第二十話 討伐完了
「エデルジート団長、なんで所有者すら知っているはずのない[ステータスオープン]の性質を知っているのですか?」
「......なんの事だ、エミラッシェ。」
エデルジート団長はうっかり忘れていたと言っていたが、そんな適当な人ではないはずだ。
なにか隠しているが、そっちが言わないなら余計な詮索はしない。身を滅ぼすと知っているから。
「かはっ、けほっ。」
辺りの地面が大きく盛り上がり、無数の根と、取り込まれた人達が出てきた。ほとんどの人は息絶えているが、投げ出されて俯せになっているピンクのポニーテールの人がもぞりと動いた。
「サーテレラ!」
「エミラッシェ、癒しを。シリアス、サポートできるか?」
ファントレル騎士団長が叫び、エデルジート団長がエミラッシェさんに命令を出す。シリアスさんはエミラッシェさんを護衛しつつ、生存者がいるかを確認した。
「デラストレイレスが苦しんでいる......?」
「なんだかわかりませんが、ファントレル騎士団長。今のうち叩くべきでは?」
「ああ、幹に攻撃を叩き込め!」
違う方面に向かっていた残りの二軍がこちらに集まり、攻撃を開始する。怪我人は下がり、エミラッシェさんは回復に追われている。
「エデルジート団長、デラストレイレスは体力のみ減っていくだけです。その他のステータスの変動はありません。」
「何が起こっている......?」
体力が1000を切っても、抵抗する気力が残ってないようにも見える。それに疑問を感じていると、サーテレラが起き上がった。
「......引きずり込まれた時、切断された根があちらこちらに見えました。それらに毒を飛ばして侵食させると、爆発したのです。大量に毒を飛ばした為、さらに消し飛ばしきれていない毒が蝕んでいるかもしれません。」
「そうか。よくやった、サーテレラ。」
デラストレイレスのステータスを見てみたら、もう体力は500を切った。さらに、そのほか変化がなかったステータスが軒並み下がっている。
「もう弱っています。」
「見ろ!幹が!」
べりべりと剥がれ落ち、土埃を出しながら地面に落下する。それを回収班と思われる人達が、それらを回収してしく。それを見た騎士達は枝や根、樹液等を剥がして回収し始めた。
「一段階だな。」
「油断するなよ、エデルジート。」
「後始末は貴方達の仕事でしょう?」
何故ここに居るはずのないデラストレイレスがいたのか、調査が始まるらしい。今回は超巨大個体であり、一つのギルドの主要メンバーが全滅した被害が出たので、再発防止の為に念入りに捜査されるそうだ。
「エデルジート、少しいいか?」
「なんでしょう、ファントレル騎士団長。」
人目を気にしたそうで、少し離れて小声で話している。
少し気になったが、すぐデラストレイレスの解体に興味が移った。
「お帰りなさい。ビート石があるとはいえ、寒かったでしょう?暖かいスープを用意しましたよ。」
「おかえり、ヴィンデート。大丈夫だった?」
夜の十時をまわった頃、茨の城団に帰ってきた。
暖かい空間に、暖かいスープ。そこにエデルジート団長の報告が入ってきた。
「とりあえず、明日詳しい情報が出るが分かっている範囲で。」
そう言って今日起こった事をまとめる。
「デラストレイレスの被害で、暁の瞳団の主要メンバーが全滅した。そして、逆光の鏡団のサンデルエイト団長が死亡。騎士団所属のサーテレラが重傷だが、エミラッシェがある程度回復させた為、療養の為の休暇ということで騎士団を一週間休む。それぐらいだ。」
「暁の瞳団って......、この街トップのギルドじゃなかったのですか?」
確かそのはずだ。団長含めて全て引きずり込まれた光景を思いだし、吐き気がした。
「ヴィンデート?」
「ごめん、大丈夫。」
「......詳しい情報は明日出るはずだ。今日はみんな休め。」
そう言われ、俺達は自分達の部屋へ戻った。
事情があって更新ペースが遅くなります。




