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スキル・ステータスオープンはステータスを見るだけ  作者: ぐざいになったねこ
第二章 ギルド勤務一年目
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第十二話 ハルセンジア

「フィリアちゃんは、エデルジート団長のことをどう思ってるのかしら?」

「......このギルドの団長で、私達を助けてくれた恩人です。」


私の部屋にお茶会として招いたフィリアちゃんに、団長のことを聞いてみる。


「そろそろお年頃でしょう?誰かお相手はいますの?」


私の言葉に何かを察したような表情をし、笑顔で言い放つ。


「恩人であり、すごい人だとは思いますよ。ですが、お相手としては年齢的に対象外です。」


......あらら。無理みたいよ、団長。

「分かった。茨の城団は反アンデルビート国王派としてこれから動く。一度、騎士団長に面会依頼を出してみよう。もしかしたら味方につけられるかもしれない。」


エデルジート団長が席を立ったことで、この会議は終わりを告げた。

面会依頼を出すことに対して、ハルセンジアさんは口添えする。


「アルニエスとミラシュレインも付けるようにとすればどうでしょう。少なくとも、彼らは事情を知っているでしょう。」

「エデルジート団長。目的はアンデルビート国王と対立することではなく、フィリアちゃんを守ることです。仕方なく対立することになりましたけれど、手段と目的を履き違えないようにしてしてください。」


エミラッシェさんはエデルジート団長を見つめて言う。

なんだか俺が帰って来てから、エミラッシェさんは不機嫌だ。



早めになんとも言い難い雰囲気の昼食を終わらせた後、管理支部へ向おうかとシリアスさんに相談する。


「今は少し控えた方がいいかも知れませんね。東の森で魔獣の素材回収や薬草採集などしたらどうでしょう。日帰りで。」


ただ、と言う。シリアスさんは予定が詰まっているらしい。


「面会依頼を出す為に日程の把握や調整をしなければいけません。そうですね......。ハルセンジアさんと話を通しておきます。今日中は無理ですが、明日にはできるでしょうか。」


......管理支部で暮らしているのにシリアスさんの方が重宝されるのか?


管理支部ではギルドへの依頼の整理や、各ギルドの予算を管理する等の書類仕事が多いと聞いている。そんなことについて質問すると、苦笑しながら教えてくれた。


「元々、エデルジート団長とハルセンジアさんがこのギルドを創設したんです。いわゆる初期メンバーということですね。その後、僕とエミラッシェさんが入ってきて、育てる為に僕らに多めに仕事をまわした事に対して怒ってしまいまして......。」


小さい時からの友人よりも、新人の方が大事なのか。そう言い、拗ねて寮から管理支部に生活拠点を移したそうだ。別に書類仕事をしている訳ではないらしい。


「それって俺、大丈夫ですか?新人ってことでいびられるんじゃ......。」

「大丈夫だと思いますよ。あの人は新人じゃなくって団長にツンツンしてるので。」


そう聞いてほっとした。背が高い相手だと、少し怖く感じるからだ。

じゃあ執務室へ行きますね、と言ってシリアスさんは執務室へ向かった。



午後。裏手の庭で、俺は剣を振っていた。


「剣は重いだろうけど、そのうち自由自在に振れるようになるさ。」

「......ハルセンジアさん。」


庭にハルセンジアさんが入ってくる。

何故ここに、と聞いたら。


「さっきシリアスから聞いたからな。んであんたを見てみると、ちょっと不安になったからちょっかいを出させてもらう。」


そう言って、ハルセンジアさんは剣を取り出す。


「手合わせ願おう。鍛えてやる。」



お互い距離をとり、剣を構える。


「そちらから来い。それが合図だ。」

「はい。」


____________________

ハルセンジア 36 歳


攻撃力 161

守備力 100

魔力量 7

速さ  18

体力  92


獲得スキル

[基本剣術]

[基本弓術]

[身体能力強化]

_____________________


なんと、基礎魔力操作がない。

その代わり、攻撃力がかなり高い。

細心の注意を払い、斬りかかる。


「やああぁぁぁっ!」

「ふん。」


俺の攻撃力は、しっかり受けられる。

その後、足蹴りされて吹っ飛ばされた。


「ぐふっ。」

「剣だけだとは思うな。体は武器だ。」


俺は立ち上がり、その言葉を胸に刻み込む。


「......分かりました。」



手も足もでなかった。

ハルセンジアさんはそこまでだ、と言って剣を収める。


「まあそこまで悪くないが。剣を振る事に意識を割きすぎている。無意識に使えるようになれ。」

「努力します......。」


ハルセンジアさんからステータスの変動が見られなかった。


......無意識に防御して、無意識に攻撃したのか。


そのこともあるし、単純に剣の練度も桁違いだ。

このギルドに求められているレベルを見せられたようで、ため息をはく。


「まあ、しばらくは森で剣術を磨け。俺も同行する。」

「ありがとうございます。」

「いい。かわいい後輩から、後輩を鍛えてくださいとお願いされたからな。」


そう言って、ハルセンジアさんは庭から出た。

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