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異世界恋愛 ──十六王国物語──

捨てられ公女は、砂漠の隠れ家を目指す

作者: 三條 凛花

「ルルー! 貴様との婚約を破棄する。我が愛しの聖女を貶めた罪、無限の砂漠で味わうがいい」


 それは砂漠に囲まれた小さな王国、サーブルザントで起こった物語だ。





 ルルーは、目の前で起こっていることがちっとも理解できず、静かに困惑していた。


 幼いころからの婚約者で、お互い想い合ってきたはずの王子が、自分に蔑みの視線を投げつけている。



 黒髪の少女が彼の腕の中にすっぽりと隠れている。異界の聖女と呼ばれていた人だ。


 その硝子玉のような大きな瞳は赤く潤んでいるが、弧を描く口元が隠せていない。ーーああ、彼は騙されているのだ。



 ルルーがそう気づいた瞬間、近衛兵たちに取り囲まれ、そのまま城門へと引きずられるようにして連れられていった。


 男たちの扱いは乱暴で、外へ放り出されたとき、ルルーの耳飾りは片方なくなり、ネックレスはちぎれそうになったままなんとかぶらさがっているという有様だった。


 高く結い上げていた髪はしどけなくぱらぱらとほどけており、城門の中から男たちがおぞましい視線を寄越しているのに気がつく。




「ーーとりあえず、ここから離れなければ」


 ルルーはぶんぶんと首を振り、砂丘の陰になる場所まで急ぎ向かった。


 追っ手がないことを確認すると、数多の宝石が縫い留められたドレスを、ベルトの部分から外してさらりと脱いだ。


 暑さを我慢してドーティパンツを中に履いていてよかった。


 さらりとした生地が、裾に向かって広がり、足首できゅっと細くなってとまっている下履きである。主に男性が履くものだが、砂漠にはマナーを見咎めるような人はいるまい。




 重たいベールを脱ぐと、肩が軽くなった。


 ベールの四方をまとめるようにして、簡易的な布鞄に変える。


 このベールには本物の石ではなく、甘くて腹持ちの良い宝石菓子を縫い止めてある。そのまま食糧になるだろう。



 ルルーはそれから靴裏の華奢な底をぽきりと折り取って、一緒に布鞄にくるんだ。歩きやすくなった。


 しかもこのヒールにはナイフを仕込んであるのでいろいろと使えるはずだ。



 最後に、ドレスの内布をびりりと破く。


 これには温度調節の魔法がかかっているので、ストールにして、日除けと寒さよけにするのだ。




 ひらりとストールをかぶり、ルルーは振り返った。


 高い城壁と、それよりももっと高く、まるで人を拒むようにそびえる宮殿に目をやる。


 ルルーの棲家になるはずだった場所は、変わらず煌々との美しさを際立たせていた。


 ほとんどちぎれかけていた、煙水晶のペンダントを自ら引きちぎり、ルルーは城門に向けて投げつけた。


 その目には、涙が真珠のようにぽちりと浮かんでいた。





 煙水晶のペンダントは、十六の誕生日にルシュディ王子から贈られたものだった。


 煙水晶はその名の通り、煙のように黒みがかった水晶で、魔除けの効果があると言われていた。


「このペンダントがルルーを守ってくれるように」


 そう言って彼は、ルルーの首にペンダントをつけたのだ。


 あの日、ふたりははじめて、キスをした。





 ルルーとルシュディ王子の婚約は、政略で結ばれたものではない。


 この時代ではめずらしく、双方に慕う気持ちが先立ってととのったものだ。



 彼の父王イサーンは穏やかで人望厚い賢王であったが、同時に優しき父親でもあった。


 自身が幼少期に寂しい思いをしたことや、政略で娶った妻とうまくいかなかったことから、息子には、自らが心安らげて、互いに尊敬し合える者を伴侶にと望んでいた。


 そのため、幼少期から、貴族の子どもたちとの茶会を設け、未来の側近候補や花嫁候補と交流させてきたのであった。



 ルシュディが選んだのは、公爵家の長女ルルーであった。


 イサーン王は、もしルルーの意にそぐわぬ婚約であれば受け入れずとも良いと、為政者の仮面を外して優しく言った。


