明日の世界の
前回同様、人によっては後味の悪い話です。
ご理解願います。
母によって空いた病室を埋める様に、続けざまに一ノ瀬湊が倒れた。
同じく重体で、しかし熱に弱い分進みが早かった。
今度は湊音が献身的に尽くしたが、どうも長くもたないらしい。
▽▼▽▼▽
「ねえ、湊音。」
「どうしたの?」
「俺ね、多分明日が最後だ。」
「…そう。」
「湊音。九十九湊音さん。」
「なに?改まって。」
「好き、です。」
「…知ってる」
「大丈夫だから、さ、泣かないで?」
ぐずっ。ぐずっ。涙は止められない。
「あんたが居なかったら、、百にならないの…よ」
「そうだね。 でも百から一を引いた白にはなんでも描けるよ。」
「…へりくつよ」
「そうかもね。」
「ねえ湊音。好きだよ。」
「うん。」
▽▼▽▼▽
ちょうど日付が変わる頃、一ノ瀬湊は引き取った。
あとを追うように、彼のスパイクやボールが太陽光で風化劣化し光に包まれながら朽ちた。
彼が痕跡はほぼ無くなってしまった。
その影響か、廉くんは明らかに調子が狂ってしまった。それまでの優等生の面影は亡くなっていた。
湊音はもう走り出せなくなってしまっていた。
私も……。
もうすぐ母や彼のあとを追うことになりそうだ。
確信がある。もう『次』はない。
廉と湊音に伝え残したことを。
明日。
と、感傷に浸っていると
ありえないほどの光に包まれた。
おそらく、世界中の人々が一様に瞬時に理解した。
明日世界が終わるのだ、と。
これでは、もう本当に後がない。
様々な思いを胸に、各々の最後に向かっていった。
次回、最終話です。
この後味の悪さをどう引っ張っていくか、どういった締め方をするのか。
未熟で拙い点ばかりですが、ラスト1話お付き合い下さい。




