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なろラジ6参加作品

お姉様のためなら、ベランダからでも落ちますわよ!

「やあアネット、今日も可愛いね。翠の瞳が素敵だよ」


 そう言ってデジレ様は、私に微笑みかけた。


(ふふっ、私が可愛いのは、当たり前のことでしょう)


 彼。

 お姉様の婚約者であるデジレ様は、私に夢中。

 伯爵家に来ると、真っ先に私に声をかけてくれるの。


 だから私も愛想を振りまく。


 そっと彼に擦り寄って、上目遣いで目線を送ると、美青年の頬が緩んだ。


(お姉様が来るまで、私の魅力を堪能なさって)

 私はニンマリ目を細める。


 そんなことしてて良いのかですって?

 ええ。私には許されてるの。


 この家の人たちは、皆私にすごく甘い。


 お姉様は"伯爵家にふさわしくあれ"と厳しく注意されてるけど、私が叱られたことはない。

 私は難しいことをしなくていい。

 お姉様がお勉強してる時間は、使用人達とたっぷり遊んで、お母様と美味しいおやつを食べて。


 色とりどりの綺麗なリボン。

 きらきら光る宝石たち。

 全部私のために用意されたものよ。


 いつも最高級に着飾って、愛らしい私を見せるだけ。


「あら、ダメよ、アネット。そんなにデジレ様にくっついたら」


 仕度を終えたお姉様が部屋に来た。


今日(こんにち)は、ポーラ嬢。アネットは可愛いですね。そして貴女(あなた)はいつもお美しい」


 デジレ様は私を先に褒めたけど、お姉様には十分らしくて頬染めて喜んでる。


「突然の訪問を許してください。このところお会い出来ず、恋しくなってしまったのです」

「いいえ、お忙しい中、こうして会いに来て下さって嬉しいです」


 はにかみながら、お姉様がデジレ様を誘う。


「今日は風が気持ち良いので、バルコニーで楽しみませんか?」

「良いですね。ではお手をどうぞ、お姫様」


 デジレ様が私を避けて、お姉様の手を取った。

 そんな二人を追いかける。


 私を仲間外れにしないで!


 庭を見下ろすバルコニーでも会話が弾む。


「南国に行った同胞は、ベランダというものを作ったようで」

「ベランダ?」

「屋根付のバルコニーです。あちらは陽射しがきついから」

「まあ……」


 話の途中、お姉様が悲鳴をあげた。


「きゃあ、蜘蛛!」


 風に乗って、手すりに飛んできたらしい。

 

(任せてお姉様!)

 

 得意のジャンプで飛んだ私は、勢い余って手すりの向こうに。

 失敗。飛び越えちゃった。


「アネット!」


 くるりっ。すたっ。


 宙で身を回し、着地を決めた私を、お姉様達がバルコニーから覗き込んだ。


「怪我はない?」


「にゃあん」


 平気よ、お姉様。

 お姉様のためなら、バルコニーでもベランダでも落ちてみせるから!


 あれ、蜘蛛は?




 お読みいただき有難うございます!


 なろうラジオ大賞参加作品4作目です。

 これは早々にネタバレしたのではないでしょうか?(笑)

 ニャンコの言う宝石とは多分首輪に。そしてデジレ様は猫の毛だらけ。

 

 なお、張り出しについて。

 一階がテラス、二階以上がバルコニー、屋根があるのがベランダだそうです。

 ベランダはインドに行ったヨーロッパ人が考案したんだって。


 ジャンルは「その他」にしていますが、後で変更するかもです。よろしくお願いします♪ヾ(*´∀`*)ノ

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― 新着の感想 ―
可愛いお話ですね~。とても良かったです! 「私が可愛いのは、当たり前」「私の魅力を堪能なさって」→そうです。妹ちゃんには、このセリフを表明する(?)のが許されているのです。納得なのです(爆)。
これは許される小悪魔w
途中でもしかしたら……♡ となったのですが、宝石はどこに? と考えて。 最後まで読ませていただいて、そっかあ、そこねとニヤニヤしちゃいました( *´艸`) なんだかんだでお姉さん想いの妹。激カワでし…
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