 互いの気持ちが交わってこそ、幸せな結婚になるのだからと。




 婚約式は異例なことに、身内の中だけで行われた。


 王宮の青の間に、ルシュディとルルー、双方の家族だけが集まった。


 王弟や義妹、義母はいい顔をしなかったが、イサーン王のおかげでなんとかつつがなく契約を結び、ささやかな宴を開いた。


 あのとき、王妃になれるものだけが身に纏うことのできる、伝統的な黒のドレスを着たルルーは、確かに幸福であった。








 砂漠の真ん中には、王家の者が知らない秘密の穴蔵がある。


 ここは、はるか昔に異界から召喚された、イトゥーという男が作ったのだと言われている。


 彼は優しく気弱な男で、自らが呼ばれるために多くの民の命が犠牲になったと知り、王家に不信感を持ったのだ。


 逃げ場のない牢獄のようなこの国で、無辜の民が虐げられることがあってはいけない。


 そう言ってイトゥーは、信頼できるものだけに口伝で秘密の穴蔵の存在を残した。


 そのことを知るときには契約魔術がかけられ、決して王家の者には口外できないことになっている。


 また、穴蔵の周囲には惑いの魔術がかけられている。穴蔵で暮らしたことのある者か、本当に困っているものだけがたどり着けるようになっているのだという。


 ルルーは困っていると判断されたのだろう。無事に、頭の中に、まるで見知った場所のように地図が浮かんできた。






 穴蔵にたどり着いたのは、半日ほど経ったころだった。


 辺りはすっかり暗く、星がリボンのように広がり、美しく瞬いている。


 しかし、ずっと遠くの山際はまだ夜になってはいない。まるで燃えているように赤く、ちょうど日が消えていく様子が見えた。



 先ほどまではあんなにも暑かったのに、太陽が落ちた途端肌寒くなってきた。


 魔法のストールをもってしてもあと数刻も持たなかったであろう。


 壊れた靴を履いていた足は、指の側面がむけて血まみれになっており、長い間水も飲まずに歩いてきたので、ひどい目眩と頭痛に襲われていた。





 侍女が教えてくれた通りの場所に、しずく型の穴があった。


 ルルーは安堵して、そこに手を当てて、唱えた。


「ヒーラ・キグォーマ」


 この場所をつくったイトゥーが決めた合言葉だという。


 ごつごつした岩肌ばかりだった場所が青白く光りだし、扉のようにずるずると動き出した。


 発音がむずかしかったのだが、きちんと言えていたようでルルーはほっとした。






「あんた、名前は?」


 出てきたのは、ルルーとそう年の変わらない青年だった。二十そこそこといったところか。


 見上げるほど身長が高く、屈強な身体つきをしており、どこか粗野な印象を受ける。


 そして、黒い髪を後ろでひとつに結んでいる。ルルーは、ここにあるはずのない色にはっとする。



「サイード公爵家の長女、ルルーと申します」

「ーーああ、アヤが仕えているところか。俺はカリームだ」


 名前を告げると、カリームの態度が少し柔らかくなった。


 穴倉の中は、王都の貧民街に似ていた。


 底の見えない深い穴が掘られており、下へ向かってらせん状に道が続いている。


 そして、道の横に穴があって、そこが住居になっているのだ。




「あんたのことは、鷲が伝言を持ってきたので知っている。ーーその、……災難だったな。アヤもそう遠くないうちに来るだろう」


 王都の外には街が一つしかなく、そことのやりとりには砂漠鷲が使われる。


 そのため、貴族の家ではたいてい鷲を買っているのだ。鷲便ならば、ルルーが来るよりももっと早く伝言が届いたのだろう。


 この人は何をどこまで知っているのだろうか。彼女はそんなことを考えていた。




「アヤも来るのですか?」


「ああ。ーーあいつは、屋敷ではなくあんたに仕えていると言っていたぞ。幼いころに命を救われたから、と」


 ルルーは、幼いころからずっと良くしてくれる年上の少女を思い、胸の内が熱くなるのを感じた。



「今、この穴倉に居るのは俺と、アヤのばあさんだけなんだ。

 もともと流れ者が集まる場所で、長居をする奴は少ない。たいていは他国へ亡命するんだよ。

