◆マイナーな習い事の同志が欲しい話◆
マイナーな習い事仲間集まれー(*´ω`*)
タイトルにもあるように、マイナーな習い事をやっております。
大体えーと……十五年? 下手の横好きで月謝金ドブと言われそうなほど上達をしている実感のない腕前です。耳が良いことだけでやっていけてる現状。
習っているのは民族楽器なのですが、今まで身近にやっている同志を見つけたことがありません。漫画や小説で同じ楽器をやっている人達が親しくなり、一緒に練習をして切磋琢磨する描写に少々憧れます。
いや、実際にはコミュ症なので憧れるだけで“切磋琢磨しようぜ!”とはならないと思うんですけど。何よりも教えて下さる先生もコミュ症なので、普通なら数名でグループレッスンをするような楽器なのに、マンツーマンというコミュ症さ。師弟揃ってほぼ楽器の音のみで対話する四十五分。
……52ヘルツのクジラかな?
そんな先生、初めて教室を覗きに行った時には「女子十二楽坊に憧れて来たの? 僕はあんなに華やかな演奏は出来ないよ?」と仰いました。カタコトで。違うと否定した時のホッとした表情が今でも忘れられません。
女子十二楽坊知ってる世代がいったい今どれくらいいるのか……歳月を感じます。だけど先生も元は大きな楽団のソリストをつとめていたそうです。(今は視線恐怖症で自身のコンサートもほとんどしませんが)
習っているのは二胡という民族楽器なんですが、私は流行りとかにえげつないほど鈍く、当時そういった楽坊が流行っていたことすら知りませんでした。
何より長年この楽器に憧れがあり、名前しか知らないその楽器を一度で良いから触ってみたいという理由だけで、教室のドアを叩いただけのミーハーでした。
憧れとなったきっかけは、Windows98xp版だったかのコー◯ー三國志でした。貂蝉という女性が弾いている絵がオープニングに一瞬流れるんです。兄がプレイするそのゲームを後ろから覗いては、どんな風に弾くのかどんな音がするのか、十歳かそこらの時からずーっと知りたかったんです。
でも当時中国楽器の中でも二胡は教えてる教室がなくて、憧れは憧れのまま。十年越しくらいの憧れを叶えられたのは、町の小さな楽器店の柱に貼ってあったマッチ箱サイズの教室案内。母が偶然見つけて教えてくれました。
他の教室案内の大きさは普通サイズだったので、この時点で先生のコミュ症さ加減が分かるよなと今では思います。
――で、習ってみるとはまりました。憧れたのは正しかった。
二胡と言うだけあって、二弦しかありません。下に小さな共鳴板がついているだけの割と原始的な造りの楽器です。軽くてコンパクト。
初期投資で八万くらいの二胡を買ったら(教室によっては楽器店と提携していて多少お安くなります)、あとはほとんどお金がかからないのも魅力的。
あと楽譜が五線譜じゃないので、楽譜を読むのが苦手でもまぁなんとかなります。ギターやバイオリンのようなコードもない……かな? 厳密に言えばあるのかもですが、耳を頼りに音を探すといった方が良いかも。
そもそも騎馬民族が馬に乗ったまま演奏したり持ち運べるように造られた楽器らしく、装飾は世界中の楽器の中でも屈指の地味さ。リズムも元は口伝だそうです。
しかしこの楽器、奥が深い。
小さななりなのに弾きようによってはかなり大きな音が出るし、女性と男性の奏者でかなり音色も異なります。女性はたおやかで透き通った高音、男性は伸びやかで温かみのある重低音。
躍動感のある音楽を奏でるのが大得意。馬の嘶きだって真似できちゃう。
オススメはやっぱり少数民族のお祭りの歌や恋歌などですが、バイオリンっぽくも弾けるので西洋音楽も演奏できます。
……だからさ、誰か興味があったら習ってみない? 今日も52ヘルツのクジラの如く、マイナーな楽器の仲間欲しさに鳴いております。