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アラフォーモブの異世界奔走記  作者: オウレイ
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何の面白味もない人生お疲れ様でした!

西暦20XX年


昭和の終わりに生まれて、日本経済が停滞した平成を過ごし、新しい時代を迎える頃にはおっさんになっていた。


小中高と大して目立たず何の取り柄もなかった私は流されるようになんとなく決めた大学へ進学した。

バイトをしながら講義やゼミに出席し、なんのイベントも起こらない凪の海のような大学生活を過ごした。

大学3年から始まった就職活動では不況のあおりを受け、就活市場は超買い手市場だった。そのためなかなか内定をもらえず周りが就職を決めていく中で私は就職先が決まらずにいた。

そうして就職活動を続けて大学4年の夏になんとか中小企業の営業職として内定を獲得。


営業職に就いたはいいものの、そこは人を育てることを知らないしやる気もない中小企業。

誰も仕事の仕方を教えてくれず、ただ資料や業務用スマホを渡されてほったらかしにされた。

不幸中の幸いだったのは飛び込みで新規開拓をさせられるような仕事ではなく、既存顧客とのやりとりが中心のBtoB営業だったこと。

わけのわからんを売り歩く新規開拓メインだったら3日で逃げ出していた自信がある。

とは言っても、自分から何かを提案したことなどなかった私は営業そのものに四苦八苦。

入社したての頃は自分が提案しようとしている商品のことを顧客から説明される始末、営業という仕事に慣れるまでかなり苦労した。


そんなこんながありながら良くもなく悪くもない営業成績を残しつつこの会社で働くこと十数年。

これと言った趣味もなく親友と呼べるような友達も居なければ彼女も出来たこともない。冴えない中年男(モブ)が出来上がりましたとさ。

我がことながら振り返ってみると原稿用紙数枚で終わりそうな人生だ。

この原稿用紙数枚の人生はこの先何枚に増えるのだろう?

まあこの調子じゃ増えても10枚に届くことなく終えるんだろう。

そう思ってた。

それがまさかこんなことになるなんて誰が想像するか。


「はい!というわけで何の面白味もない人生お疲れ様でした!」


朗らかに私の人生全体を総括してディスられた。

しかし悔しいことに反論できない。

というかここどこ?きみは誰だ?

何もかも白一色で自分自身の手も足も見えないんだが?


「私ですか?あ、自己紹介が遅れましたね!」

「私とある世界で神様やってる美少女のマツダって言います!」

「ご自分で手も足も見えない理由は後で説明しますよ」


いや、ASAPで説明してほしいんだが。

っていうか神様?マツダ?名前がモロに日本人だけど神様というのは実は日本人なのか?

日本の神様だったらマツダさんでもおかしくないか。

それにしても自分のこと美少女とか言ってるあたり神様にしても痛々しいな。


「痛々しいとか言わないでください!本当に美少女なんですぅ!」


いや、そう言われても姿見えないし。


「それに私はとある世界の神様って言ったじゃないですかぁ」

「あなたの世界の神様とは全然違うんですよ~」


へ~そうなのか。

っていうかあれ?口に出してないのになんで私の考えたことがわかるんだ?


「それは私が神様だから!」


声色だけでドヤってることはわかる。


「あなたの考えてることが分かるのは、ここが特殊な場であなたが肉体を持たないいわゆる魂だからですね!」


特殊な場ねぇ、ってちょっと待ってくれ肉体を持たない魂?

私が?

どういうことだ?

私は今朝も普通に起きて、朝食を食べて、自分の足で出勤したぞ!


「そうですね、もう少し朝食はしっかり摂った方がいいですよ?」

「パン1枚と冷蔵庫に入ってるアイスコーヒー1杯じゃ午前中もたなくないですか?」


うるさいなぁ、他人の朝食にケチをつけないでくれ。

長年これでやってこれてるからいいんだよ。

っていうか朝食を食べて出勤したよな?

あれ?会社に着いた覚えがないんだが?


「そりゃあそうですよ、あなたは会社に到着する前に亡くなっちゃったんですから」


亡くなった?死んだのか私は?


「えぇ、75歳の高齢男性が運転するハイブリッドなカーに撥ねられて、頭を強く打ち病院に搬送後死亡が確認されました」


交通事故のニュースみたいに言うのやめてくれないか?


「最近のそちらの日本ってこんなことばっかりですね」

「やっぱり歳を取ったら肉体が衰えていることを自覚しないとダメですよ」


私もそう思うがもうどうしようもない。

でもそうか、私は死んでしまったのか。


「そうです、だから手も足も無いし、目が無いから美少女の私の姿も見えないんですよ」


見えないのは別にいい。

でも白一色の空間は認識できるのなぜだ?


「ちょっとは美少女に興味を持ちましょうよ!」

「白一色なのはあなたのイメージする死後の世界の影響じゃないですかね?」

「あなたはここで目を覚ました時点で自分の命が終わっていることを無意識で自覚したんです」

「だから無意識があなたの死後のイメージで白い空間を形作ったんじゃないですかね?」


ふーん、そんなもんなのか。

便利だな無意識って。


「でも自分が死んだって聞いても慌てたり驚いたり怒ったりしないんですか?」

「大体の人って自分に降りかかった理不尽な状況に憤るなり絶望するなりするんですけど」


憤ったり絶望したところで生き返れるのか?


「いいえ、一般的には次の人生への転生待ちですね」


あぁ、輪廻転生ってあるんだ。


「そりゃありますよ、転生先はその世界を管理する神とその使いが決定しますけどね」


ふーん、まぁそれならなおさらこの状態で怒ったり嘆いたりしてもはじまらないわけだ。


「そうですけどぉ、そう淡白な反応だとつまらないですね」


何も起こらない人生を送ってきたからか?どう反応していいのかわからないんだ。


「なんて可哀そうな魂」


勝手に憐れむのはよせ?

でも転生先を決めるのはその世界の神様なんだろ?

それじゃあなぜ私は自称とある世界の神のマツダさんとこうして話してるんだ?


「自称じゃないですぅ、本当にあなたの世界とは違う世界の美少女神様ですぅ」


美少女アピールが鬱陶しい。


「酷くないですか?本当に私美少女なのに」


いいから続きを説明してくれ。


「あなたがこの場にいるのはあなたの魂を私がもらい受けたからです」

はじめまして、オウレイと申します。

長年『小説家になろう』で多数の作品を読み日々のストレス発散をしてきました。

そんな中で自分で書いてみようと思って書き始めた作品です。

読んでくれた皆さんのストレス発散の一助になれたら嬉しいです。

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