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我々はこの国で最大の幻獣大会を開催しているケロムとか言う街に向かっているが現在はその途中の街に滞在している。

この街は数日観光したら出発する予定だったが、何の因果かギルドの依頼的なアレをしていて一向に観光が出来ていない。

このままでは先に進めないので観光は諦めてケロムとか言う街をめざす事にした。


次の日。


ルームから出て、ギルドには目もくれずに食料等の買い出しに向かって買い物を済ませた。


「よし。では、何とかって街に向かって出発しよう」


ラティシアとレイラは笑顔で返事をした。


「ケロムじゃっ! 何べん言ったら分かるのじゃ貴様はっ!」


メルはこう言う事には何故か突っ込みを入れてくる。


「どうした。突込みにキレが無いぞ」


「やかましいわっ!」


出発してから何事も無く2日程度が経過していた。

いつものように3人は馬車内で寛いでいたら馬車が停止した。

何事かと思い外に出てメルに確認したら前方で馬車が盗賊に襲われているとの事だった。

本来ならばスルーする所だが、このまま進めば当然我々も盗賊のターゲットになってしまう。

SR幻獣2体を召喚し盗賊が襲ってくるようなら撃退する様に指示をして先に進む事にした。


進んでいたら案の定、盗賊に気づかれ盗賊2人がこちらに向かってきた。

が、当然の様にこちらの馬車に到達する前に盗賊はカズヤの幻獣によってぶっ飛ばされた。

馬車の中から、襲われている馬車を見てみたら護衛は殺され他は捕まって縛られていた。

流石にそのままには出来ないとカズヤは思い、盗賊を討伐する事にした。


カズヤは馬車から降りて更にSR幻獣を2体召喚し1体はラティシアとレイラの護衛に付けて、その場に待機させた。

カズヤはSR幻獣3体を引き連れて襲われてる馬車に向かった。


現場に向かっている途中、盗賊達が襲ってきたが何の問題も無くこれを撃破。

幻獣2体に残っている盗賊の討伐を命じた。盗賊達はあっという間に倒された。

と思っていたら、馬車から盗賊と少年が出て来た。


「おい! こいつがどうなってもいいのかっ!」


最後の盗賊の1人が人質の少年にナイフを突きつけ叫んでいる。

だが、ただの人間である盗賊如きが人質をとる行為はカズヤにとっては無意味である。

何故ならば、普通の人間が相手ならSR幻獣でどうにでもなってしまうからだ。


「愚かな…殺れい」


カズヤは盗賊を倒すよう幻獣に指示をした。

SR幻獣の動きは人間の目で追えるものではない。

当然の様に盗賊は倒された。

縛られている人達の縄を解き、盗賊達を縛って逃げられない様に近くの木に括り付けた。


「災難だったな小僧。それじゃな」


カズヤがその場から立ち去ろうとしたら少年に呼び止められた。


「ま、待って下さい! ぜ、是非、お、お礼を…」


「うーむ…いや、いいわ。じゃあな」


カズヤはちょっとだけ考えたが、お金はあるし相手は小僧だし、さっさと先に進みたいので断った。


「で、では、僕を弟子にして下さい!」


(何故お礼を断ったら弟子にしてくれって事になるんだっ! って言うか、この小僧は術者か…)


「残念だが俺は男に興味は無い。サラバだ小僧よ!」


「ぼ、僕…女の子です…」


(僕っ娘だとーっ!)


カズヤはデバイスで幻獣を召喚しているので召喚術者では無い。

なので弟子を取っても何も教える事は出来ない。

断って立ち去ろうとしたら、僕っ娘と一緒にいた人達がカズヤに向かって土下座をしていた。


「ど、どうか、お嬢様をお屋敷まで連れて行って頂けないでしょうか…」

「護衛を失った我々ではお嬢様をお守りする事は出来ません。どうか…」


そこまで頼み込まれてはカズヤも断り切れず引き受ける事にしたのだった。


「所でお前の名前は?」


「ユーリと申します。お師匠様。今後とも宜しくお願いします」


「いや、師匠じゃねーし。屋敷までの付き合いだからな! あと馬車には2人の高貴な女性が居るから粗相の無いようにな!」


馬車に戻りラティシアとレイラに事情を説明した所、2人は快く承諾した。

そして、次の街に向かって出発した。


「貴様、そんな小娘までハーレムの一員に加えるとはロリコンが過ぎるじゃろ」


「お前は外に出て正座しながら警戒を怠るなっ!」


ユーリはCランク召喚術者でN幻獣を1体召喚出来る。

将来の夢はAランク術者になる事。今の目標は幻獣を2体召喚出来るようになる事。

ユーリは勝手に自分の事を言い出したと思ったら今度は質問を開始した。


「お師匠様は幻獣を3体召喚されてましたよね? あの幻獣のレアリティが分からなかったのですが、アレが幻のSR幻獣なのでしょうか? お師匠様はどうやってあのような強力な幻獣を召喚出来るようになったのでしょうか?」


