短編 闇病み病(やみ やみ やまい)
どうやって責任をとればいいの?
勝手に巻き込まれて。私は望んだ訳ではないのに。
「お母さん、どうすればいい?」
返事は、なかった。
声は闇に吸われていくだけ。
[王の道]を持ってるだけで。
ただ襲われて。いらない情で匿われて。
全部、不可抗力だ。
「お父さん、私逃げたい。」
逃げずに最後まで戦い続けたお父さん。
そんなお父さんの口癖は、逃げないだった。
「逃げて、逃げて。もういなくなりたい。」
声は闇に吸われていくだけ。
いや、もう口に出している事も、思っている事も。
闇は全てを惑わしていた。
「もう、いなくなりたい。」
ごめんね、ヴィンデート。
私のせいで、こんなのに巻き込んで。
ごめんね。ごめんね。ごめんね。
「ごめんね。」
今度ははっきり口に出たことがわかって、逆に悲しくなった。
胸が痛い。そんなのから逃げたい。
「つらい、いなくなりたい。」
胸の奥がじんじんする。体から力が抜けていく。
力が抜けていくのに、力をいれていたいぐらい痛い。
いたい、いタい、イタい。
「......いたい。」
胸の奥。痛みは頭をも侵食し、体を発熱させた。
あつい。あつい。
ひどい。ひどい。
つらい。つらい。
なんで?なんで?なんで?
疑問。私の人生。
もしあのままだったら。
盗み続けて害悪を撒き散らすだけの屑人間だったら。
こんなことも思えないほどに黒く染まりきっていたのなら。
人としての心が消えていたのなら。
こんな思い、しなくていいぐらい楽な人生。
「どうしてだろうね。なんでこんな事になったんだろう。」
頭が痛い。ぐるぐるしていて気持ちが悪い。
そんな状況、それでも疑問を解き続ける。
わたしは。
「このまま、路地裏で死にたかった。」




