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スキル・ステータスオープンはステータスを見るだけ  作者: ぐざいになったねこ
第四章 それぞれの任務
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第五十三話 終戦・テッツァーレ視点

隠された地下道を通り、最奥にある小部屋に入る。

そこには、神具双剣エデライブが立てかけてあった。


「エデライブ様、力を貸してください。」


そう言って、手に取る。始めはずっしりとした重みを感じたが、段々と軽く感じ始めて、ついには重さを感じる事が出来なくなった。


「時間稼ぎにしては、やりすぎか?」

「助かりました......。」

「遅かったようね。」


いや、一人生き残っていただけでも良かったのかもしれない。さらに遅かったのなら、彼も死んでいたかもしれないから。斬り捨てた王国兵共を見て、心が締め付けられる。こんな奴らにプォージートが殺されて、アンネリアは壊れて、結局団長が......。


「え、あ......テッツァーレさん?き、聞いていますか?」

「......すまない、聞いていなかった。」


同じ班のストルラッシュがびくびくしながら声を出す。そんな怖がらせてなどないのだが、いつもそんな態度だ。


「う......。彼を手当した後、どこへ行こうかって......。」

「そうだな、このまま南へ......」


そう言おうとした時、爆発音が聞こえた。ストルラッシュは奇声をあげて耳をふさぎ、私はすぐに槍を構える。周りを確認すると、少し離れた屋根の上に、王国兵と一対一で戦っている青年の姿が見えた。王国兵は茨を放ち、青年はそれを魔弾で叩き落とす。茨は細いが、百本以上はある。そんな密度の茨を軽々と小さな魔弾で叩き落とす青年は、ただ者ではない気がした。


「東方面へ向かい、あの青年の救出に向かいましょう。」

「ええっと......、そこの貴方と貴方......。この方を安全な所まで連れていって下さい......。」

「「はっ!」」



青年の所に到着し、茨の隙間を見つけて魔弾を放つ。見事に王国兵に直撃して、奴は体勢を崩した。青年はそれを見逃さずに、呪文を詠唱する。


「クアロバ・ストゥール・アルペネイン!」


突如として茨が割れ始めた。青年の方向から王国兵に向かって、段々と割れるスピードも速くなり、王国兵は焦ったようにポケットから何かを取り出す。


「......また会おう、シリアス。」

「逃げる気ですか......。」


屋根に向かって何かを叩き付け、王国兵は消えた。その瞬間、凄まじい風圧と共に透明感がある刃が、さっき王国兵がいた所に現れ、斬り刻む。


「......風魔法、か。」


魔法で作られた攻撃魔法の風は、透明感のある刃など、肉眼で見える程に分かりやすい。見えない攻撃風魔法を使うなんて......。


「助かりました。ありがとうございます。」

「いえいえ......。では、私達は他の所へ......。」


そう言って、辺りを見渡す。閃光、爆発、悲鳴。そんな物は無かった。ふと見ると、沢山の人々が私達を見ている。


「終わった......、みたいですね。ヴィンデート君の増援があってかなり楽になりました。」

「......。」


もしかしたらヴィンデートの知人だろうか。そう思っていたら、ストルラッシュに声をかけられた。


「ええっと......、帰りますか?」

「しばらくは待機だと思うが......。部隊長の判断によるな。」


一旦この班は部隊長の所に戻ろう。そう提案をして、班員の理解を得られた。



取っ掛かりを覚える。今回の襲撃では、デート・ガルディアに押し寄せた王国兵と、セントレイクに押し寄せた王国兵では、強さというものが全然違っていた。デート・ガルディアでは手強く感じた王国兵。しかしここの王国兵は連携もばらばらで、杜撰なものだ。いや、違う。セントレイクにいる王国兵は、それぞれの強さがばらばらだったのか。一部の部隊は精練された動きで立ち回り、一部の部隊は戦線が乱れて崩しやすかった。こんな事が有り得るとするならば......。


「......い。おい、聞いているのか?テッツァーレ。」

「聞いていませんでした。」


そういえば、今はセントレイクの管理支部で部隊長の話を聞いている所だった。

謝罪してもう一度聞こうとするが、部隊長は重要な事だろうと言って話を切った。


「テッツァーレが今考え込むとは......。何か取っ掛かりが?」

「後で話します。」


部隊長は少し困惑しながら話を続ける。ふと、暗くなる。

日が沈んできた。もうすぐ夏になるのに今になって日が沈むとは、どれだけ戦っていたのだろう。だけど、一旦戦いは終わった。



死者 セントレイク   住民 二百九十三人 内、子供七十六人

            ギルド又は騎士団の戦闘員 百六十七人

   デート・ガルディア 増援 十七人

   王国兵 二百三十人

負傷者 セントレイク 住民 三百二人 内、子供九十七人

    ギルド又は騎士団戦闘員又は増援は集計不能

捕虜 王国兵 十名

テル教育校開校百三十三年目 夏の始め セントレイク救援戦、終戦

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