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「おい」
「なんじゃ」
「お前をハーレム化担当大臣に任命する。キリキリ働け」
「良いじゃろう」
「良いのかよっ!」
「ワシを何だと思っておるんじゃっ! アホかっ!」
屋敷を出てからレイラのスペックについて本人に確認してみた。
レイラはR幻獣を2体召喚可能との事だった。
R幻獣はこの世界の術者が相手なら戦力として十分期待出来るのでレイラの幻獣も戦闘訓練させる事にした。
今日は朝から色々あったのでルームで明日まで休む事にした。
ルームに入ると当然の様にレイラは驚いている。
ルームの説明をしたが転送者関係についてはまだ伏せておくことにした。
次の日。
食堂的な店で食事を済ませてから良い馬車があったら買うので見に行こうと2人に言ったら、
レイラが馬車なら屋敷にいくつかあるので、それを使って良いと提案してくれたので、早速向かう事にした。
屋敷に到着し馬車を見せて貰ったら馬車が山ほどあった。店に売ってるより多い! しかも立派! 更に無料!
訳の分からん店でゴミみたいな馬車をお金を払って買った俺って一体…
例によってメルに良い感じの馬車を選んでもらって馬車をチェンジし街へ戻った。
そして衣類や食料を調達後、何処か適当な場所でラティシアとレイラの幻獣の戦闘訓練を行った。
その後、食堂的な店で昼食を取りながら次に向かう街の話しをしていたら、
レイラが幻獣大会が開催されている街があるので俺に参加したらどうかと提案してきた。
何を競う大会かは分からないが普通に戦闘系なら俺が出たら勝つのは目に見えてるので、
ここは特訓の成果を確かめる良い機会なので参加するなら2人が出た方が良いと提案した。
メルに大会を開催している街の場所を聞いてみたら、そう言う大会を開催してる街はいくつかあるが、
ここから一番近い所はタタンと言う街で次に行く予定だった街とは方向は違うらしい、
しかし気になる事もあるのでタタンに向かう事にした。
気になる事…それは転送者の存在だ。
幻獣大会なら転送者が参加していてもおかしくはない。
もしまた悪意を持った転送者と遭遇したら、同じ転送者として奴等を始末(スマホを没収)しなければならない。
逆に悪意は無く普通に賞金とか目的で参加していた場合は放置する。
しかしそうなるとラティシアとレイラが転送者に当たると負確。幻獣の特訓成果が見れなくなるかもしれない。
「ぐああああああっ」
「ど、どうかなさいましたか?旦那様」
「だ、大丈夫で御座いますか?カズヤ様」
「五月蠅い奴じゃのう」
考えていたアレが声になって出てしまった。
それにしてもラティシアとレイラは可愛い上に優しい。俺をちゃんと気遣ってくれる。
それに引き換え、この糞妖精もどきは…
「な、何でも無い。大丈夫だ。それより大会を開催しているタタンと言う街に行こう」
タタンに向かって出発した。
出発してから数日後、野獣の群れに遭遇した。この世界は野獣多いなっ!
これまで毎日ラティシアとレイラの幻獣の訓練を欠かした事は無い。
少しずつではあるが着実にレベルアップをしている。
ラティシアの幻獣はSRなので、この程度の野獣では問題にならないし、レイラの幻獣はRとはいえ2体いる。
野獣の数は多いが、ここは2人の幻獣にまかせる事にしたのだが…
隠れていた野獣も多数出現し、思ってた以上の数になった。
多勢に無勢、流石に3体だけでは守り切る事が出来ないと思い俺もR彼女(幻獣)を3人召喚し野獣を撃退はしたが、
馬もかなりのダメージを受けてしまった。馬のダメージ自体は俺のSR彼女の治癒能力で治したので問題はないが、
この先の事を考えると不安なのでメルに相談したら、以前言ったように俺の幻獣に馬車を引かせるのが良いと言う。
やはり彼女達にそんな事はさせられないと言ったら彼女等はマスターの為なら喜んでやるので問題無いと言い張る。
更に今は本物の嫁と彼女がいるのだから、いいかげん幻獣を嫁や彼女と言うのを止めろと一喝された。俺の親かっ!
