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第零話 プロローグ
「ねーさん、入るよー。」
「ああ、入ってくれ。」
ガチャ。
「お茶持ってきたよ。」
「そこに置いてくれ。」
やっぱり姉さんの部屋はよくわからないや。
イオは杖しか使わないけど世の中、いろんな魔術の種類があるんだなぁ・・・。
「それじゃ、研究頑張ってね。」
ガチャ。
「ああ・・・。おい、イオ!ちょっと待て!ドアはそっちじゃない!」
え・・・?
眩しい・・・!
なんだ・・・?
これ・・・!?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「おーい、嬢さん。そんなとこで何やってんだー?」
ここは・・・。
「見ない顔だけど、こんな村になんの用だい?」
「え・・・、あっ、その・・・。」
「なんか事情がありそうだな、まぁうちに来なさい。」
周りを見回してみても見たことのない景色。
おそらく、姉さんの部屋でのあれが原因だろう。
とりあえず帰らないと。
幸いにも杖はある。
魔術が使えるだけでだいぶ変わってくるだろう。