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スキル・ステータスオープンはステータスを見るだけ  作者: ぐざいになったねこ
第三章 やるべきこと
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第二十四話 山積み

「テレヴァンス、とりあえず許可を求めてきますね。」


シリアスさんはそう言って、茨の城へ向かった。

あと少しで冬があける。冬があけたのなら、本格的なねーちゃんの捜索が出来るとエデルジート団長が言っていた。


「ヴィンデート、エデルジート団長が呼んでいます。」

「わかりました、シリアスさん。」


ねーちゃんの事だろうか。談話室に向かう。



「なんの用でしょうか?」

「......[ステータスオープン]とは、能力を数値化出来るのだよな。」


俺がこくりと頷くと、エデルジート団長は顔を引き締めて口を開く。


「あのデラストレイレスはかなり特別な種類だとわかった。そのために何が違うのか、数値で見てみたいという意見が騎士団長で出てきた。」

「通常のデラストレイレスも見に行くんですか?」

「そうだ、それとできればあのデラストレイレスの数値を思い出してほしい。」


理解した。あの時の数値は頭にこびりついているように残っている。

いつ行くのか、そう聞くと、エデルジート団長は頭を悩ませた。


「やることが沢山あるんだ。意見が出ただけで具体的な計画は決まっていない。」

「デラストレイレスの影響で多くのギルドの被害が出ましたからね、それとねーちゃんの捜索も......。」


それに加えて仕事が多く回って来る。それぞれ処理していかないと全て間に合わないのだ。この事がどれだけ大事なのかでいつ行うのかが決まる。


「デラストレイレスの処理はこの一週間で終わりますか?冬があけるとねーちゃんの捜索って......。」

「気持ちはわかるが落ち着け。......デラストレイレスについてはかなり面倒なことになる。少なくとも夏まで引きずるだろうが......、人の手が介入しているのだ。予測が出来ない。」


エデルジート団長の口ぶりから察するに、今回は完全な騎士団上層部の独断みたいだ。

本題はなぜデラストレイレスが五年間生き延びたのか、そのことに対して誰が補助したのか、だ。五年間デラストレイレスが生きたデータがないので、出来れば今のうちに回収してしまおうということか。

そのことを話すと、正解だ、と言われて団長は肩の力を抜いた。


「理解が早いようで助かる。それで、協力できるか?」

「できますよ。あのデラストレイレスのステータスは記憶しているので、今書いておきます。」


ペンで紙にあの時の数字を書き写す。

感謝する、と言われて退出の合図を出されたので、俺はお茶会部屋へ向かった。



「戻りました......、あ、エミラッシェさん。」

「......。」


エミラッシェさんはちらりと見ただけで、視線を机の上の資料に移す。

最近はずっと部屋に引きこもり、姿を見かける事が無かったのだ。


「エミラッシェ、挨拶ぐらいしなさい。」

「......。」


ミレーマーシュさんが指摘しても、ただ無言で書類にペンを走らせるだけ。

ついには席を立ち、お茶会部屋から出ていってしまった。


「......彼女こそ、自分の言葉に責任を持ってほしかったです。」


何があったのかは聞きたくない。

それでも、何かをしてしまった事はわかる。



玄関のベルが鳴り、お茶会部屋にシリアスさんが入ってきた。


「とりあえず......。はい、テレヴァンスの資料ですね。」

「このギルドに入団させるのですよね?」


デラストレイレスの被害を直接受けた村の村長だ。

資料には年齢や性別、入手した資格等が乗ってある。


「二十四歳......若いですね。村長だっただけあって、資料等を処理する能力が高いようです。ほら、この資格の事ですが......。」

「ええ、非戦闘要員ですね。書類仕事は多過ぎて手が足りないので助かります。」


ミレーマーシュさんとシリアスさんは、彼女の能力について話し合っている。

少し目を通したが、資格についてはあまり分からなかった。


「ヴィンデートは、彼女を入団させることに賛成ですか?」

「初対面の印象はよかったし、資格について大丈夫なら賛成ですよ。」


シリアスは満足そうに頷き、メモをして管理支部へ向かった。

閉まる扉を見て、ミレーマーシュさんは小さく呟いた。


「さて、やることが沢山ありますね。」

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