 まあ、それも命懸けで、成功するかは賭けなんだがな。あるいは、子や孫の世代になってから王都へ戻るか。

 だから、どこでも好きな場所をねぐらに選ぶといい。ーーああ、一応地底湖には案内しよう」


 カリームがそう言って先導する。


 だが、疲れが出たのだろう。ルルーの意識は、歩き出したところでぷっつりと途切れてしまった。






「どうして私だったのですか」


 あれは十二歳の時だった。


 ルルーがルシュディ王子の婚約者になってしばらく経ってからのこと。


「私は、自分が落ちこぼれだということをよくわかっています。

 なぜ、妹じゃなくて私を選んだのですか」


 ルルーがそう言うと、ルシュディ王子は悲しそうに笑い、それから投げやりな感じで言った。


「君の愚かなところが愛しいからだよ」


 それはあまりにも意外な答えで、ルルーは目を丸くし、しばし、言われたことを頭の中で反芻していた。


 ルルーには魔力がほとんどない。


 周囲に落ちこぼれだと言われてきたのはそれが理由だ。


 特に、父の側室の娘であるワルダは、この砂漠の都にとっては救いの存在ともいうべき、強い水魔法の使い手だった。



 生まれ持ったものは変えられない。だから、ルルーは誰にも負けない知識と教養、そしてマナーを身につけることに全てを注いできたのだ。


 それなのに、愚かとはどういうことなのか。


「不服そうな顔をしているね」


 見透かされてしまい、ルルーは顔に熱が集まってくるのを感じる。


 ルシュディはふと遠くに目をやって、それから言った。


「すまない。つい意地悪なことを言ったな。--君からは打算めいたことを聞きたくなかったのだ」

「打算?」

「そうだ。君のさっきの問いかけは、質問ではない。誘導だろう? 愛してるからだと言わせようとしての」


 ルルーは、はっとして、それから俯いた。


「--君の状況は、たぶん、君以上によく知っていると思う。実家で虐げられていることも、魔力の少なさを気に病んでとにかく努力を重ねてきたのも。

 その上で言う。私は、君には、素直になってほしいのだ」

「素直に......?」


 ルシュディ王子が、頷く。


「助けを求めているなら、そう口にして欲しい。

 もし私のことを好いてくれているのなら、言わせようとするのではなく、素直に口に出してくれればいいんだ」

「そんな.....自分から気持ちを口にするなんて」

「怖い?」


 ルルーは俯く。


「私は君を愛しく思っているよ。

 ないものねだりをするのではなく、自分のできることをこつこつ重ねていく。その姿勢が好きだ」


 ルルーの顔は真っ赤になった。


 それは、誰一人として認めてくれない、ルルーの存在意義であった。


「どうかな。素直に伝えてみたのだが、そのほうがうれしいと思わないか?」


 ルルーはこくりと頷いた。


 それから二人は、木陰でパンを食べながら、いろいろな話をした。別れ際にルシュディ王子が言った。


「すまない、言い忘れていたけれど、素直になるのは僕の前だけにしてほしい」

「ルシュディ様の前だけですか?」


「貴族同士の関係というのはやはり化かし合いで、正直にしていると馬鹿を見る。

 ......なにより、僕が妬けてしまうからね」


 ルシュディ王子はやや早口で言った。


 そのとき、彼の耳がわずかに赤くなっていたことをよく覚えている。自分を愛してくれる人がいる。それはいつでも私の心を支えてくれた。







「お嬢さま!」


 聞き慣れた声が降ってきて、ルルーは重たい瞼をゆっくりと何度も開いたり閉じたりした。


 見渡すと、見覚えのない部屋に寝かされている。ごつごつした岩壁に、乾燥した土の匂い。そして窓がなく、外の見えないつくり。



「良かった。心配したのですよ」


 目の前には、見慣れた侍女の顔があった。


 いつもはきっちりとまとめられている夕日色の髪は乱れ、焦げ茶の瞳の下には深い隈が刻まれている。


「心配、してくれて、ありがとう」


 口の中がぱさついていて、うまく喋れない。


