遠くない日の。
昼食にはまだ少しばかり早い時間帯。食堂はさほど混んではいなかった。ポツポツ居る人たちは、部活動が前半なのだろう。もしくは九十九さん同様帰宅がめんどくさいのか。
九十九さんがラーメン定食を頼み、自分は弁当を持って席につく。
以降は、他愛のない会話が続き、不思議とほとんど途切れることはなかった。
「そういえば、九十九さんと紬・湊は幼馴染みなんだよね?」
「そうね。」
「でも、九十九さんだけ電車通学だよね?」
「あー、あたし高校入学の直前に引っ越したの。って言っても、そんな遠くないけどね。」
「九十九さんって、よく食べるよね。」
「…品がない?」
「そんなことは。むしろ、細いのにどこからそんな食欲が出てるのか。」
「でも単純な量で言ったら、廉くんとか湊も大概よ?」
「そりゃ、運動部の男子だからね。」
「ねえ、廉くん。今の話、掘り下げるけどさ。」
「うん?」
「男子が言う、いっぱい食べる女子が好きっていうのは、ただし痩せた子に限るとセットなん?」
「…唐突に男子の闇に切り込んでいくね。否定は出来ないけど。」
「じゃあ、ダイエットしなきゃ。湊にフラれちゃう。」
「…そんなバクバク食べながら言っても説得力ないよ?それに日頃鬱陶しがってても、何だかんだ言って湊、九十九のこと大好きだからねー。本人には内緒ね?」
余計なことを言ってしまったのだろうか。九十九さんの顔が赤くなって、会話が止まる。しかし、箸を動かす手は止まらない。
「照れてる?」
「うるさい」
完璧に照れている。が、本人が否定したところを追及するのは野暮だろう。
「廉くん。お詫びにデートの予定取りつけてきてよ、湊と紬と。」
「んー、いわゆるダブルデートってやつ?」
「…それでいいから。」
「素直じゃないね~。湊と二人でもいいんだよ?」
「な!ば、か!そんなんじゃ…ない…し!」
「はい、ツンデレいただきましたー!」
「…誰徳よ、それ。」
少々強引ながらデートという一つのイベントが発生した。四人で話した結果、やはり時期的にクリスマスデート、駅前の巨大なツリーとその周辺で。
テストが終わったばかり。クリスマスはまだ2週間ちょい先。だが、そんなのはあっという間だ。
思い浮かぶ未来はそう遠くない。
どーも、イルミネです!
最近好きな漫画を買ったのですが、そこで面白い台詞が出てきたので、使わせてもらいました(笑)
どこか分かった人は同志だ。