛下は急にしずくを睨む。
「すみません!ど、どかあれだけは!」
あれって?
しずくさん土下座してるし、クビとかかな?
「一日中語尾メロ!」
「ギャー!!」
まぁ、あの女王陛下だし、そんな酷いわけなかった。
「よし、ではこうちゃんとはぐらを送っていきなさい」
「了解ですメロ!」
「じゃぁねぇ♡ダーリン♡」
「じゃぁな、愛しのハニー♡」
「キャン♡」
「「うげっ」」
あ、はくらとシンクロしたわ。
宮殿から出て父さんと別れてぶらぶらしていると、淡いピンク髪を下の方で二つ結びにした女の子が飛びついてきた。
「はぐら!大丈夫だった!?村のみんなが心配してるよ!ご馳走貰った!?お土産は!?なんか食べもの食べた!?」
「途中から欲が混じってんぞ」
「あれ?」
こいつはザラメ。
『砂糖』と書かれたヘアピンがトレードマークの食いしん坊で、何でも食べる。
「あ!今日はぐらあそこ行くでしょ?ついていってもいい?」
あそことは、ザラメが大好きな人がいるところだ。
友達になりたいとか何とかかんとか。
なれてねぇらしいがよ。
名前は……名前は……。
何だっけ?
ま、いーや。
そいつははくら様と仲がいいと有名な王子だ。
しかし、呪いで城……というよりかは棟?
みたいなところから出ることができないらしい。
しかも二十歳以上は無条件で入ることができない。
だから子供の僕らが食べものを運んでやっているのだ。
外に出る事のできない王子は、みんなから『鳥かご王子』と呼ばれている。
僕が呼び始めたのがきっかけだが。
「別にいいよ。連れて行ってあげる」
「おっけー!ちょっと待って!着替えてくる!」
ザラメはそう言うと嵐のように去っていった。