 喉を押さえていると、侍女のアヤは手早く果実水をグラスに注ぎ、ルルーの背中を支えるように手を添えて、少しずつ口に含ませた。




「水さえも持たせてもらえなかったのか?」


 落ちてきた声に顔を上げると、カリームだった。


「バカ!あんたのせいでしょ。

 砂漠から歩いてきた人に長い御託を並べてる暇があったら、飲み物の一つでも出しなさいよ」


 アヤは普段見せたことの無い遠慮のなさでずばずばと切り込む。


 その意外な姿に目を瞬かせていると、ルルーの視線に気がついたのか、アヤは急に焦りだした。


「お嬢さま、お耳汚しをすみません」


 ルルーは首を横に振る。


「アヤがそんなふうに気を許している相手だなんて、初めて見たから......仲がいいのね」


 そう告げながら、胸の奥がずきりと痛むのをかんじた。


 アヤは赤くなっている。


「そうだ、お嬢さま。お目覚めになったばかりですが、悲しいお知らせをしなければいけません」


 ルシュディ王子のことだろうかと、ルルーは身を硬くする。


「イサーン王が崩御なされました。--ルシュディ王子が手にかけたのだと、そう言われております」








「飄々と生きる。実はそれが一番楽なことなのだよ」

「感情を出さないということですか?」


 イサーン王のことを、本当の父親のように思っていた。


 彼は、厳しい妃教育の合間に、よくルルーと過ごす時間を作ってくれていた。


 ルルーはイサーンに、治世についてのことからルシュディ王子が幼いころの微笑ましい話まで、実に様々なことを聞いた。


 だが、中でも一番記憶に残っているのが、生き方にまつわる話だった。




「いや、そうではない。

 強いて言うならば、仮面をつけるということに似ているだろうか」


 その頃、実家での居心地はますます悪くなっていた。


 義妹は婚約式を終えてなお、ルシュディ王子の妻になることを諦めては居なかったのだろう。


 義母にも父にも、義妹の方がふさわしいのだからと責め立てられる日々に、ルルーは疲れ果てていた。



 また、イサーン王とは年が離れ、ルシュディ王子とほとんど変わらぬ年齢の王弟は、何を思ってか会うたびにルルーを口説く。


 不貞をさせて王子に瑕疵をつけてやろうという魂胆なのかもしれない。


「感情が揺さぶられていることは、親しい人間以外に見せない方がいい。

 それが喜びでも、悲しみでも。負の感情を嗅ぎ取られるのは、知らず知らずのうちに命取りとなることがある」


「でも、喜びはどうしていけないのです? にこにこしていたほうが感じの良い人に思えますが」


「貴族的な観点でいうと、御しやすく見えるのが危険だ。それだけではないぞ。逆恨みも有りうるのだ。

 人間は自分勝手なものでね。

 自らが悲しみの渦中にあったり、苛立っている時に、にこにこと幸せそうな相手を見ると、無性に許せなくなることがあるのだよ。

 --だから、嬉しいことも悲しいことも、ひっそりと胸の内に隠して、相手には見せぬ方が生きやすい」


「それは......難しそうですね」


「ああ。決して簡単なことではない。

 だから、悲しいときは元気な仮面を、喜びに溢れている時は冷静な仮面を。

 それを身に纏うつもりで、私はいつも過ごしている。

 --そして、君やあの子のような、家族の前でだけ仮面を外すのだ」


 それは、これから王妃としてやっていくために、大切なことに思えた。




 イサーン王はルルーに雪解け菓子をすすめた。


 それは触るともちもちと柔らかいのだが、口に入れるとたちまちほどけて、甘酸っぱい味を残して消えてしまうものだ。



 サーブルザント王国は、周囲を広大な砂漠に囲まれており、年中暑い。


 そんな国の民が、ずっと遠くの国まで行かなければ見られぬ雪をイメージして作ったのだという。


 製法が難しく、量産ができないため、王でもなかなか口にすることのできぬそれを、イサーン王はルルーのためによく用意してくれた。




「王という立場がもどかしいときがある。--私は歴代の王より為政者としては甘いのだと思う。

 どうしても、非人道的なことが許せぬのだ。この国には未だ、そうした習慣が多々残っているだろう?

