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スキル・ステータスオープンはステータスを見るだけ  作者: ぐざいになったねこ
第四章 それぞれの任務
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第六十四話 裏切る理由

「贄、ですか。」


エミラッシェさんがそう言って、口へ食事を運ぶ。夕食にシリアスさんの実家にある、地下室の話をされた。どうやら、サーテレラを狙ったのは、神具を使う為の贄らしい。


「え、じゃあ、エデルジート団長も狙われるんじゃあないでしょうか。」

「かもしれないな。」


あっさり肯定された。ぽかんとしていると、ハルセンジアさんが地下室の利用価値について質問する。


「あそこには何があるのでしょうか。」

「王国に都合が悪い情報、研究結果だな。」

「父は日常的に研究をしていたので、悪意があった訳ではないかと......。研究を繰り返して、まずいと思ったら隠していたのではないでしょうか。」


大量に研究を繰り返したが、禁忌に触れた為に、それらを秘匿するに至ったか。これらの情報は、騎士団に共有した方が良さそうだ。


「オスターさん達に情報を共有しましょうか。俺なら行けます。」

「ああ。食後に頼むよ、ヴィンデート。」



夕食を終え、俺はオスターが泊まっている部屋へ向かった。扉をノックし、許可を得たので入室する。


「ヴィンデートか。何の用だい?」

「騎士団と情報を共有しようかと。」


シリアスさんの実家にある地下室の利用価値や、サーテレラが狙われた理由等を話す。オスターは考えているしぐさをし、お礼を言う。


「ありがとう。ラクタウトとラッテルタにも共有しておこう。」

「では、これで......。」

「待ってくれ、暇か?」


そんなに暇ではないかも知れないが、どうせ手伝う事も少ないだろう。一旦エデルジート団長に報告して、戻って来よう。


「エデルジート団長に聞いてきます。用事がなかったら戻って来ますから。」

「了解だ。」



エデルジート団長に聞いてみたところ、明日帰る用意さえできれば、自由にして良いらしい。細かな仕事はシリアスさんとテレヴァンスが処理してくれるそうだ。


「と、いうことで、暇らしいです。」

「ならば座ってくれ。まあ、なんだ。話したい事があるんだ。」


進められた通りのベッドへ、俺はオスターの隣に座る。


「アルニエスの事だ。」

「裏切った......。」


情報を流し、間接的にセントレイクをめちゃくちゃにした元騎士団だ。


「裏切った訳っていうのがあってな......。」


セントレイクで産まれ育ったアルニエスとミラシュレインは、ファントレアル騎士団長の父親に憧れていた。たまたま魔物の討伐をしに行くとき、騎士を鼓舞する言葉を放ったのを目撃したらしい。それから二人は研鑽を積み、非戦闘員でありながらも、騎士団へ入団することが出来た。ただ、丁度王位継承争いが終わり、ファントレアル騎士団長の父親は処刑された。代わりに息子であるファントレアルが、騎士団長になったそうだ。


「彼らは、ファントレアル騎士団長がへっぽこながらも、健気に使えていたんだ。あの日まではな。」


街の人々を守ることを胸に。そんなアルニエスに下された命令は、手段を選ばず[王の道]を捕らえる事だった。元々は長期プロジェクトだったが、アルニエスがなぜか隠していた[探知]で、[王の道]を発見した。それを逃がしそうになるが、そこに騎士団長から下された命令が、テロ偽装だったという。


「薄々感じていたのですけれど、ファントレアル騎士団長ってやっぱり......」

「無能だ。」


きっぱり言われた。デラストレイレスが反撃に転じた時に、撤退を命じなかったのも、[王の道]を捕らえる時に、焦って爆撃を命じたのも、それを証明付けている、のか。


「わざわざ長期プロジェクトなら、焦る必要もないだろう。門の警備を固めておけば、逃げられる心配も無かったというのに。」

「そう、ですね。」


結局、街の人々を守るどころか、傷付けてしまったアルニエスは、ファントレアル騎士団長を見捨てる事にした、とオスターは予想しているらしい。そこからどうやって王国と繋がったかは不明だが、裏切る理由が十分にある。今回はそれを伝えたかったらしい。


「それを、なんで。」

「いつか衝突する日が来る気がして、な。そんな時、相手の気持ちに寄り添えば、お互い憎まずやっていけるんじゃあないかって......。そんな上手くいかないか。」


ふと、オスターが急に立ち上がり、机をあさる。引き出しから何かを取り出すと、手を出せと言われた。


「何でしょうか。......これは?」


ぽん、と渡されたのは、小さな緑色の石だ。石に紐が通っており、首にかける物だろうと想像できる。


「若い頃に使っていた小さな魔術具さ。......この戦いが終わったら、騎士団を引退しようかと思ってな。」

「引退?いなくなるんですか?」

「ああ、もううんざりだ。こんな歳だし、余生ぐらいは指図されて生きたくはない。だから、若い奴にこれを託そうって事だ。ちゃんと魔力を込めろよ。機能しないからな。」


その石は、奥まで透き通るような透明で、少し魔力を込めると、緑色に光る。首にかけてみて、手で持ってもみる。新鮮で、少し立派になれたような気がした。


「ありがとうございます。」

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