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スキル・ステータスオープンはステータスを見るだけ  作者: ぐざいになったねこ
第五章 魔王アルニエス
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第八十八話 レシアボールへの対応

「ハルセンジアさん、エミラッシェ、聞いてほしい事があります。」

「なんだ。」


一度川の側に茨の城団を呼び出し、情報を共有する。ハルセンジアさんは困惑しているが、エミラッシェは落ち着いて理由を問う。そうして、話し合いの内容をヴィンデート君が説明し、途中で[ステータスオープン]によって旅の者がレシアボールである事が発覚した事を、周りを気にしながら言う。


「なっ......!」

「まぁまぁまぁ。生きていらっしゃったの?」


やはり二人は驚き、しかしすぐに冷静さを取り戻す。ハルセンジアさんは「サイサンシュレイト城で保護するか?」と言って、エミラッシェさんは他の人にその情報を渡そうとも提案する。


「流石に安易に言うのは良くないですけれど、騎士団長ぐらいには言った方がいいんじゃないでしょうか。」

「それも良いと思いますが、考えたのですけど、彼らの護衛に誰かが立候補してはどうでしょうか。」


俺がそう言うと、シリアスがそれに賛成する。同時に、護衛に付くことも決意したそうだ。


「俺じゃあ駄目なのか?」

「事前に情報をエデライブジート様に渡す時、報告に行くのに違和感が無いと思いますからね。」

「それもそうか。領主様の側近には......、まあ知られてしまうが。」


しばらくの間サイサンシュレイト城で働いていたシリアスさんは、恐らく上の方の役職に就いていたのだろう。確かに違和感はない。それと、と言って、先に帰った方が仕事が早く終わるという事も言った。ラッテルタの死亡や、人手不足で管理が出来ないハウッセン等、問題は山積みだそうだ。


「ですけど、戦いはしばらくありませんね。」


シリアスさんがしみじみと言い、ふと俺達も思い出す。しばらくは戦わなくていいんだと思うと、ふと肩が軽くなった。


「やっと、帰れます......。」

「......なあエミラッシェ、城に帰ったら茨の城団全員でお茶会をしないか?気晴らしにな。」

「まあ!」


エミラッシェが頬を染めて笑顔になる。しばらくお茶会が出来ていなかったので、よほど嬉しいのだろう。


「それでは、僕が護衛に立候補しますから、他の皆は騎士団長の指示に従って下さい。後はヴィンデート君、念のため、さりげなく彼らについて探ってほしいのですけれど......。」

「お、男の子の方から調べていきます。」


流石にレシアボール様から調べても、警戒されるだけだ。


「騎士団長にこのことは......。」

「見た限り悪い奴ではなさそうだが、スティアビート時代にいた者だ。信用はできない。」

「え、スティアビート時代の騎士団長はそのままなのですか?」


驚いた。少なくとも重要な役職はすげ替えているだろうとは思ったが。ほんの一部の者はスティアビート時代から引き続きその役職に就いているようだ。優秀で信頼が置けるというのもあるらしいが、あの時代に就いていた者の意見というのも欲しいらしい。


「領主様が信頼しているからって、俺が信用している訳ではない。」

「......そうですか。では、このことについては僕達だけの秘密にしましょう。」


そう言って、シリアスさんは解散を促す。今は夕方だが、男の子の所へ行くべきか迷っていると、シリアスさんが話しかけてきた。


「さっきのハルセンジアさんの態度、気にしないで下さい。」

「なんか騎士団長に向かって信用していないって言ってましたが......。」

「......自分の一族以外の者があの役職に就くということが信じられないということだと思います。」


そういえば、ハルセンジアさんはエデライブジート領主の父親が領主だった頃の騎士団長の息子だという事を思い出す。ミレーマーシュさんが言っていた気がする。


「シリアスさんは、信用しているのですか?」

「まるっきりではありませんが、少しぐらいなら......と、思っています。」


そう言った時、夕食の鐘が鳴るのが聞こえた。久しぶりに戦いの事を考えずに食べるご飯だ。楽しもう。

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