 貧民と貴族との身分差もそうだ。双子の男児が産まれたら、災いをもたらすからと片方を殺す慣習もおかしい。

 また、女性は男性の視界に入ってはならぬという蔑視の姿勢も。

 変えたいことは山のようにあるのだが、時間も手も理解も足りぬな」


 たまにはそうした弱音を聞くこともあり、家族らしい家族の居ないルルーは、それが嬉しかった。


 ルルーには助言などできない。ただ聞くだけしかできなかったが、ここ一年ほどは、イサーン王もルシュディ王子も、胸の内をぽつりぽつりと話してくれるようになっていた。


 少しずつ家族になっていくようで、ルルーは幸せだった。


 それがずっと続くのだと疑うこともなかったのだ。






 実家で過ごすときは、イサーン王の助言を思い出して、淡々としているように見える仮面をつけて過ごした。


 だが、父や義母が苛烈な行動に出るようになり、ルルーはついに、ルシュディ王子に助けを求めた。


 そうして王城に住まいを得て、より一層妃教育に励んできたのであった。



 不思議なもので、目に見えない仮面をつけてみると、それに合わせて感情が整っていくのを感じた。


 元気なふりをしているだけなのに、段々と元気になれた。浮かれているのを隠していると、やり過ぎて失敗する前に冷静になれた。





 ルシュディ王子が聖女ミザリーをその腕に抱き、汚らわしいものを見るような目でルルーを見下ろしていたあのとき。


 ルルーは本当は、泣いて彼にすがりたかった。


 彼には素直になると約束していたが、あまりのことに、平気なふりをしなければ立っていることもままならなかったのである。


 つい数日前までは、好きな人と結ばれる幸せと、共に国を支えていこうという確かな未来があった。


 それがどうしてこうなってしまったのか。








「父」を失ったことで再び気絶してしまっていたらしい。泣きながら目を覚ましたのは一体いつ以来だろうか。


 秘密の隠れ家は、ルルーがやって来たときとは様相を変えていた。


 武装したたくさんの男たちが集まっていたのだ。




「--お嬢さま! ……よかった。具合はいかがですか?」


 アヤは、焦げ茶色の目を心配そうに細めて尋ねた。

 ルルーはすっかり憔悴していたが、大丈夫の仮面をつけた。


「どうしてたくさんの殿方がいるの?」


 ルルーが訊くと、アヤは困ったように顔を歪め、なにかを言いにくそうに口をはくはくとさせた。


 その様子にさっと嫌な予感を覚える。


「これから王城を落とすからだ」


 鎧に身を包んだカリームが、強い眼差しをルルーに向けた。


 びくりと体が跳ねそうになるのを押さえる。


「王城を?」


 つとめて平静を装って聞き返すと、カリームは鷹揚に頷いた。


「ルシュディもまた賢王になると思っていたのだがな。......残念だ」


 その言葉に、堰き止めていた感情が決壊しそうになり、ルルーは思わず手を強く握りしめた。


 アヤが心配そうにルルーの背を支えた。


「--カリームは、イサーン王の弟なのです」

「おいっ!」


 アヤが言い、カリームが慌ててその口を塞いだ。


 アヤはその手を振り払う。


「お嬢さまには、知る権利があります。これからあんたがすることを考えたらね」


 アヤの言葉に、カリームは不服そうにしながらも押し黙った。


「王弟サリームのことはご存知ですよね。お嬢さまの周りを飛び回っていた羽虫です」


「おい」


「カリームは、奴の双子の弟なのです。イサーン王がその命を救い、巡り巡って私の祖母に託されました。

 --わが家は、かつての召喚者イトゥーの末裔です。

 晩年、王家と対立してしまったので、祖母の代まではこうして、隠れ住んできたこともたり、カリームを預かるには都合のいいことでした」


 その言葉に、ルルーはごくりと息を飲んだ。


 そして、イサーン王が話していたことを思い出し、かちりと何かがはまるのを感じた。




「イサーン王は恩人だ。

 なにより、彼は賢王だった。俺は表舞台から消えた人間だから、玉座を奪うつもりなど毛頭なかった。

 --そんな兄を弑して成り上がったなど、たとえ血の繋がった親族だとしても許せぬ」


 カリームの目はぎらぎらと燃えていた。


「私怨を除いても、この国で親殺しは重罪だ。

 しかも、彼を失ったことで、この国は数百年分遅れたといえるだろうな」




 ルルーには、大きな歴史のうねりを止めるすべはなかった。


 日に日に集まってくる男たちが増え、さまざまな準備が水面下で進められた。


 それに伴い、こまごましたことや煮炊きを手伝う女たちも増えた。女たちには護身術の訓練もつけられた。


 着いた時はがらんどうだった隠れ家は、人と活気で溢れていた。人が増えれば増えるほど、ルルーの心は寒々しくなっていった。







 それから半年ほど経った頃、王弟カリームを旗印に、人々は蜂起した。


 部隊には煮炊きをしていた女性たちも組み込まれた。


 アヤとカリームは、ルルーを息のかかった貴族の元へ逃がそうとしていたが、ルルーはそれを押し切って同行した。


 護身のためであろう。女性たちにも皆、鎧と武器が配られた。





 王城に押し入るまでは、あっという間だった。


 民は飢えていた。貴族も辟易していた。


 伝え聞く王城の様子は聞くに耐えないものだった。



