魔法使いの進む道
“第一章”
町が静まりかえり辺りが闇夜に包まれたころ、
ゼミ帰りの二人の高校生がいた。
男達が駅に向かいながら人道理のない路地裏を歩きながら話している。
「なぁなぁ知ってるか?
また例の残酷な殺し方する殺人鬼が現れたらしいぞ」
男がスマホを取りだしもう一人の男にそのニュースを見せた。
最近話題になっている
「殺人鬼、神出鬼没で颯爽登場(笑)」
と言うのが人気ワードとして出てくる。
つまらない日常を送っている人々に刺激的で興味本意で見てしまうのだ。
「うわ~マジかよ!
マジ怖いわ~」
「次はお前がやられるかもよ」
「そう言うのマジ無理だわ~
犠牲者になるとかマジでやだわ~」
男たちが他愛のない話をしながら歩いている。
自分達が犠牲にならない限り……
ザク!
ブシュー!!ポタポタポタ
ドン、ガタ、バタ。
カタカタカタカタン
後ろからいきなり何かが通って行った。
スマホを持っていた男が、スマホをおとした。
「おっ、おいスマホ落としたぞ。
画面にでもヒビが入ったら金かかるぞ」
男が話しかけても返答がない。
男がスマホを取ろうとして地面を見たら、スマホが赤色に染まっている。
そのスマホは生暖かった。
「これは血。血だよな?血って言うことは」
男は怖くなり歩こうと足を進めようとしたら何かに当たった。
恐る恐る当たったやつを見たら、スマホを持っていたやつの頭だった。
「¢£*¢§@£$#¢§&§*!!!!」
男が動けずにいた、いや動けなかった。
目の前の現実が全て嘘や夢のように見えた。
男はさっきまで話していたことを後悔している。
顔を上げると例の殺人鬼が居た。
獣みたいな奴だった。言うならば
“人獣”
殺人に特化された爪、人を喰らうだけの牙。
強靭の足。
「あぁ殺人鬼は居たんだ。俺は死ぬんだな」
スマホを持っていた男を殺した殺人鬼が
もう一人の男向けて爪を振り上げ、
狙いを定めて振り下げようとした時、
ザン!
闇夜を切り裂く光の壁が男を守った。
それは闇の中にある、光輝く物であった。
「たくっ
尊い人間の命をもっと大事にしてやってくださいよ、“魔者”よ」
いきなり一人の男が現れた。
男はフードを深く被って素顔が見えなかった。
「行くぞ魔者!
お前はここで俺が倒す!」
フードを被っている男のネックレスが光輝いた。
「右手には“勝利”を
左手には栄光を!
“シャイニングロッド”」
フードを被っている男が身長くらいある
光輝く杖を取り出した。
「来い!!」
魔者も戦闘態勢に入り、爪で攻撃してきた。
たが、フードを被っている男が杖で応戦して弾き返している。
魔者の隙をつき、魔者を吹き飛ばした。
「これで終わりだ
“我、聖の名の元に、汝裁きを与える
断罪せよ”
“ライトニングアロー”」
杖を自分の前に出し、地面に突き刺した。杖の先端がよりいっそう光の輝き出した。フードを被っている男は手を前に出し、
「行け」
次の瞬間、光が魔者に向かって
光の粒子が魔者の体を包んみ、動きを止めた。
「哀れな魔者よ、最後くらいは華やかに
散れ」
ドン!
「ヴヴゥッゥァァヴォォォギャァッ!!