確かに、この世界に来るまでは彼女とか居なかったのでゲーム内のキャラを脳内彼女としていたのは事実。
メルに言われるのは腹が立つがメルの言う事は正しいと思ったので、今度からは彼女達を幻獣と言う事にしたのだった。
そして俺の幻獣に馬車を引かせる事にして移動を再開した。因みに馬は次の街で引き取ってもらう事にした。
移動中レイラには俺の素性や転送者の事を説明した。
多少驚いた程度で、すんなりと受け入れてくれた。
そして更に数日後、村に到着した…村かよっ!
メルに確認したら地図に村は載ってないらしい。
こんな世界じゃ細かく書いてる地図なんて無いようだ。
ロクに食料も調達できそうも無い村に用は無い。
そのまま素通りしようとしたら男が馬車の前に飛び出してきて叫んだ。
「お願いです。妹を助けて下さい!」
襲ってくる系じゃなく助けて欲しい系の村人。
いきなり助けて欲しいと言われても何をどう助けていいのかが分からない。
どうしたものかと思いラティシアとレイラを見ると、助けて上げないのかと言わんばかりの目で俺を見つめている。
ラティシアはともかくレイラもそれ系だった。
この2人の優しさが結果的に俺達のピンチに繋がらない事を祈るしかない。
取り合えず馬車から降りて話を聞く事にした。
「お、お願いです。どうか、妹を助けて下さい…」
男はまた助けて欲しいと言うが、理由や妹の状態を言ってない。よっぽど焦っているのだろう。
「取り合えず理由はともかく妹さんはどんな状況でどう助けてほしいの?」
「し、失礼しました。い、妹は病気で熱が下がらなくて…」
病気か…流石にこれは俺達にはどうにもならない。
いや、ならない事もないかもしれないが…しかし…
「いや、俺達は医者でもなければ薬も持っる訳でもないので…」
「そ、そこを何とか…お願いします!」
いやいや、無茶苦茶だなこいつ! 俺達にどうしろと…
「何で医者でも無い俺達にそこまで頼むの?」
「そ、それは、貴方達が僕と同じ世界から来た者だからです」
バレとるっ! 俺が転送者だってバレとるっ!
貴方達って事は全員が転送者だと思っているのだろうか。
しかし何故…たぶんアレか、転送者なら馬車を引いてるのが幻獣だって分かるからか。
転送者と術者以外には普通の女の子にしか見えない。
この世界の術者以外の人には普通の女の子に馬車を引かせてるように見える…正に鬼畜の所業。
だから幻獣に馬車を引かせるのは嫌だったんだよ…
そう言えば妹って言ってたが転送者なら何故妹が?
妹も一緒に転送されたのだろうか? 兄妹で一緒に美少女ゲーをするとか…
それより今は理由を聞く事にした。
「そうか、君も転送者か。それで何故俺達が病気を治せると思ったんだ?」
「あ、貴方達の誰かが状態異常回復能力を持つ幻獣を持っているのでは、と思いまして…」
流石転送者だ。幻獣の能力とかを把握している。
だが状態異常と病気は違う。何故それで治せると思ったんだ。或いは可能性に賭けたとか。
SSR以下の幻獣の能力では病気を治す事は出来ない。だが俺にはUR幻獣のラファエルがいる。
ラファエルなら病気も余裕で治せる…って、メルが言ってたのだ。俺もひょっとしたらと思ってはいたが。
しかし、どうしたものか…転送者に手の内を見せたくは無い。
仕方ないのでメルに相談したら治すなら人を遠ざければよいと。
幻獣を他人に見せなければ問題無いって事だ。
俺には何のメリットも無いが転送者に恩を売っておくのもありだろう。
それに悪い奴には見えない。必死だし可哀相なので治す事にしたが報酬は貰う事にした。
「2つ条件がある。1つは報酬を貰う事、そしてもう1つは治療中は誰も近づかせない事」
「はいっ! 報酬はお支払いします。治療中は誰も近づけさせません!」
こちらの条件を飲んだので治療を行う事にした。
その間ラティシアとレイラには馬車で待っててもらう事にした。
念の為、彼女達にはSR幻獣のイシュタルとヘスティアをそれぞれ護衛に付けた。相手は転送者、用心に越したことはない。
そして彼の妹がいる家に到着。人払いをさせ辺りに人がいない事を確認しラファエルの能力によって無事病気は治った。
家を出て彼の元へ向かい妹の病気は治った事を伝えたら彼は慌てて妹の所に行った。
暫くすると彼が戻って来てお礼を言った。
「ありがとう。本当にありがとう」
彼は何度もお礼を言っている。
よほど嬉しかったのだろう。
まあ自分の妹なんだし当然か。
「無事病気が治って良かったよ。んで、報酬は?」
「は、はい。少ないですが、お礼のお金です」
お金かよっ! しかも少ないのかよっ!