 為政者としての素質があった筈のルシュディ王子は、ミザリーに言われるがまま税を重くし、民たちから巻き上げた金でミザリーに贅沢をさせていた。


 ミザリーに言われるがまま何着ものドレスを仕立て、彼女の口にこちらの料理が合わぬからと異界の食べ物を再現する研究に莫大な予算が割かれていた。


 老獪な貴族たちですら、王弟カリームの侵攻を止めはしなかった。


 それほどまでに、サーブルザントは様変わりしていたのだ。






 久方ぶりにミザリーを目にしたルルーは、しっかりとつけたはずの仮面が、音を立ててひび割れていく感覚を味わった。


 ミザリーのお腹は目に見えてふくらんでいたのだ。



 悔しさと吐き気がないまぜになって、その場に崩れ落ちそうになった。


 まず捕らえたのは、ミザリーのそばに侍っていた王弟サリームであった。


 サリームは、自らと同じ顔をした青年の登場に驚き、魚のようにくちを開けていた。





 一方、ミザリーの確保には手間取った。


 彼女に近づくと、差し向けた兵たちが寝返ってしまうのだ。その瞳に生気はない。


「やはりな」


 カリームは唇を噛んだ。


「女騎士隊、出動だ」


 煮炊きをしていた女性たちが、ミザリーに襲いかかる。その先頭にはアヤの姿があった。


 今度は驚くほどあっさりと、ミザリーの確保に成功した。


 ミザリーはその美しい顔を醜悪に歪め、呪いの言葉を吐き続けていた。





「魔女め。--貴様、術を使っているな」


 カリームが吐き捨てると、ミザリーはその目にうるうると涙を溜めて彼を見上げた。


「術ってなんのことですか? ミサはそんなことしてないよ......?」


 アヤがさっとカリームの前に立つ。


 カリームは一瞬、虚をつかれたような顔をし、そして頬を赤く染めた。




 そのとき、市民兵のひとりが駆け込んできて、驚くべき情報をもたらした。


 この部屋の奥に隠し部屋を見つけた。そして、その奥にある地下牢に、ルシュディ王子が捕らわれていたというのだ。


 王弟が舌打ちをした。




 地下牢は薄暗く、高いところにある窓から落ちてくる夕日が、血のように溜まって見えた。


 ルシュディ王子は、その隅に静かに座っていた。


 頬は痩け、厳しい容貌になっていて、ルルーの知る彼とは別人のようであった。



 ルシュディ王子は、地下牢に現れた面々を見てほっとしたように顔を緩めた。


 そして、ルルーの姿を見とめると、目を見開き、ふらふらと立ち上がって檻をがしりと握った。


 そうしてルルーの顔に手を伸ばし、なにかにはっとしたように止めた。


 その目は赤く、ルルーは困惑した。






 数日が経ち、ルルーとルシュディ王子の面会の場が設けられた。彼からの申し入れだった。


 アヤが、「断ってもいいのですよ」と息巻いていたが、ルルーは承諾した。


 付き添いは三人だけだった。アヤとカリーム、そしてなぜか義妹のワルダ。




「まずは、すまなかった。--君が無事で本当によかった」


 ルシュディ王子は、頭を深く深く下げた。


「で、殿下......。どうかお顔をお上げください」


 ルルーがそう呼ぶと、王子はなぜだかとても傷ついた表情をした。


「年の近い甥のために俺から言っておこう。ルシュディは操られていたのだ」


 カリームが苦々しげに言った。


 ルシュディ王子はうなだれ、アヤとワルダはつんと顔を上げる。


「俺も穴蔵暮らしが長いからな。

 教育を受けていないので詳しくは知らぬが、異界からの召喚者には、特異で強大な魔力が宿るという。

 ミザリーの場合は、魅了の力であったようだ」


「魅了?」


「あぁ。異性を強制的に恋に落とし、自分の思うがままに操るという厄介な能力だ。

 ミザリーがこの世界に『落ちてきた』とき、最初に見つけたのはルシュディだっただろう? 目が合うだけでも魅了状態に陥るらしい」


 ルルーは何も言えずにいた。


 ミザリーを愛していなかったという安堵と、婚約破棄を突きつけられた時の悲しさがぐちゃぐちゃに混ざっていて、仮面をつけるのに失敗した。


 ほろり、と涙がこぼれ出す。


 すると、雨がぽつぽつ降るように、涙もまた止まらなくなった。


 アヤとワルダがなぜだか男性二人を睨めつけ、彼らはびくりと身を縮こまらせた。




「--君を無情にも追い出してしばらく経ったころ、行商の者が城にやって来た。

 王都に近い砂漠でペンダントを拾ったが、これは貴族のものではないか、と」


 ルシュディ王子は、胸元から煙水晶のペンダントを取り出した。


 確かにちぎれていたはずだが、それは拙くも修復され、彼の首元に大事そうにかけられていた。


「これを見た瞬間、胸の中でぱちんと何かが弾ける音がした。

 それまでの僕は、眠ったまま、誰かに身体を無理やり動かされているような感覚があり、それでも、どうしても受け入れられないことはなるべく抵抗してきたという状態だった。

 それが消えて、--頭の中にあった靄のようなものが晴れ、身体が自由に動くようになったのだ。

 最初に溢れたのは涙だった」


 ルシュディ王子の目には、今この瞬間も涙が浮かんでおり、すぐにでも溢れてしまいそうな状態だった。


「その頃にはすでに父は殺されており、君にも自ら追放を言い渡していて、頭の中が真っ白になった。

 なんとかミザリーの捕縛を言い渡したが、誰も僕の話など聞かず、気がついたら牢の中だった」

「それじゃあ、ミザリー様のお子は......」

