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スキル・ステータスオープンはステータスを見るだけ  作者: ぐざいになったねこ
第四章 それぞれの任務
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第四十二話 洞穴作戦会議

「デート・ガルディアからの増援......。おそらく絶望的よ。」

「やっぱり、か。じゃあ夜が明けたら俺はセントレイクに戻るよ。厄介になるわけにはいかないし。」


それは危険すぎる。私は必死にそれを止めようとヴィンデートを説得する。


「単独で行くと危険。でも、こちらも援軍を出すわけにはいかないの。」

「しばらくはここって事?」


その方が、デート・ガルディアにとっても、私にとってもヴィンデートにとっても利となる。少なくとも、単独で戻れば生きては帰れない。敬語が慣れていたり、戦闘スタイルから見ても、彼は集団行動向きだろう。安心して戦略に組み込める。


「でも、いつか助けるから。貴方の街を。それまで、私達の事を助けてくれる?」

「今は、それしか選択肢がないよ。」

夜が明ける。まだかまだかとひやひやしながら、シリアスを待ち続けておよそ六時間。そろそろ帰ってきても良いはずだが、もし王国兵に捕まっていたらと思い、歯を食いしばっている。


「ハルセンジアさん......。」

「安心しろ。もし帰ってこなくても、無謀に突撃することはしない。」


エミラッシェがさらに暗い顔をして、木陰から顔を出す。視線の先は、セントレイクだ。ここはセントレイクからやや東に位置している森。そこからさらに東に進めば岩肌があり、そこに空いている洞穴を拠点としている。


「なんだ?足音が......。」

「敵襲ですか!?オスターさん、構えて!」


確実に近づいてくる足音。ラッテルタが洞穴で料理しているオスターを呼び、俺達は武器を構える。しかし、やってきたのは彼だった。


「僕ですよ、シリアスです。」

「シリアス......。遅いぞ。捕まったかとひやひやした。」


かなり危なかったです、と言って、洞穴に向かう。

洞穴からオスターが飛び出し、シリアスに体調を伺う。


「シリアス!大丈夫か?」

「ええ、怪我はないです。詳しい報告は後でしますので、僕は一旦朝食をいただきますね。」

「俺らもまだ済ませてないんだ。一緒に食べよう。」


そうして、皆で獣肉を食べる。夜の間にオスターが狩ってきたレレティックだ。街で繁殖したレレティックを討伐して持ち帰り、ミレーマーシュが調理してくれたあのスープの味を思い出したが、これは違った。美味いには美味い。しかし、少し獣臭くて肉が黒ずんでいる。オスターの調理が悪いというよりは、時間がなかったせいだろう。ろくに血抜きもしなかったら、それはそうなる。逆に、こんなに悪いところを抑えたオスターは、料理が上手いのではないかと思えた。



「ごちそうさまでした。」


最後にラクタウトが食べ終わり、皆はシリアスの話しに耳を傾けた。どうやら、想像していたよりも被害は甚大みたいだ。南は全壊。辺りには人々の死体が散らばっており、そこには見知った顔もあったという。


「あとは、食糧庫周辺に攻撃が向かってなかったですね。」

「王国兵も重要なのは分かっているからだろうな。」

「炸裂弾の流れ弾に当たらなかったのは奇跡だ、と言いたいが、アルニエスから情報を貰っていた可能性がある。」


オスターがそう言い、拳を握りしめた。その後、シリアスの報告を引き続き聞いていく。管理支部に人々は監禁されており、そこにはエデルジート団長、ミレーマーシュ、テレヴァンスの姿は無かったという。


「団長......。」


エミラッシェがそう呟いた。その声は、かすれるような、泣きそうな声だった。

騎士団らも青ざめ、慌てふためいている。


「間に合わなかったか......。」

「いえ、奴らはまだ団長を探していたようでした。」

「では、まだ捕まっていないということか?」


それなら希望はある。これからはセントレイクを救出するための策について議論しておこう。


「王国兵の数は?」

「約八十人です。もっといたかと思われますが、想定よりも抵抗が激しかったのかもしれません。」


八十人という数だけ見れば、余裕かもしれない。ただ幹部クラスの王国兵がいるなら、話は別だ。一般の王国兵を上手く減らす事が、奪還のカギとなるだろう。


「あとはヴィンデートだな。」

「増援は間に合うのか......。」

「流石に七人では押し負けてしまう。シリアスの魔法なら数は減らせるかもしれないが......。」


はたして魔力は足りるのか。しかし、エミラッシェの魔力量も含めれば、かなりの量になる。エミラッシェはまともに攻撃魔法を使った事がないらしいが、なにか有効活用する方法はないのか。


「攻撃系の魔術具に魔力を込めるのは?」

「手元にない。作るにしても時間がない。」


オスターの意見を却下し、しばらく膠着状態になる。

その中で口火を切ったのは、エミラッシェだ。


「使った事はないですが、呪文はある程度分かります。」

「......少し心配だ。シリアス、外で教えてやってくれ。」

「わかりました。」


シリアスが立ち上がり、エミラッシェと共に洞穴の外で訓練を始める。それを見て、俺はヴィンデートの事を思い出した。


......剣もさまになってきたし、そろそろ魔法を教えてもいいだろうか。


一つの事に集中した方が上達が早くなる為、今までは適性のある剣のみを教えてきた。団長によると、魔力量もそこそこあるらしいので、魔法を覚えればかなり強くなるのではないか。なかなか将来有望だ。


「......ジア?ハルセンジア。」

「おあ?あ、ああ。」

「聞いていましたか?何かを考えていたようですけど。」

「大丈夫だ、エミラッシェ。それで、ラクタウト。なんだ?」


やっぱり聞いていなかったと、少し呆れられてもう一度質問される。


「今日の夜に攻撃を始めましょう。もしヴィンデートが増援を呼んだのなら、八時に来るはずだ。」

「来るかもわからない援軍に賭けるのか?」

「じゃないと、エデルジートが捕まってしまう。今は街の中を探しているが、時間の問題だ。いずれ外まで手が広がり、この場所もいつか見つかるだろう。ここからならセントレイクに近いが、これ以上下がるとサイサンシュレイトと挟まれてしまう。」

「そういうことか。もし増援が来なかったのならどうする?」

「なるべく打撃を与えていきたいですが......。来なくても乗り切りましょう。」


その声のトーンは少し低い。ラッテルタも顔を伏せ、オスターは冷や汗を垂らして息をのむ。おそらく増援が来なかった場合は、誰かが犠牲になるのは確実だろう。


「......覚悟はできている。」


あいつらはまだ若い。そう思いながらエミラッシェとシリアスを見る。たとえこの命に変えても、あいつらだけは守ってみせる。立ち上がり、外へ向かう。攻撃魔法の練習をしているエミラッシェとシリアスの下に行き、この話し合いの結果を伝えに行った。

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