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明日世界が終わる日の今日  作者: イルミネ
最終章
26/26

明日世界が終わる日の今日

最終話です。心してお読みください。

ねえ、もしも明日世界が終わるなら君は何をする?


こんなありきたりの問いかけの答えを、真剣に考える日が来るとは思わなかった。そして、その答えを出さなくてはならない日が来るとも思ってなかった。


わたし、は…


▽▼▽▼▽

「…廉、今日ちょっとだけ会える?」

今日は土曜なのでもともと学校がなく、さらに昨日の本能的な悪寒から、廉に電話をかけた。

来てくれるだろうか。そんな不安は杞憂に終わり、躊躇いなく、会えると言ってくれた。

時間と場所、湊音も呼ぶつもりだということ、それから伝えたいことがある、と伝え待ち合わせることにした。


電話を切ると同時にかけ直す。次ぎは湊音に。


「ねえ、湊音、今日ちょっとだけ会える?」


▽▼▽▼▽

場所は駅前の広場。以前クリスマスダブルデートで待ち合わせた場所。

二人とも来てくれるそうだ。


日頃時間ギリギリの湊音は、今日は廉より早く来ていた。

ぎこちない世間話をしていると廉も現れた。


「来てくれてありがとね。あのね。」


思っていることをすべて言葉にした。

自分がもうじき母のあとを追う予感、昨晩の不思議な感覚、廉への感謝、湊音への感謝、全部全部言い終えるまで二人共黙って聞いてくれた。


昨晩の不思議な感覚は二人にもあったらしく


「俺も、思ったよ。多分今日が最後って。だから、、紬に会おうと思ったんだ」


「わたしもよ。家族と過ごすのも大事だけど、私は、紬、貴女が好きで大切な存在だから。」


二人の言葉を聞いて、涙が溢れた。

嗚咽をこらえながら、ありがとうと、ただありがとうと言い続けるしかできなかったし、それが本心だった。


それから日が暮れるまで3人で話した。

叶わないけどやりたかったこと

「俺ね、1回でいいからスカイダイビングってやってみたかったなぁ」

今からでも出来そうなこと

「わたしね、どうせ死ぬならお菓子食べまくりたいわ〜カロリーとかも気にせずさ〜」


不可能なこと

「そういえばさ、私、湊に、アイツに言い残したこといっぱいあるわ。」


思い思いくちに出せば、叶う気がして

色々なことを話した。


ふと、同時に空を見上げる。


もう、来る。


「…じゃあ、、また後でね」


そう言って、返事を待つまもなく、眩い光に包まれた。とても熱く温かく優しい光だった。


▽▼▽▼▽

『紬、』


名前を呼ばれた。懐かしい声だ。聞きなれた、大好きな声。


『お母さん…!』


今度は迷いなく駆け寄り、母に抱きついた。それはとても長い時間だったかもしれないし、一瞬のことだったかもしれない。母に会えたということが時間を忘れるほど嬉しかった。

母は何かに気づいたようで、私の肩をちょんちょんと叩き、あっち、と指を指す。廉の湊がそこには居た。

「廉…!湊…!」

名前を呼び思わず走り出しそうになった。しかし。どうしていいかわからず母を見る。

「行ってらっしゃい」


「…!ありがとう」


家族も大事だが、同じくらい彼氏や友だちも大切。それをわかってくれた母。

「紬!」

呼び止められ足が止まる。

「よく頑張ったわね!」

母のその言葉に不意に涙がこぼれた。

誰かに肩を叩かれる。

振り向けば、湊音だ。


「紬が泣いてる気がして。走ってきちゃったよ。」


涙を拭いながら、親友のお出ましね、なんて言ってみる。


「よくそんな恥ずかしいこと言えるわ。否定はしないけど。」


どちらからともなく笑い出す。私の、私たちの世界は終わってしまったかもしれない。でも終わりの世界でまた笑い逢えている。いまはそれでいいじゃないか。

ふと見れば、母さんと廉、湊は同じところにいた。いつの間に、とは思ったが走り出す準備は出来ている。


「行こう!紬!」

「うん!」


手を取り駆け出す。

もう終わってしまった世界の向こうへ。

改めまして、

これでこの作品『明日世界が終わる日の今日』は完結となります。

拙い文章、不定期な更新にも関わらず、ここまで読んでくださった皆さま。本当にありがとうございました。

また、今回、バッドエンドの中のハッピーエンドを書いたつもりですが、人によっては後味の悪い作品となってしまったかと思います。

またまだ精進していきますし、次回作の予定も有り有りですので

良ければ、また思い出した頃に私、イルミネの作品を読んでいただければと思います。

繰り返しの長文になってしまいましたが、もう一度だけ。


ご愛読ありがとうございました!!

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