表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル・ステータスオープンはステータスを見るだけ  作者: ぐざいになったねこ
第五章 魔王アルニエス
84/116

第七十話 サイサンシュレイト掃討戦

「これより、東部班と北部班に別れる。それぞれ、昨日指定された班に別れるよう。」


サイサンシュレイト城下町の騎士団長がそう命令する。東部の要所と北部の要所を同時に攻め落とし、その後進軍して、敵の要塞を挟撃するようだ。


「よろしくお願いします、ヴィンデートさん。」

「こちらこそ。」


指定された場所に移動する途中、ラッテルタがそう言って俺に挨拶をする。同じ街に居たのだが、如何せん話した事があまりないので、こんな緊張した時に連携できるかどうか不安だ。


「なぁに考えてるんだ?」

「あ、オスターさん。よろしくお願いします。」

「こちらこそ。......余計な事は考えるなよ?最悪死ぬぞ。」


脅し、ではないだろう。


「ありがとうございます。目の前の事に集中しますね。」

「それがいい。......ここにはあと、シリアスとテッツァーレが入るらしいな。」


そうなのか。ざっと辺りを見渡すと、サイサンシュレイトの騎士団に加え、私兵団らしき集団や、デート・ガルディアの騎士団が歩いている。


「私が率いるのが、ミリスト私兵団です。お父様から派遣してもらったのですよ。」

「そうですか。」


指定された場所、東門に着いて、しばらく待機していると、サイサンシュレイトの騎士団長がやってきた。


「最終確認だ。」


俺を含めた東部班は、東にあるグアンへ向かい、奪還に向かう。それからやや北上し、北部班と挟撃できるようにして、自然の要塞ハウッセンを攻略する。その後また北上して、ライアンズの村を奪還すれば、サイサンシュレイト全体から王国兵を消す事ができる。昨日言われた事をもう一回言われ、俺達はそれに頷いた。


「まずはグアンの攻略だ。進軍する。」

「「「「はっ!」」」」



東門を出て、移動速度上昇の魔術具を使いながら進軍をして行く。この速度なら、三十分もかからずにグアンに到着するだろう。ふと横を見ると、何かを考えているようなオスターの顔が見えた。


「どうかしましたか。」

「私兵団......。いや、何でもない。」


ラッテルタに関しての疑問だろうか。ただ、自分が考えてもよく分からない事だし、なにより。


「余計な事を考えたのなら、最悪死ぬんじゃあないでしたっけ。もうそろそろ着きますよ。」

「ああ、そうだな。ありがとう。」



「見えたぞ!」


遠目で見る限り、街の前で迎え撃つという姿勢がひしひしと感じられる。馬防柵が並べられ、それらの後ろに人々が集まっている。王国兵の格好をしているが、さて、あれはサイサンシュレイトの民なのだろうか。


「聞け、グアンの街の民よ!私はサイサンシュレイト騎士団長、グランデアである!」


魔法の射程外と思われるギリギリのところまで近づき、騎士団長は声を放った。七百はいるだろう人々から、どよめきの声が上がる。


「サイサンシュレイト城は解放された!もはやアンデルビート国王に従う事はないだろう!」


そうして、サイサンシュレイトの騎士団だけ近づいていく。一応、ミリスト私兵団と、デート・ガルディアの騎士団は待機だ。


「武器を向ける先は祖国ではない。一方的に支配し、搾取する王国だ!そう思うなら、我々に背を向け、街を見ろ!故郷を取り返すのだ!」


そう言って、サイサンシュレイトの騎士団らは武器を掲げる。しばらく、彼らのざわめきだけが響く。しばらく経つと、何故か王国兵の人々の中心部で血が上がった。


「え。」


それから、地獄のような惨状が繰り広げられていく。もみくちゃになりながらも、彼らは争いを止めない。それらがどんどん広がって、各地から血の雨が降り注いでいる。


「やったな、コノヤロウ!」

「そんな簡単に......、妻を諦めるものか!」

「やめろ、やめろ!武器を捨てろ!」


喧騒がこちらまで聞こえてくる。皆もただ事ではないと思っているようで、顔を合わせて頷き、すぐに騎士団長の下に駆けつけた。


「何があったのですか!」

「わからん!だが止めなければ......、民が......。」


街の人同士で殺しあっている。この惨状を放ってはおけない。そう思ったところで、群衆の波からこぼれ、こちらに駆け寄ってくる人々がいる。いや、武器を構え、殺しに来ているだろう。


「ヴィンデート君。」

「はい、[ステータスオープン]。」


どこからどう見ても一般人だ。多少訓練した程度の。


「問題ないです。......ただの、一般人。」

「......そうですか。」


シリアスさんがそう言って手をすっと前に出して、魔弾を発射する。散ることも、かわすこともせずに、彼らは魔弾に突っ込んでいった。彼らは魔弾にぶつかった途端、弾け飛んで肉片が散らばった。


「っ......。」

「立ち止まっている暇はない。......彼らを止めろ!」

「「「「はっ!」」」」


俺達は進んでいく。肉片を踏み締め、その先へ。

俺達は地獄の一歩手前から、一歩踏み出した。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