表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル・ステータスオープンはステータスを見るだけ  作者: ぐざいになったねこ
第四章 それぞれの任務
75/116

短編 再開に向かう旅

「いささか疑問だ。」

「何がでしょうか。」


日が落ちる中、レシアボールさんとセントレイクへ向かう道中で、レシアボールさんは悩んでいる。


「アグライトを宿したのを命令したのはアンデルビートだろう。何故手錠について気付かなかったのだ?」

「言われてみれば、ですね。手錠にアグライトの魔法がかけられていることは、常識だったのでしょうか。僕は、その、知りませんでした。」

「まあ、細かい所は専門の領域だが、魔法を封じる特性があるなら、アグライトを使う事は想像できるだろう。」


そういうものだろうか。道を進むと、山のふもとに木造の小屋があるのが見えた。歩きながら、目を合わせる。


「泊まれますでしょうか。」

「行ってみる他ないが......。もし断られたら近くで野宿だろう。」



「......人の気配はない、か。」


明かりはともかく、小屋に入ってみても、人が住んでいるとは思えない内装だ。使いかけの蝋燭には蜘蛛の巣が張られており、木の板も、少し腐っている。ただ、人が一夜を過ごすには問題ないはずだ。レシアボールさんも、周囲の確認が終わったらしく、小屋の中に戻ってきた。


「大丈夫だろう。寝よう。」

「ええ、明日は山を登りますし。」

「その山を越えたら、サイサンシュレイトの領地だ。文字通りの山場だな。」


そう言って、布で自身を包む。僕も同じように包まると、だんだん眠たくなってきた。あれから二週間も経っていないだろうが、かなりの距離を進んできた。王都を脱走して南へ向かうこの旅。サーテレラお姉様は、無事だろうか。そうでなければ、この旅は意味を成さないかもしれない。少し不安をかかえながら、気がついたら真っ暗になっていた。アグライトが失われているはずなのに。



「サイファリア、良く寝たか?」

「ええ。......ごちそうさまでした。」


まだ日も昇ってないが、朝食を済ませて出立の準備をする。保存食もあり、回復薬もある。こんな少ない荷物だが、意外と持つものだ。そう思いながら、僕達は山を登り始めた。



山はそんなに急斜面な訳ではない。レシアボールさんに聞いてみたところ、登って二時間、下って二時間の小さい山らしい。ただ、下から見た時、自分を飲み込んでしまうぐらい大きな山だと感じた。ずっと王都にいた為、そんな経験をしたのは、王城を見た時ぶりだ。本当に二時間ぐらいで頂上、整備された広場に着いた。


「日の出だな。」

「......綺麗ですね。」


単純な言葉だが、それを表すのにぴったりな言葉だった。地平線から覗き出ているオレンジ色の太陽が、細かな光を纏っている。


「......下るか。」

「そうですね、ここで立ち止まる訳にもいきません。」


ここを下りきったら、サイサンシュレイト領だ。僕のお姉様が嫁いだ領地。そこから避難して、ベルグラート領のセントレイクで騎士をしていると聞いた。あと少しだ。整備された石段を、一つ踏み締めた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