「ええーい、長いっ! そして五月蠅い! そして品が無い! そして質問は1つずつ!」


ユーリの質問攻めに対しカズヤはラティシアとレイラにも振りつつ一応答えていった。


「さ、最後に…どうしたらお師匠様のように強力な幻獣を召喚する事が出来るのでしょうか?」


ユーリは最後の質問をしてきた。


「それは…努力と根性だっ!」


カズヤは意味不明な回答を力強く答えた。

当然、カズヤは召喚術者では無いので、まともな返答は出来なかった。


「有り難う御座います! お師匠様!」


しかし、何故かユーリは納得した様子だった。


その後、多少野獣が出現したものの特に問題も無く数日が経過しユーリの住む街に到着した。

早速ユーリの家に向かうと例によって屋敷だった。

案の定ユーリは貴族だから盗賊に狙われたみたいだ。


手厚い歓迎を受け、帰り際、ユーリに呼び止められた。


「お師匠様、どうか僕に旅のお供をする事をお許し下さい」


「断るっ!」


カズヤは問答無用で断った。

すると、ユーリの父がカズヤに近寄って来た。


「か、カズヤ殿。どうか娘をユーリを旅のお供に加えてやって下さい。どうか…」


(いやいや…何でこの世界の父親って娘を訳の分からん男と一緒に旅をさせたがるんだ…)


暫くユーリと父との問答の末、条件を満たす事が出来たら、その時には行動を共にする事を約束した。

条件とは、Aランク術者になる事。おしとやかになる事。


「お、お師匠様、条件が厳しすぎます…」


「期待してその日を待っているぞ! サラバだ!」


そうして屋敷を後にした。


「貴様、ハナから行動を共にする気は無いじゃろ」


「いや、当たり前だろ。小さいし子供だし品が無いし雑魚だし」


「姫も大差無いじゃろ」


「いやお前、馬鹿なの?盲目なの?ラティシアはそんな小さく無いし子供じゃ無いし上品だしSランクだし俺好みの超絶美少女だし! アホかっ! お前次言ったらリストラだかんなっ!」


今日は軽く街の観光をして明日出発する予定。

因みにギルドがあっても近寄らない事にしている。

それはラティシアとレイラが人助け系の依頼があれば食いついてしまうからである。

いくら急ぎの旅では無いとは言え、街に寄る度に毎度仕事をしていては、いつ目的地に到着できるか分からないから。


次の日。


食料等を買い込み次の街に向かって出発した。

1時間程度進んだ時にメルから人が倒れていると報告があった。

ラティシアとレイラを馬車に残しカズヤが駆け寄ると確かに女性が倒れていた。

更に、倒れてる女性の近くにスマホが落ちていた。


(転送者だ! えっ!? 女性の転送者…だと…)


メルによると、この女性には外傷は無く幻獣の能力で眠らされているとの事だった。

カズヤは催眠効果を解除できる幻獣を召喚し女性を目覚めさせた。


「おーい、君、大丈夫か?」


「わ、私は一体…はっ! わ、私のスマホっ!」


どうしてこんな所で寝ていたのか、カズヤは彼女から事情を聴いた。


彼女の名前はマミ。先程の街の片隅で老夫婦と3人でひっそりと暮らしていた。

今日、野獣退治を行っていた時に、ある男に助けて欲しいと言われこの場まで来た。

すると男はいきなり幻獣を召喚しマミの幻獣を何らかの方法で奪ったと言う。

マミは自分が転送者だと言う事を隠そうとするせいか、所々歯切れの悪い感じになっていた。


「おい、これって多分…転送者の幻獣に操られて無理矢理トレードさせられたって事だよな?スマホ落ちてたし…」


「うむ」


カズヤの推測に対しメルも同意した。


「おい、どうするよこれ」


カズヤはメルに対処法を聞いてみた。


「仲間にするのが良いじゃろ」


「えっ?お前、何言っちゃってるの?転送者だぞ?」


「仲間になるなら問題はあるまいて」


(むっ、確かに…転送者を仲間にするって発想は無かったな…転送者なら俺の幻獣を護衛に付ける必要は無いから増えても問題無いか…)