「僕とあの女の子どもなどではない」


 ルシュディは慌てて否定した。


「ルシュディは半年牢に入っている。

 なにかに利用するつもりだったようで、きちんと食事も出されており、その記録があった。

 君が心配するようなことはない」


 カリームが言った。




「サリーム殿下のお子ということ?」


 それまで黙っていたワルダが口を開く。

 ルルーと同じ、深い青色の髪をしているが、その目は苛烈な薔薇色をしている。


「いや、そうとも言えぬ。なにしろ、護衛から取り巻きまで、皆が魅了されていたからな」

「--汚らわしい」


 ワルダが吐き捨てるように言った。


 それから彼女はこちらに向き直る。


「お姉さま、だから言ったでしょう? 王家なんかに嫁ぐのはやめなさいと。

 現にこうしてごたごたに巻き込まれているではありませんか」


 ルルーを見つめるその目に、憎しみは見当たらない。


 呆れと心配が入り交じったような瞳に、ルルーはふと、そういえば義妹と話す時は、怖いのと劣等感とでいつも俯いていたなと思い出す。


 完璧な仮面など、つけられていなかったのだと、今さら気づかされた。




「ワルダお嬢さまのことは、私も誤解していました。--まあ、普段の物言いがきついですからね」


 アヤがぼそりとつぶやく。


「でも、ワルダはルシュディ様と結婚したがっていたでしょう?」


 ルルーが聞くと、ワルダは顔を真っ赤にして怒り出した。


 そういえばこの子は、幼い頃、こんなふうな表情でよく怒っていたと、ルルーはふと思い出した。


「わたくしはそのような軟弱な男には興味はありません! 以前もこれからもです。

 --ただ、母と父が、勝手に盛り上がっていて。

 止められなかった責任はあります」


 そう言うとワルダは俯いた。


「--私、色々と誤解をしていたのね」


 ぽつりと言葉が漏れた。


 色々なことがありすぎて、理解が追いつかないし、まだ泣きたい気持ちでいっぱいだ。


 でも、--元気なふりをしよう。


 ルルーは、そう決意した。




「ワルダ、気づかなくてごめんなさい。たくさん心配してくれたのね。--ありがとう」


 ルルーがまっすぐにワルダを見つめると、彼女は目を見開き、それからぼろぼろと泣き出した。


 ルシュディ王子と婚約するよりもっと前、ふたりともまだ小さかった頃は、確執などなく、いつでも一緒に過ごしたことを今ごろ思い出す。


 ワルダはいつでもルルーの後をてくてくと着いてきて、ちょっとしたことで泣き、怒り、それでもかわいい妹であった。






「ルルー。君に提案がある。もう一度、王妃になってくれないか」


 そう言い出したのは、ルシュディだった。


 ルルーの心臓がどくりと跳ねる。


 だが、後に続いた言葉によって、その心は絶望に塗り替えられた。


「王位はカリームのものだ。

 自分の所業ではないが、ここまで噂になったことを消すことはできまい。

 国のためにも、私は王位継承権を放棄する」


「ルシュディ、なにを--」


 そう言ったのはカリームだった。


 寝耳に水だったようで、猛禽類を思わせるその鋭い瞳をまんまるく見開いている。




「まあ、それが妥当でしょうね」


 ワルダが言い、アヤは押し黙っている。


 ルルーは、まだ残っていた仮面のひとかけらを剥ぎ取った。


 感情がより集まって、激しく燃えていた。



「お断りします。カリームには想い人がいるのですよ。あなたが決めることではないでしょう?」


 カリームはぎょっとして真っ赤になり、アヤは真っ青な顔をして固まってしまった。


 ルシュディにこのような冷たい目を向けたのは初めてだった。虚をつかれた顔をしている彼の様子に思わず笑みが零れる。




「ねえ、ルシュ。あなた、本当は私を試したのでしょう。愛情を確認したかったのではなくて? 」


 ルルーの言葉に、ルシュディはさっと顔を赤らめる。




「お姉さまにあんな仕打ちをしておきながらよくもぬけぬけと!」

「ワルダお嬢さま、この男こそ砂漠に放逐するべきでは?」

「二人とも待て。ルシュディは操られていたのだと言っているだろう?」


 にわかに周囲が騒がしくなったが、ルルーには聞こえていなかった。


 彼女の胸にはかつて彼に告げられた言葉が蘇り、自然と笑みが零れていた。


「私、あなたの愚かなところが愛しいって思えるようになったわ。--何があっても離れません。ルシュが何よりも大切だから」








 それからしばらくして、新たな王と王妃のお披露目が行われた。


 新王カリームはイサーン王の弟だという真実と、双子の弟による暗殺を恐れて隔離されていたという作り話とが公式に発表された。


 王妃は、かつての英雄イトゥーの末裔であり、そんな彼を支え続けた献身的な女性という触れ込みだった。


 心配されたのは身分差だったが、放逐された王太子妃候補・ルルーの実家が後ろ盾となったことで磐石な地位を得た。







 だが、その史実を捻じ曲げた者たちがいた。


 サーブルザント王国の政変から数十年が経ったころ、とある劇が流行した。それは政変をモチーフにしたものだったが、結末は史実とは異なる。



「自分の夫とお姉さまをくっつけてしまって良かったの? たとえ、劇とはいえ」


「いいのです。お嬢さまの居るべき場所に収まったという負い目がありますし......