!!」
光に包まれた魔者が爆発した。
空からは、爆破した光の粒子の欠片が降ってきた。
男はそんなのも関係なく爆発したもとに行き、何か石を拾った。
「はぁ~、
ここまで追い詰めたのにこんだけしか出さね~のかよ」
男が力なく声を出した。
こいつの名は(界光 聖覇)“かいご きよはる”
聖覇たちは“あること”を抜いては平凡な高校に通う高校2年だ。
“あること”聖覇たちは
魔法使いなのである。
魔法とは…通常の人、一般人などが使えない物である。
神秘的な力ゆえに強力な力と超常な力を
使うことが出来る。
聖覇は光の魔法使いなのである。
魔法使いは選ばれたものにしかなれない。
聖覇たちのような物はまだいる。
聖覇たちの先祖に魔法使いと繋がりを持ったものがいる。
そのものたちが子を身ごもってそれが今の聖覇たちに受け継がれている。
魔法使いは、それぞれ先祖の能力が受け継がれている。
さっきのようなものが“魔者”であり
そして魔法使いと闘ってきた相手であり、人間界に危険をもたらす存在を許されないものである。
それは聖覇たちも一緒で魔法使いもこの世界に存在を許されないものである、
たとえ純血ではないが魔法使いの血を引いてる以上この世界には存在を許されない。
そして聖覇が爆破した元に行き結晶を拾っていたのが
“魔血晶”である。
魔血晶は魔者がやられたときに落とす血の結晶。
この魔血晶は魔法使いにとって大事なものである。
魔法使いの能力を強化できる物である。
さして魔血晶は魔者が強ければ強いほど、魔血晶の強化による能力をあげることが出来る 。
そして聖覇たちみたいな先祖に魔法使いと繋がりがあるものを集められた。
組織化されている。
その方が効率がいいみたいだ。
それに一人で闘うよりも都合がいいからだ。
魔法使いにも人数が決められていて単体でやられたら次の代に魔法使いがいなくなるからそれは避けなければならないからだ。
魔法使い同士マンションで暮らしている。
「ふぁ~あ、寝みぃ」
聖覇はまだ眠たい目を擦りながら、食堂に向かった。
「おーすっ~聖
眠そうだね」
「はよ。椛は朝早いね」
彼女の名は(業火 椛)“ごうか もみじ”聖覇の幼馴染みで、炎の魔法使いだ。髪型は腰まであるロングストレートでスカーレットカラーの鮮やかな色だ。
「追い詰めた魔者は結局魔血晶はどうだった?」
「あ~
強化してもあまり上がりそうにないから、服部さんのところで金に変えてきた」
「じゃあ今日何かおごってね♪」
「高いものじゃないならいいけど」
服部さんとはこのマンションに住む魔血晶の鑑定士だ。
魔血晶が必要ないなら、服部さんが鑑定してその場で金に変えてくれる。
そんな話をしながら歩いてると、目の前の扉が開いた。
「私はダメな子なんです!!」
「ちっ違うんだ!俺が悪いんだー!」
中から二人出ていった。
「またやってるよ、あの二人」
「そうだな、まただな」
男の方が(地宮 巌雄)“ちみや いわお”地面の魔法使いだ。
女の方が(木々 咲苗)“きぎ さなえ”森の魔法使いだ。
二人は結婚しているがたまに巌雄が咲苗の地雷を踏んでさっきのようになってしまう。
しばらく歩いていると、食堂についた。
椛が食堂の扉が開いた。
食堂のなかに先客がいた。
「あら、椛はんに聖覇はん、おはよう
椛はんは毎日元気そうやね
聖覇はんは寝むそうやな、はよう寝ないかんで?」
「おっおはようございます。雪吹さん
私元気だけが取り柄ですから」
「はようございます。雪吹さん
昨日追い詰めた魔者の魔血晶が弱かったのがショックであまり寝られなかったんです」
この人は雪吹 冬美
いつも着物を着て銀髪のセミロングヘアーだ。
冷静で周りを状況に合わせて、攻撃、アシストなどをしてくれる、お姉さんだ。
ちなみにこのマンションの責任者だ。
聖覇たちは朝ごはんを食べ学校に向かった。
歩いていたら、
「おーすっお二人さん」
「おはよう佐久真」
「はよ。駿」
こいつは(佐久真 駿)“さくま しゅん”俺の親友である。
「今日の予定なに?」
「現国、数学、理科、国民だよ」
「ありがとう」
「はぁ~授業めんどくせいな~」
1時間目終了
2時3時4時も終了した。
椛と約束したから、かえりに椛が行きたいと言っていたちまたで有名なグレープ屋に向かう途中、違和感を感じた。
「椛、悪いけど中止だ」
「わかっている!速く場所に移動するよ」
「あぁ行くぞ!」
聖覇と椛は魔者のところに向かった。
今までより、強いものを感じる。
場所は廃棄ビル。
「椛、大丈夫か?」
「私は大丈夫だよ」
聖覇たちは手をしっかり握って魔者の前に立った。
「こいつかぁ!行くぞ!」
「うん!」
開戦と同時に繋いでいた手を離し戦闘を開始した。
「体長は8メートル強ぐらいで種類、
“鬼型”太く強靭な腕と足を持つ」
「足を狙っていこうね」
ズドン!魔者が強靭な腕で攻撃してきた。危機一髪で避けれた。危ないこれをくらったら死ぬところだった。
俺たちも反撃した。
「“ライトニングバレット”!」
「業火流“炎舞”!」
ドドドン!魔者に当たった。
「ブゥゥッンォォォ!!!」
叫びながら体勢が崩れた。
「強いな、いまのを喰らって生きているとはな。椛行けるか?」
「なめないでよね。これでも業火の名を持つのよ!わっ、私はまだ行ける!」
口では強がっているが、息が荒れて肩で息をしている。
ヤバイな、シャイニングロッドを使うか。
「右手には勝利を!?