(それ所かマミにラティシアとレイラを守らせれば、俺の幻獣は5体共攻撃が可能…良いかもこれ…)


カズヤは自分も転送者だと打ち明けたらマミは動揺している。

先程、転送者にカードを強奪されたので当然だ。

しかし女性2人と行動を共にしている事を明かすと多少安心したように見えた。


マミに残ってるカードを確認してもらった所、レアNしか残って無かった。

残っているカードがレアNだけと知りマミは泣いている。


(流石にレアNだけってのは…いや、これはむしろ好機!)


カズヤはマミにカードを取り戻す手伝いをするから仲間にならないかと提案した。


「そ、それは、む、無理です…あ、相手は強力なカードを持っています。う、奪われた私のSSRもあ、ありますから…」


「えっ、強力なカードって…ひょっとしてLRとか?相手LR幻獣を出しちゃったとか?」


「い、いえ…わ、私が見たのは、え、SRだけですが…す、すみません…」


「そっか…なら全く問題は無いな。とりあえず家まで送るから明日1日考えて返事を聞かせてほしい」


マミを馬車に乗せ、ラティシアとレイラに事情を説明し先程の街に戻った。

街に到着しマミを家に送ってからカズヤ一行は街の観光をする事にした。


「旦那様! ギルドがありました! 困ってる方がいらっしゃらないか依頼を確認しても宜しいでしょうか?」


ラティシアが目をキラキラさせながらカズヤに聞いてきた。


(ぬかったーっ! 予めギルドには立ち寄らないって言うの忘れたーっ!)


カズヤは全くギルドの依頼をする気は無かった。

ギルドの依頼をこなさなくてもお金は十分にあるからだ。

カズヤは極力面倒な事はしない主義なのである。

しかし、ラティシアにお願いされては断れないカズヤであった。


「も、勿論だとも!」


3人で依頼を見て周ったが野獣討伐の依頼しか無かった。


「困っている方がいらっしゃらなくて何よりです」


ラティシアは人助け系の依頼が無くて安心した様子だ。


「カズヤ様。今後マミさんと行動を共にする予定でしたら、交流を兼ねて野獣討伐にお誘いしてみては如何でしょうか?」


レイラが珍しく野獣討伐を提案してきた。


「おお、レイラ。素晴らしい提案だ。では明日にでも依頼をアレしてマミを誘おう」


ラティシアも賛同している。


次の日。


ギルドで依頼を受けてからマミの家に向かった。

家に到着しマミが警戒しないように3人でお出迎えをした。

レイラが事情説明を行うとマミは快く返事をしてくれた。


そして依頼の野獣が出現する目的地へ移動。


ラティシアとレイラにはマミが転送者だと言う事は既に説明してある。

道中の馬車の中で2人はマミを挟むように座り興味津々でスマホの事を聞いていた。

マミはと言うと、所謂(いわゆる)オタク系の美少女大好き女子。現在、美少女に挟まれて緊張している模様。


そして現場に到着。


野獣討伐は経験の為に3人に任せ、カズヤは後方で万が一に備えて幻獣を1体召喚し待機していた。

しかし、野獣は幻獣より遥かに弱い。この世界の召喚術者が召喚するレベル1のN幻獣でも倒せる相手。

マミのN幻獣はレベルが最大でレイラのR幻獣はレベルが多少上がっている。

ラティシアの幻獣はSRな上にレベルもそこそこ上がっている。

そんな3人の幻獣なので沢山いた野獣もあっという間に倒してしまって全く経験にはならなかった。

しかしマミはラティシア、レイラと行動を共に出来たのが嬉しかったようなので無駄ではなかった。


近辺の野獣を根こそぎ討伐し、依頼を達成したので戻る事にした。

帰りの馬車の中でマミは何かを決意した様な表情で口を開いた。


「ほ、本当に、か、カードを取り戻す、お、お手伝いを…」


マミは元居た世界では友達もいなく内向的で趣味に興じていた。

そのせいか他人と話すのが苦手で会話が覚束ない(おぼつかない)状態だ。


「勿論協力はする。だけど、犯人探しはメインじゃ無く、旅の途中で犯人に遭遇したら、の話しだけど…どうかな?」


「そ、それで、か、構いません…」


カズヤの提案をマミは了承した。


こうしてマミが仲間に加わったのだった。


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