18
カズヤ一行はケロムとか言う街に向かっている途中でマミが仲間に加わった。
そしてこの世界ではありえない位スカート丈が短いマミ用メイド服をゲットした。
マミはメイド服に着替え、皆に感想を聞いたのだった。
「貴様は真正の変態じゃな」
「馬鹿野郎! マミを見てみろ!」
「なん…じゃと……多少の恥じらいは単に注目されるのを恥じらっているだけ…じゃと…」
マミは転送者、しかも女子高生。マミが通っていた学校では、これでもスカートの丈は長い方だった。
故に見られることに対しての恥ずかしさはあっても、スカート丈は全く気にしてはいなかった。
「俺の世界に居た女学生を舐めるな! 罰としてお前は一生馬車の除菌でもしてろっ!」
次の日。
カズヤ一行は早々にケロムに向けて出発し、街を出ようとしたら男に止められた。
カズヤは馬車から降りて、止められた理由を尋ねた。
男の話によると次の街に続く街道付近にある迷宮から魔獣が出現しているので、
召喚術者が対応に当たってはいるが、危険なので街道が封鎖されてると言う事だった。
カズヤは男に情報提供のお礼を言い馬車に乗り込み、何事も無かったかのように先へ進んだ。
「おい、魔獣って迷宮から出られるものなのか?」
「基本的には出れぬ。迷宮システムに何か不具合が出たのじゃろ」
この世界には沢山の迷宮が存在する。
規模は大小様々で結構な科学力で作られた人工物。
宝箱等も存在し、貴重なアイテムが入っているが中身を取り出すと箱は消滅する。
更に迷宮内には魔獣が存在するので簡単には下層へ行けない仕様になっている。
魔獣は迷宮内の魔力的な力で自動的に生み出されるが迷宮によって上限が決まっている。
上限以上に魔獣が生み出される事は無いが、魔獣が倒された場合は一定時間で復活する。
魔獣は迷宮内の魔力的な力で活動している為、魔力的な力が及ばない迷宮外に出る事は無い。
仮に魔獣が迷宮から出た場合は魔力的な力の供給が行えなくなるので一定時間で消滅する。
「なるほどな。じゃあ魔獣は迷宮から出ても遠くへ行けないって事か。でも再現なく沸くなら、どうにもならんな」
「迷宮内にある魔獣発生装置を破壊したら再生は止まるじゃろ」
「お前、随分詳しいな。つーかこれ、俺をこの世界に転送した奴が作ったんだろ?」
「知らん」
「ったくお前は…まあいい、予定通り進軍を開始する!」
カズヤ一行が街を出てから2日程経った時、馬車がゆっくりと停止した。
カズヤが馬車から降りると、馬車を引いていたRレアのアメミットが目の前に居た。
「前方で何者かが戦っています。マスター」
カズヤは幻獣を1体召喚し偵察をさせた。
数分後。
戻って来た幻獣の話によると、例の迷宮から出て来た魔獣と幻獣が戦っていた、との事だった。
「例の迷宮の魔獣か。まあ無視して先に進むとするか。進軍を開始せよ!」
「だ、旦那様…」
ラティシアは例によって助けてあげないのかと言わんばかりの表情で目をうるうるとさせながら、カズヤを見つめている。
そしてレイラもラティシアと同様の表情をしている。
(くっ、可愛い……いや、そんな事より、完全にボランティアなんだよなあ…)
ラティシアとレイラはお姫様と貴族令嬢と言う立場であるが故か積極的に人助けを行おうとする。
それに対してカズヤは自分に利が無ければ行動を起こさない、多少冷め気味の人間である。
そんなカズヤでも大好きな2人にお願いされたら断る事は出来ないのであった。
「う、うむ……ならば、今外に出てる魔獣を一掃してから進軍を…」
「カズヤ様。確か魔獣は定期的に復活なさるのでは…」
カズヤは一昨日、魔獣が勝手に復活する事を3人に話していた。
(くっ、ぬかった! こうなったら奴に責任を取らせるか)
「おい」
「なんじゃ」
「責任を取れこの豚野郎」
「自業自得じゃ。そして豚野郎は貴様じゃ」
カズヤはメルに責任を取らせる事を諦め、仕方なく迷宮に入る事にした。
予めSR幻獣を5体召喚し、例によって4体を護衛に、そして残りの1体は攻撃をさせる布陣にした。
ここに来て以前から懸念していた幻獣不足問題が発生したのだった。
(ぬう…こんなに早くこの問題が発生してしまうとは…これは一刻も早くマミのカードを回収せねば)
カズヤは幻獣に魔獣を掃討させ、カズヤ一行は何事も無かったかの様に迷宮へと入って行った。
その場にいた召喚術者達はその光景を見て唖然とした。
「さて…どんな魔獣が居るか分からん迷宮で流石に攻撃用幻獣がSR1体では心許無い。そんな訳で幻獣チェンジ!」
カズヤは攻撃用に召喚したSR幻獣を戻し、新たにレアSSRのカマエルを召喚した。
「キャー!!! 本物のカマエルが目の前にいるっ!!!」
マミはカマエルを目の当たりにして非常に興奮している。
今まではゲーム内のカードを眺める事しか出来なかった。
それがこの世界では具現化が可能。
ゲームをプレイしていた者ならば誰しも興奮するのは当然の事。
「ふふっ、どうよ?生カマエルは」
「か、可愛いですっ! 可愛すぎますっ!」
マミは興奮しながらいろいろな角度からカマエルを眺めている。
その一方でレアリティが分からない幻獣の存在に脅える者も居た。
「か、カズヤ様…そ、そちらの幻獣は一体…」
この世界ではSRですらミシカル(神話)級の幻獣と言われている。
当然それ以上のレアリティの存在を知る者はいない。
召喚術者は魔力によって見ただけで幻獣と判断する事が出来る。
それ故に識別不能のレアリティと非常に強力な力に恐れてしまう。
因みにカズヤ達転送者は魔力が無い上にデバイスやスマホを利用しないと幻獣の判断が出来ない。
「ああ、そういやレイラにはまだSSRを見せた事は無かったな。これがレアSSRのカマエルだ! 因みにSSRってSRの上のレアリティな」
「SSR…そのようなレアリティの存在は存じておりませんでした…」
(SSRでも1体ならレイラも大丈夫っぽいな。以前は4体出したらラティシアは気を失ったからな…)
「貴様は憶病にも程があるじゃろ」
「お前は一生ここで土下座待機してろっ!」
そしてカマエルに先行させ、迷宮内の何処かにある魔獣発生装置を探す為、進軍を開始した。