正直お金には困ってはいない。
何が良いかメルに相談したら幻獣カードと言った。
カードのトレード。これは盲点だった。
早速要求してみる事にした。
「いや、お金じゃなく別の物が欲しい。例えば、君が持ってる最高レアのカードとか」
「さ、最高レアのカードですか…僕が持ってる最高レアはSRですが…」
こいつも糞雑魚かよっ! 転送者って雑魚ばっかりだな!
仕方ないので何か便利アイテム的な物を要求したらそれも無いと言う。
この世界にはゲームに出てくる様なアイテムはあるのだろうか。
ポーション的な物すら見た事無い。まあゲームでも回復薬的アイテムは無かったが。
仕方ないのでお金を貰って、とっとと先に進む事にした。
ふと、向こうで何か作業をしている人達を見てたら、何か突然野菜っぽい物を大量に出した。
魔法だろうか?しかしこの世界には召喚以外で魔法とか無いって言ってた気がする。気になったので彼に聞いてみた。
「何か今、向こうで作業してる人が突然野菜っぽい物を大量に出したように見えたんだけど、どうやったの?」
「アレは、収穫した野菜ですよ」
「いやいや、野菜は分かるんだけど、どうやってあんな大量の野菜を一瞬にして出したの?」
「えっ? いえ、普通にストレージから出しただけだと思いますが…」
ストレージ…普通にストレージから出した…だと…何言ってるんだこいつ。
そう言えば何か小さな箱っぽい物を持ってたように見えたが…それがストレージなのか?
「おい」
「知らん」
「まだ何も言ってないだろっ!」
「貴様はストレージとは何か聞きたかったのじゃろうが、そんな物はデータには無いのじゃ」
「罰としてお前は校庭50週でもしてろっ!」
「何でじゃっ!」
メルにはこの世界の事を色々と学習させている。
そのメルが知らないアイテムっぽい物が存在するのか。
この村にしか無いアイテムなのだろうか…この小さな村にそんな物が存在するのか?
このストレージって使い様によっては滅茶苦茶便利アイテムなのでは。
ストレージで出来る事を詳しく聞いてみた。
ストレージは野菜の他に色々な物を格納したり出したりできる。
あまりにも大きな物は格納出来ないが馬車くらいなら格納が可能。
大きさは馬車程度が限度か、馬車…馬車は格納可能って事だ。
これは馬車が格納出来る糞便利アイテムだ。
「ストレージ下さい。沢山」
どうやらストレージの材料は近くの山で取れる希少な鉱石で出来ていてあまり数が無いらしい。
この村で使う程度の数しか無く、更に今はその鉱石を錬成する者も居ないとの事。
妹を助けた報酬にストレージが欲しい言うと、数が少ないので2つで良ければと言われ2つ貰った。
ストレージとか言う代物は訳の分からんアイテムなので使い方や注意事項等をしっかり聞いて記憶した。メルが。
早速試してみる為に馬車に乗っているラティシアとレイラを馬車から降ろし、馬車をストレージに格納してみた。
馬車は消えた。そして馬車を出してみたら馬車が出現した。ストレージは正常に機能しているようだ。
ラティシアとレイラが驚いているので後で説明する事にした。
しかしこれはマジもんの糞便利アイテムだ。道中ルームで休む時の心配や街で馬車を預ける必要も無くなった。
この村に寄って本当に良かった…これもラティシアとレイラのおかげだ。
ストレージをくれた彼と暫く会話をしてからタタンに向けて出発した。
因みに、助けを求めてきた彼の妹は本当の妹ではなく、結婚を誓い合った恋人の妹だった。
異世界に来て早々に恋人が出来るとか…俺も人の事は言えないけど。
この世界は本当に高位の召喚術者はモテるみたいだ。
さっきの彼は真面目な転送者で良かった。彼女もいるし悪さをする事は無いだろう。
そんなこんなで村から出発して数日が経過した。




