読書家の絶滅防止プロジェクト
読書家が絶滅寸前なので読書家同士を交尾させるという、間違えた方法での絶滅防止アプローチが企画された世界。
果たして読書家は絶滅してしまうのか!?
むかしむかし、人間たちは、本を読むこと以外の娯楽が増え、テレビ、ゲーム、映画、などなどの娯楽の多様化が進んでおりました。
その結果、本を読む人がどんどん少なくなっていったのです。
そして本を書く人は絶滅し、さらに本を読む人も、絶滅危惧種となりました。
さて。昔から人間は、絶滅危惧種をなんとかして保護しようとするものです。
読書好きたちは、施設に集められました。
「ヒャッハー、お前たちを保護することに決めたのだあ!お母さんも保護したほうがいいと言ってたのだあああ!お父さんもだあああ!」
「お前たちには犬みたいに、栄養バランスを考えた食事をしてもらい、運動もしてもらうのだああ!ヒャッハー!」
「お前たちの保護プログラムは、俺たちの中でもっとも頭が良い、ハカセとあだ名がついている、ハカセが考えたやつなのだあああ!」
読書好きたちは、困惑しました。こんな頭の悪い奴らに、捕まってしまった、と絶望的な気持ちになりました。
そして、ハカセと呼ばれた男がマイクの前に立ちました。読書好きたちが注目している中、ハカセは叫びました。
「今からお前たちには、コンパをしてもらうのだあああ!理由はエッチをして、子供を増やしてもらうためなのだあああ
読書好きが滅亡したら困るのだあああ!!!だから、エッチなことをしてもらうのだああああ!!」
そして、コンパが始まりました。
「お前とお前は誰の本が好きか話し合うのだああああ!」
ムチを持ったハカセがコンパ会場を練り歩いています。
仕方なく、女が答えました。
「わたしは芥川龍之介が好きです。あなたは?」
「僕も芥川好きですよ。他には…」と男が答えかけた途中で、ハカセは大声で叫びながらジャンプして喜びました。
「カップル成立なのだあああ!こいつらは今からセックスするのだあああ!」
男と女はかわいそうに、いきなり後ろからはがいじめにされ、檻の中に閉じ込められました。
「さあ、するのだああああ!この檻は、エッチをしないと鍵が開かないシステムなのだあああ!早くするのだああああ!芥川ナンチャラも天国でそれを望んでいるのだあああ!本を読む子供を生むのだあああ」
ムードも何もあったもんじゃない、このやり方は、読書好きたちにすさまじいストレスを与えました。
毎日毎日、夜になるとコンパが行われ、昼間は読書タイムとして、ハウツーセックス系の本ばかりが与えられました。
ある日、たまりかねたストレスで、読書好きの代表が叫びました。
「お前ら、もっと本を読め!本を読まへんから、こんなにアホやねん!こんなやり方じゃ、読書好き増えへんやろ!!お前らみたいな、本を読まない奴らが本を読むことでしか読書好きは増えない!!俺たちは、トキじゃない!天然記念物じゃないんや!!」
ハカセはそれを聞いて、こう答えました。
「ヒャッハー!!何を言ってるかわからないけど、オスが興奮しているぞ!!読書好きのメスを連れてこい!交尾しそうだぞ!ヒャッハー!」
「お前のどこがハカセやねん!!本を読め!アホ!」
さて、こんな生活が半年続きました。
「ヒャッハー!お前たち、コンパタイムだ!」
「そいつぁ、ありがてえ!ヒャッハー!!早く女とやりてえ!」
「ヒャッハー!アタイも早く男とやりてえ!」
こうして、読書好きはみんな、語彙力を失い、アホになっていきました。
さて、人類最後の読書好きが本を読んでおります。
今、まさに本を閉じて、こう言いました。
「ヒャッハー!本つまんねえ!」
そうです。バカがうつってしまったのです。
おしまい
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