世界の終末とか、まだわかんない!
朝、何気なく見ていたニュースで誰かが言っていた。
『世界終末時計が残り30秒を示しました。』
もし仮に、世界が終わるとしたら。
それが、一週間後だったら。半年後だったら。3年後だったら。
もしくは、それが明日だったら。
私は、今日、何をするのだろう。
最後の瞬間は、どこで、誰と、何をしていたいのだろう。
20xx年、世界終末時計が残り30秒になってしまった以上、世界の終わりは遠い未来じゃない。
いや、確かにそう遠くはない。けど、一介の高校生である私-清水紬が今すぐ考えなきゃいけないことでもない気がする。それにまだ少しばかり猶予がある。
-考えても仕方ない、それより早く出なきゃ遅刻しちゃう!と、私は顔を大きく左右に振って出来るだけ元気な声で言った。
「いってきます!」
通学鞄と短めのポニーテールを揺らしながら、少女は快活に走り出した。
校門に着いたときには、少女の息は切れていた。
(間に合っ..た。ギリギリセーフ!)
呼吸を整え、校門を通りすぎようとしていたとき。
「紬~、おっはよー!」
明るく長く艶のある茶髪少女が飛びついてきた。
誰なのかは声で判っていたが、それ以前にこんなことをしてくるヤツは一人しか知らない。
「あの、、どちら様?」
呼吸が乱れてる時に飛びついてきた罰だ。ジョークを突きつけてやる。しかし、相手はすぐに理解したようで。
「ぃや~!紬がいじめる~!」
と言って、私の頭をグリグリしてくる。
「いたい痛い、湊音、ギブギブ!」
相手の手の甲辺りをタップする。そして、少女が問う。
「私の名前は~?」
私が答える前人気自分で答えた。
「私の名前は、九十九湊音!あんたの幼馴染みで親友でしょーが~!」
名乗ってから二度ほどグリグリして、手を降ろした。
「あんた、親友とか自分で言っちゃう?」
「言っちゃう」
「ふーん。あ、おはよー。」
「遅いわよばか。」
軽口を叩きながら、私-紬と親友-湊音は教室に向かっていった。