双子
ーーはくら視点ーー
私の名前ははくら。
ここ、アニぺト王国の第一王女!
じきに女王になるとかないとかなんとか……。
でも正直メンドイ!
ていうことで、今は王国を抜け出してごんざぶろうに会ってきたとこ。
「はくら様が居なくなったぞー!」
「探せー!」
……また王国が大騒ぎになってる。
『ガガガ……ピー……』
なんかメガホンの音が聞こえる。
『はくら様が見つかりましたー。安心してくださーい。繰り返しまーす。はくら様が……』
ゑ?
まだ見つかってないけど?
ーーはぐら視点ーー
僕ははぐら!
どこにでもいる農民の息子!
今日は一人で畑仕事!
あれ?
お偉い感じの人がこっちに……。
「はくら様!ここにいましたか!」
「は?」
「何です?その恰好?」
「え?えぇっと……え?」
何?
どういうこと?
はくら様?
はくら様って今朝逃げだしたっていう?
「あの……人違」
「はくら様、ゆきますぞ!」
はぁ。
話通じねぇ。
「みんなー!はくら様が帰ってきたぞー!」
「はくら様!無事でしたか!」
「何ですかその恰好!」
「え、」
「きっと連れ去られたのでしょう!」
「あぁ、かわいそうに」
「あの、」
「さぁ、食事にしましょう!」
「はくら様!」
「はくら様ー!」
「はくら様」
こっっっっわ!
何?
なんなの?
僕はくら様じゃないし!
言ったほうが良い……よね?
「ぁ、あのっ!」
「はっ!なんでしょうか」
「僕、はくら様じゃないです!」
「……そんなわけないでしょうw」
「かわいそうに、きっと記憶も消されたのよ」
「ほら、はくら様。名前は?」
「はぐらです」
「はくら様じゃないですか!」
「いや!は・ぐ・ら!です!」
「……何者だお前ー!!はくら様に成りすましおって!!」
「最初からはくら様じゃないって言」
「しずくさーん!!はくら様の成りすましがー!!」
だから成りすましじゃないって!
てかしずくさんって?
「……ってしずくさん?」
「ふぇ?」
しずくさんと呼ばれた少女は水色の鎖骨まである髪をぼさぼさにして、あきらかにねおき顔で飛び出してきた。
「……しずくさん、寝てまし」
「な、成りすましだとー!タイヘンダー!ナ、ナントカセネバー!……って、はぐら様じゃないですかー!ついにお戻りになったんですねー!」
「は?いやこちらはくら様じゃないって」
「そらね?はぐら様だし?」
「はぐら様、とは?」
「なっ!はぐら様ははくら様の双子のお兄様でしょ!」
ねぇ?みたいな顔でこっちを見る、しずく?さん。
「いや……え?僕、農民の息子ですけど……」
「はい!やっぱり!」
「え、えっと……失礼ですがしずくさん、その原理で行くとはくら様のお父様が農民ということになりますが……?」
「はい!農民です!」
「はぁぁぁぁぁ!?」
いや、意味わからん!
「どういうこと?」
と、部屋の中に僕とそっくりな、僕より数オクターブ高くしたような声が響く。
声の方向を向くと……。
「「え……僕/私!?」




