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第37話 竜王請願賽 第2の試練 極楽鳥(2)

 観客席の一角。


 エリンが、立ち上がった。


「……そんな……」


 声が、震える。


「極楽毒翼爪……実在したの!?」


 キーラが、目を見開く。


「えっ!?

 知ってるの、エリン!?」


 エリンは、重く頷いた。


「ええ……」


「必殺の暗殺拳……」


 彼女の声に、重みが宿る。


「危険すぎて……

 相伝されなくなったと聞いていたわ」



 ――闘技場。


 勇人は、手を上げた。


「……少し、待て」


 極楽鳥が、眉を上げる。


 勇人は、司会を見た。


「これは……いいのか?」


 低く言う。


「毒だぞ」


 一瞬の静寂。


 それを破ったのは――理事長。


「問題ない」

 即答。


「もとから備わっている力だからな」


 勇人は、目を閉じた。


 極楽鳥が、肩をすくめる。


「……あと、十分ほど」


「それまでの命よ」


 にやり。


「残念……

 生きていたら、私の彼氏にしてあげたのに」


 勇人は、それを聞いて――


「……そうか」


 静かに、立ち上がった。


「……わかった」


 足元に落ちていた、双剣を拾う。


「……こいつは、借りるぞ」


 極楽鳥は、楽しそうに笑った。


「ふふ……」


「それで躱すつもり?」


「いいわよ。貸してあげる」


 ――その瞬間。


 バサァァァッ!!


 再び、羽根の嵐。


 だが――


 キン!


 キンキンキン!!


 勇人は、双剣で次々と落とす。


 刃が、羽根を弾く。


 ――その隙を突いて。


 ヒュッ!!


 極楽鳥の爪。


 だが――


 ガキィン!!


 勇人が、斬り返す。


「……っ!」


 極楽鳥は、空へ跳ぶ。


「……やるわね」


 急降下。


 毒でふらつく勇人に、襲いかかる。


 ――だが。


「……遅い」


 躱される。


 ザン!!


 今度は――


 双剣が、極楽鳥の頬をかすめた。


 一筋の血。


「……よくも……」


 極楽鳥の目が、吊り上がる。


「女の顔に!!」


 だが――


「……まあ、いいわ」


 上空を、旋回し始める。


「もうすぐ、毒が回る」


「その時まで……待つわ」



 ――解説席。


 龍神が、低く言う。


「……これは、良くないですよ。理事長」


 理事長も、腕を組む。


「……だが、ルールは守っている」


「作戦のうち、だな」


「教師としては……好ましくないが」


 観客席から、怒号。


「戦えーーー!!」


「それでも先生なの!?」


 極楽鳥は、叫び返す。


「うるさいわね!!」


「あんたたち、戦ってみなさいよ!!」


「しかも勝ったら、ボーナス増えるのよ!!」


 ――運動場。


 勇人は、理事長を見る。


「……もとから備わってる力なら……」


「使っていいんだな?」


 理事長は、頷く。


「もちろんだ」


 勇人は、ため息をついた。


「……そうか」


「……仕方ないな」


 ――その瞬間。


 ゴォォォ……


 勇人の身体が、赤く――妖しく発光した。


 ――魔法防御殻、起動。


 無機質な音声。


 次の瞬間。


 ガシャァァァン!!


 勇人の周囲に、真紅の装甲が展開される。


 それは――昆虫の外骨格を思わせる異形。


 人の眼を模した、複眼。


 背には――六本の昆虫型触手。


 ――ガトリング、起動。


 上空の極楽鳥へ。


 無数の光弾。


「……うそでしょーーーーーー!!」


 極楽鳥は、涙目で逃げる。


「反則じゃない!!」


 ――だが。


 ドォォォン!!


 ドドドドドド!!


 被弾。


 翼が、焼ける。


 身体が、黒焦げになり――


 墜落。


 ズドォォォォン!!



 司会の声が、割れる。


「――勝者ぁぁぁ!!

 戸川勇人ーーーーーーーー!!」


「またも、勝利ぃぃぃ!!」



 観客席――


 爆・発。


「すげええええ!!」


「もう何なんだよ!!」


「人間じゃねえ!!」


 こうして――


 第二の審議、終了。




☆ここまで、読んでくださり、ありがとうございました。


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