なっ、な、ヤバイ!」
魔者が口から光線を出そうと溜めている。
やばい、これをくらったら死ぬ。
「伏せろ!」
言われるまま伏せたら岩石が魔者に当たった。
「大丈夫か?聖、椛!
どうよ、今のジャストタイミング。俺の岩石砲が唸ったぜ!」
「聖覇君、椛ちゃん大丈夫?動かないでくださいね、今手当てしますから」
咲苗さんが回復能力で傷を癒してくれる。
「巌雄、咲苗さんありがとう」
その間に魔者が空間移動で逃げようとしたとき、
「行かせません!
“アイスロック”!
捕まりなさい、私の氷の上で凍ってね。」
雪吹さんが魔者の足を凍らせ逃げれなくした。
「雪吹さんありがとう」
「礼はあとでいいさかい、聖覇はん、椛はん決めなはれ」
「聖、椛決めろ」
「お二人とも今です」
聖覇と椛が向き合って息を会わせた。
「「“我、光司る者、我、炎司る者
今ここに我、誓う。共に悪を打ち砕くため、我今力を合わそう。
ライトニングバーニングバースト!!
!!!!!”」」
「哀れな魔者よ、最後くらい華やかに散れ」
「戦う相手を君は間違えた。それに負けられない理由がある、私の炎が消されたとしても」
「「魔者に殺された者に幸あれ」」
「ヴヴゥゥンォォォグォォギャァアァァアァ!!!!」
魔者が光に包まれ、激しく燃え上がり消えた。
魔者の燃えカスから魔血晶が戦利品として落ちていた。
「今日の仕事終わった」
「椛今からでもいく?」
「いく!」
「よし行こう!」
そして俺たちの闘いは終わっていく
新たな闘いがあるとも知らないで…
“第二章”
早朝、ある部屋から二人の話し声が聞こえた。
「魔者とは、私たち魔法使いと同様、神秘的な力を持ち合わせておりこの人間界に存在してはならない者。
私たちの先祖である、魔法使いは元々“聖魔界”といった
場所にいた。
でもある日“魔界”に住む魔者たちの襲撃に遭い、聖魔界は滅びかけた。
そして先祖の魔法使いたちが人間界に逃げ込んだ。
今までは、人間界の存在を知らなかった魔者達だったが
最近になって人間界に現れるようになった。
身を隠している人間界の危機を守るため、いま私たち魔法使いは一致団結して魔者達を倒すのを目的にしている。
魔者には色々な姿、知能、ランクがある。
手下で、知能もランクも最下位で一番弱い魔者。
この魔者はゴブリンのような形をしている。
殺戮に快楽を覚えただ人を殺すだけの魔者。
この魔者は人獣姿をしている。次は
人の感情を操り意のままにあつかい、その人間の感情が崩壊するまで操る魔者。
この魔者は悪魔などいった姿をしている。
次は人の中に入り、寄生する魔者。人の体の中で魔力を溜めて徐々に侵食して主導権を奪い自分の物としてしまう。
見つけるのに苦労する。
姿は不明
次は……
って聞いてるの聖覇!?
