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スキル・ステータスオープンはステータスを見るだけ  作者: ぐざいになったねこ
第三章 やるべきこと
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第三十二話 護衛任務

「そうか、この街を味方につけたか。」


ラクタウトの報告から、アンデルビート国王を退ける為の戦力は整いつつあると言ってもいい。後はフィリアが見つかる事だが......。なにか嫌な予感がした。

良く眠り、爽やかな目覚め。

今日はデート・ガルディアまで護衛する日だ。


「おはようございます、ハルセンジアさん。」

「ああ、時間通りだな。」


朝六時。すでに着替えた俺は、朝食を済まして最終確認をする。剣、食料、魔術具、その他諸々......。準備はばっちりだ。全て馬車に詰め込み、ハルセンジアさんを呼ぶ。


「依頼人の所へ行くぞ。門で待機すると言っていたからな。」



門に着くと、例の老人と少女がいた。


「わざわざありがとうございます。では、行きましょうか。」

「ええ、先に馬車にお乗り下さい。」


ハルセンジアさんが老人のプォージートと、少女のアンネリアを馬車に乗せ、俺も後に続いて、ハルセンジアさん自身は馬を操る。こうして、デート・ガルディアまでの護衛任務が始まった。



一つ目の平原。移動力強化の魔術具のおかげで、普段より速く流れていく景色を眺めているところ、アンネリアさんに声をかけられた。


「貴方......、ギルドってどんなところ?」

「ハルセンジアさん......。」

「話し相手になってやれ。敵襲の時は声をかける。」


勤務中だが、話しても大丈夫らしい。俺はアンネリアさんの話題に乗る。


「ギルドは依頼をこなして、お金を稼ぐ仕事をする人が集まる機関です。」

「あ......、そういうことじゃなくて。えっと、楽しい?」


それは......、今までの生活に比べたら。


「......楽しい、です。」

「......私、団長の娘なのに勉強ばっかりで、ギルドのこと全然知らない......。」


落ち込むように目を細めたアンネリアさんに、プォージートさんが慰めるように頭を撫でる。そして諭すように、優しい声で。


「あと少しの我慢ですよ......。テル教育校でギルドについて沢山学びます。」

「そういうことじゃない!私は......、データとか、資料じゃなくて......。」


アンネリアさんが涙目になりながら激怒し、プォージートさんをキッと睨む。

その時、馬車が減速し始めた。


「ヴィンデート、サウディパウロが三匹だ。こちらに向かって来る。」


鋭い声で俺を呼び、戦闘体制をとる。俺も馬車から下りて剣を持った。


____________________

サウディパウロ 1歳


攻撃力 8

守備力 32

魔力量 40

速さ  4

体力  61


獲得スキル

なし

____________________


速さはないが、しぶとさはピカイチ。口から魔力の塊を飛ばすために放置はできない。見た目は鎧を着たような大型のレレティックだ。鎧のような物は実は皮で、分厚い為に本当に鎧に使われるそうだ。


「魔力攻撃は剣で弾ける。隙を見て皮の隙間を斬れ。」


そう言われた瞬間に、サウディパウロは口を開き、青色の魔力の塊を放った。思ったより速いが目視でき、真っ直ぐにしか飛んで来ないので、対処は容易だ。剣で横に弾き、攻撃をかわしながら詰める。サウディパウロは鈍い魔獣なので、横を取ることは簡単だ。


「やっ!」


一匹だけ皮の隙間を斬って引き、[ステータスオープン]で体力を見る。数字は17。致命傷を与えることが出来たようで、地面にうずくまり、やがて動かなくなった。


「追撃が来るぞ。」


数が少なくなったために、飛んで来る魔力攻撃の数も少なくなっている。次々と横へと斬り落とし、次のチャンスを窺う。魔力量を見てみれば、7と3という数字が見える。


「もう魔力攻撃が切れそうです。」


そう言ったそばから、片方のサウディパウロは魔力を出すことが出来なくなり、辺りをうろうろし始めた。そこから約二十秒後、もう一匹も魔力攻撃をして来なくなる。


「念のため、ヴィンデートは馬車の周りで待機だ。俺が死骸をとって来る。」



サウディパウロの死骸を三匹分馬車に詰め込んで、移動しながら解体作業を進める。プォージートさんが手伝ってくれて、思ったより速く終わった。


「......森だ、気をつけろ。」


気を引き締めて森へ入る。昼近いのか、木漏れ日が激しく光っていた。

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