 それに、お嬢さまの名誉を回復しないままになるほうが許せません。

 ああ、ほら、もうすぐ魔女の断罪のシーンが始まりますよ? ワルダお嬢さま」


「あなたねぇ、もうわたくしより身分が上なのだから、その呼び方はやめなさいよ」






 魔女ミザリーは、父親が誰とも知れぬ娘を産んだ。それは双子であった。


 髪色こそ黒であったが、それはミザリーの色でもある。土魔法などを受け継いでいれば、王弟の子どもだと確定できるだろう。



 出産までは魅了の効かぬ同性で周囲を固められ、子どもを取り上げたあとは、身一つで砂漠に放逐された。


 子どもに罪はない。監視をつけた上で、一人は商人の養女に、もう一人は下級貴族の養女とされた。


「お嬢さまにしたことを、そのまま返しただけです」


 王妃アヤは不敵に笑った。


「あら。でも、ルルーには万全の装備をさせていたでしょう? なにか王城がきな臭いと感じ取ってからは」


「ええ。--そういえば、宝石菓子を縫い止めるというのはワルダ様が指示したのでは?

 一介の侍女にはそのような高価なものを用意することはできません」


「あの女は、なんの装備もなしに、どこまで持つのかしら?」


 ワルダは妖艶に笑う。


 歳を重ねてもなお、その美貌は健在であった。


「でも、あの女には魅了の魔力があります。

 たとえば行商の者などをたぶらかせば、あるいは......」


 アヤもまた笑みを浮かべた。








「わたし、死ぬのかしら」


 ミザリーは、氷に片脚を突っ込んだまま、動けずに居た。


 出会う男たちを魅了して逃げ続け、ずいぶんと遠くまで来た。


 水でできた幽霊のようなものにずっと見張られていて、ようやく撒いたと思ったのに。


 誑し込んだ男には苛烈な恋人が居て、ごろつきをけしかけられ、森の奥に逃げ込み、気づいたらこのざまだ。


 最初に落ちてきた砂漠の王国とは違い、ここは随分と寒々しい。




 ミザリーはただ、たくさんの人に認められたかっただけだ。


 かわいいねとか、好きだとか、肯定してほしかった。それは、元の世界にいたときから変わらぬ、ささやかな希望だった。


 孤独でちょっと痛いところのある顔のいい恋人を言葉巧みに囲いこんでいたのも、動画配信のために心霊スポットに通っていたのも。


 あぁ、あの山にさえ行かなければこんなことにはならなかったのに。




 ミザリーの意識が飛びそうになったときだった。森の奥から声がした。


「ふうん、お前、面白い力を持っているのね」


 それは男とも女ともつかぬ声だった。頭の中に直接入り込まれているような、不快感があった。


「それに、そのねじ曲がった性根! 気に入ったわ。妾のところで仕事をしてみないか?」


 ミザリーには抗うすべはなかった。


 気がつくとミザリーは、荒れ果てた城に倒れていた。


 蜘蛛の巣が張り、不潔で、ぼろぼろの古城。


 身体が重たい。割れた鏡を見つけたミザリーは、自分の姿を見て悲鳴を上げた。


 そこには年老いた醜い魔女のような女がいて、ミザリーと同じ動きをしていたのだった。




「おまえには、悪役を作ってもらうのだよ。私のかわいい人間たちが、団結し、成長していくためのね。

 私の選んだ娘に、おまえの作った娘が勝てたなら、そのときは何でも願いを叶えてやろう」










 劇が終わり、人々は席を立った。王族席には、2人の女性がまだ残っていた。


「そういえば、お姉さまの様子はどう? 鷲でやりとりしているのでしょう」


「ここからずっと遠く、人魚の国に落ち着いたようですよ。

 さすがに鷲も飛べぬ距離なので、もう何年も前に出された文が、先日届きました」


「そう。実は、わが家のルーツは彼の国の方ではないかと言われているのよ。

 ほら、こんな髪色、サーブルザントには居ないでしょう?」


 ワルダは、姉と同じ深い青の髪の毛を、ひと房つまんで見せた。


「--もう会えないのかしら」


 ワルダが俯く。


「この国の地下に、イトゥーが残した隠れ家があります。

 本当はそこに住んでもらいたかった。近くに居てほしかったです......」


 そのときだった。


 かすかに声が聞こえた。今ではもう誰も呼ばぬ、アイーシャ王妃の真名、異界の響気を持つ、アヤという名を。


 王妃ははっと顔を上げて辺りを見渡した。



 ほとんどまばらになってしまった観客の中、王族席を見上げる家族が居た。


 ワルダも気づいたようで、瞳をうるうるとさせる。


 身なりこそ商人のそれだが、溢れ出す気品に、優美な仕草は間違えようもなかった。


 いつも穏やかな淑女の仮面を被っていた少女は、幸せそうにほほ笑んでいた。



















完結済の他作品『砂の王国と滅びの聖女』『はずれ王子の初恋』と合わせてお読みいただくと、繋がる部分があります。


更新情報はTwitter(@Rinca_366)にて。実用書作家でふだんは時間術や家事術、ノート術を呟いています。

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