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スキル・ステータスオープンはステータスを見るだけ  作者: ぐざいになったねこ
第三章 やるべきこと
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第三十話 火事の報告とギルドランク

「怪我人は全員癒しをかけ終わりました。幸いにも、死者は出ていないようです。」


モアツィーアの報告を受け、俺はほっとする。

これ以上、騎士団長としての無能さをさらけ出したく無かったから。

「とりあえず昨日の火事についてだ。」


俺は朝食を急いで終わらせ、お茶会部屋に待機する。

今回はエミラッシェさん含め、全員参加するようだ。


「昨日は二カ所で火の手が上がった。原因は火打ち石。まだここの住人達が、火打ち石に不慣れだったことがこの火事を引き起こした。」

「それは......、また起こる可能性があるという事でしょうか。」


ミレーマーシュさんが不安げな顔で意見を述べる。

エデルジート団長もこくりと頷き、昨日協議した対策を告げる。


「再発防止は難しいということでまとまり、そのかわり数日以内に街の各所に大型のベルを設置するようだ。火事が起こったらベルを鳴らし、危険を知らせるように、と。」

「それと、ベルが鳴ったらこちらも消化活動にあたるようにと。」


エデルジート団長の言葉にシリアスさんがつけたし、昨日の火事の話題は大体終えた。その後は、ねーちゃんの捜索について話し合うらしい。


「昨日の火事や、ビート系の魔法の使用不可についての影響によって、捜索が頓挫することはない。しかし一週間ほどの延期が決まったので、それまでは各々仕事をこなしてほしい。」


ビート系の魔法が使えない事によってある程度持ち物が増えるが、ミレーマーシュさんが用意するようなので、気にせず自分の仕事について質問する。


「逆毛の霊獣団の護衛について、アドバイスをいただけますか?」

「ヴィンデート、デート・ガルディアの街なら馬車を使っても一日で着ける距離だ。護衛のコツについては後で教えるので、その他の仕事について話し合おう。」

「その他の仕事ですか?」


ハルセンジアさんが質問を棄却し、エデルジート団長へ向いた。その目は鋭く、何かを見定めるように睨んでいた。エデルジート団長も察したのか、表情を引き締める。


「夕食前に飛び込んできた件についてですが......。」

「ああ、皆にも話しておこうと思う。ファントレル騎士団長から、茨の城団のランクを、<銀の勲章>に上げても良いかと打診された。」


周りがざわりとしたが、自分には何の事かわからない。


「ランクとは何でしょうか?」

「そういえば説明していなかったな......。説明しよう。」


どうやら、ギルドにはランクというシステムがあり、高いほど大きな仕事が流れたり、管理支部から補助される資金が増えるそうだ。低い方から順に、銅、銀、金があり、その中でから札、紋章、勲章、があると説明された。そのランクのシステムには、個人にも適用されるらしい。今までは銅の勲章だったが、デラストレイレスの貢献や、上から回ってきた仕事の素早い消化、元々個人のランクが高い人が多かった等で評価がぐんぐん上がっていったそうだ。


「あとは対外的な騎士団への貢献というものもあるが......。フィリアを探すためだけに多くの騎士団員を動員するのは他のギルドからの目が良くない為、周辺の調査という名目でそのプロジェクトに協力しているという設定になっている。他のギルドにとっては[王の道]の捜索については内密にしているからな。」

「そうなんですね。......喜ぶことでしょうが、何故ハルセンジアさんはそんな顔を?」


ハルセンジアさんは苦虫をかみつぶしたような顔で、説明をした。


「テレヴァンスに関しては納得してもらえましたが......、ランクが上がると他の人が入って来る可能性があります。情報の統制が必要ならば、ランクは上げない方がいいでしょう。」

「せめて[王の道]をなんとかしてからだな。それか入団の条件を厳しくするか......。」


入れさせる気は無いが、と言ってため息をはく。

難しい問題だが、俺的にはランクは上げない方がいい気がする。


「......正直<銅の勲章>のままで良いと思う。皆はそれでいいか?」


異議はなかった。エデルジート団長はほっとした顔で解散を指示し、各自でできることをするようにと言う。ふとみると、ハルセンジアさんが俺を手招きしている。


「ではヴィンデート、明日の準備だ。ついて来い。」

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