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スキル・ステータスオープンはステータスを見るだけ  作者: ぐざいになったねこ
第四章 それぞれの任務
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第五十七話 それぞれの夜

シリアス視点


「ハルセンジアさん。僕達がやった事は、正しかったのでしょうか。」

「気にしなくていい。あの時は、それしか道がなかった。」


そう言っているハルセンジアさんも、かなり参っているようだ。完全に更地になったセントレイクの南方面で、僕達二人ははせめてもの償いに、王国兵の遺体を埋めていた。顔も分からない者も、四肢も吹き飛ばされた者も、彼らは殆どサイサンシュレイトの民だったのか。


「僕達は......、守るべき民を殺したのですよ。」

「......あの時、俺達は守る事を放棄した。今回も知らないとはいえ、直接手を下した。......どうしようもなかったが、どうにもやりきれん。」


そんな僕らは、サイサンシュレイトへ戻る権利があるのだろうか。彼らの命を見捨てて、奪ってまで生き残った僕らは酷い貴族なのだろうか。一人を穴の中に丁寧に入れて、土をかける。腰を低くして土をかけている僕の横で、ハルセンジアさんは立ち上がってサイサンシュレイトの方角を向いた。


「......趣味が悪いな、王国兵共。」



アンネリア視点


眠れなかった。目は覚めていて、布団に篭っても眠くなれない。管理支部から出て、散歩しようと思った。起き上がり、音を立てぬように人々の上を通る。誰も彼も疲れているようで、私が管理支部から出ようとしても、気付く者は誰もいなかった。



「......どうしてこんなことするんだろ。」


管理支部から出て、壊された建物を一つ一つ丁寧に見ていく。武器屋、学び屋、食事所、ギルドまで......。私はよりいっそう王国兵を憎んだ。友達を殺して、仲間を殺して、ついにはヴィンデートが住んでいた街まで壊された。ふと、彼が見えた。瞬きをすると消えている。


「......忘れたいのに。」


忘れられない。消えてほしいのに、脳裏には潰されたプォージートの姿がこびりついている。急に、力が抜けた。膝ががくっと折れて、地べたに手をつける。


「あ......。」


ただ、涙が溢れてきた。頬を伝って、手に落ちる。暗くない夜のせいで、涙がしっかり見えた。静かに泣いて、涙で全部流してしまおうかとも思った。けれど、忘れられないだろう。こんなに泣いても傷が広がるだけなのに、今はただ傷と見つめあっていてもいいと思ってしまった。忘れる事なんて、無理だ。


「戻りたいよ......。」


全部悪い夢だ。なんて、都合のいい事は起こらない。どうしようもない現実で、しょうもない奴らに全部壊されたんだ。


「......奴らを殺したいなんて思っている私も、しょうもない、かな。」


そんな人生をおくるかもしれない。記憶の中で一生プォージートが付きまとって、罪のない王国兵すら殺戮する気がする。今からでも、止まれるかな。

立ち上がる。管理支部に戻ろう。


「お父さんと話せば......。」



エデルジート視点


「エデライブジート様!生きておられたか!」

「久しいな、ツーリュス。急でなんだが、王国兵が襲ってくる可能性がある。監視をつけてほしい。」

「了解しました。......そこの貴方、伝えてきなさい。」


取り戻したサイサンシュレイト城。姿形が変わっても、この城が懐かしい。けれど、今は干渉に浸っている暇など微塵もない事に気付き、すぐさま命令を下す。


「そこ、セントレイクに伝令を。戦闘が続いていた場合は、一旦戻ってこい。」

「そこ、カタラプラが支配していた頃、不当に逮捕された者の解放を。」

「そこ、ジート全集......だったか。ジート関連の書物や資料を全て執務室に集めてほしい。調べたい事がある。」

「「「はっ!」」」


彼らが走り去った後、ツーリュスは笑って懐かしそうに言った。


「指揮が上手になっていること......。うれしいですな。」


顔全体にシワを寄せて笑うその姿は、年老いても変わらぬツーリュスだった。



「あった、これだ。」


夜中に一人で調べ物をしている。ジート全集というジートの神話を集めた本の中に、探していた物があった。[世界の管理者]と呼ばれていたスキル。数値を計るように、狂いなく生物の力量を計る事ができたらしい。


「遺伝することはなかった、か。」


全能のディアペラウスが、[王の道]を子孫に託したようにはならなかった。よって、[世界の管理者]は幻のスキルになるはずだった。


「これが[ステータスオープン]だな。やはり小さい時から本は読んでおくべきだな。」


その後、それに関する事を読み進めて、記憶を整理していく。その最中、ヴィンデートの一族がおかしい事に気付く。


「レシアボールの関係者の息子娘が神話級のスキルに[王の道]だと?......いや、偶然か。」

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