聖覇のために教えているのに何で寝てるのよっ!」
マンションの資料室で聖覇と椛が魔者の話をしている。
聖覇は自分の腕の上に置いていた顔を上げ、早朝椛に叩き起こされ、寝不足な目を擦りながらふてくされた様に答えた。
「なんだよ、聞いてるよ。
そのくらい分かるよ」
「じゃあ後の魔者の種類言えるの?」
「当たり前だよ、
最後は、魔者組織の四天王と“魔王”。
姿は不明。見たものがいないのか、それとも言葉や絵などには表せないのか。
魔王を倒せば、俺達魔法使いの存在理由が抹消され、
自動的に人間界から消滅され
今まではで関わってきた者たちも俺達の記憶はなくなり、
最初からいなかったように生活が送られていく、
だが本部の言う事本当なのかはわからない。
だったっけ?」
聖覇が椛に言うと椛が少し悲しそうな顔をした。
「私たちは魔王が滅んだらも本当に消えてしまうのかな?」
椛が弱々しく震える声で聞いてきた。
「大丈夫だ。
俺がお前を守ってやるから
心配するな」
聖覇は椛を肩を抱き慰めた。
椛は顔を上げ、悲しそうな顔から笑顔を見せ、
「じゃあ聖覇に何かあったら私が助けてあげるからね!」
「あぁ、ありがとう」
聖覇たちは一時の保らぎを満喫した。
資料室を出た聖覇たちは朝食をとりに食堂に歩を進めた。
廊下を歩いていると、椛が
「今日ってこのマンションに違う支部から魔法使いが来るんじゃなかったけ?」
と聖覇に聞いた。
「あぁ確かそんなこと昨日吹雪さんが言っていたな。
“明日は違う支部から来るさかいなかよぉうしたってな
あとうちは助け合いがもっとうさかいちゃんとしいや”
て言っていたような気がする」
「何時ごろ来るのかな~?
楽しみだねっ。
仲良くできるかな?」
「そうだな。仲いいことに損はないからな」
「ダメだよっ!
損得じゃなくてこれから仲間になるんだから仲良くしなちゃ、めっ!だよ」
「ヘイヘイ、わかったわかった。椛さんの言う通りに」
「もぉー!」
「クス、冗談だよ」
椛は怒り、聖覇を捕まえようとしている。
聖覇は聖覇で華麗なステップで椛に捕まらないよう逃げている。
「許さない!待てー!」
「待たないよ」
聖覇は食堂に逃げながら向かった。
「男なら戦うか、捕まるかのどっちかにしなさいよ!」
「それは今のお前の都合だろ!?」
「そんなこと良いから捕まりなさい!」
結局食堂の入り口で椛に捕まり、首を絞められながら食堂に入った。
「悪い悪い、俺が悪かったからそろそろ外して。
死ぬからこれ以上いくと俺ほんとに死んじゃうから!」
「じゃあ今度あっ、遊びに行こうよ」
椛が頬を赤らめながらぼそっと言った。
「えっ?何か行った?」
「ー!なっな何でもない!
聖のばーかばーか!」
「その辺でやめときぃや。
もうすぐ違う支部から来る新しい住人になる仲間が来るさかい準備しときなさい」
吹雪さんが聖覇たちのじゃれ合いを止めた。
「わかりました、吹雪さん」
「はい」
聖覇たちは朝食を食べ終わった。
「それではここに並んどうて
や」
聖覇たちは言われた通り並んだ。
あとから巌雄、咲苗が食堂に集まり同じように並んだ。
すると、食堂の扉前の床が黒く染まった。
「なっ!なにが起きたの!」
驚きを隠せなくて椛が声を上げた。
黒く染まったところから黒い人影が現れた。
「いちいちそんなことで声を上げるとはこの支部の程度低さがわかる」
その内、黒いのがとれ素顔が見えてきた。
「この子が新しく配属されることになっとる子や。自己紹介頼みますわ」
「ふん、てめーらみたいな三下に教えることなんてなにもねぇ。
てめーらみたいなのと仲良くするつもりも、馴れ合うつもりもねぇ。
俺の戦いの足を引っ張るならてめーらから殺す」
カチーン
吹雪さんの方からなにか聞こえてきた。
吹雪さんを見ると顔はすっごい笑顔だけど、オーラが優しくない。
吹雪さんが久しぶりにキレかかってる。
だって吹雪さんから雪吹出て凄く寒い。
椛にこの事を伝えようと思ったら、椛も椛でキレている。
体から炎がめっちゃ出ている。隣だから熱さを感じる。
「聖覇ぉ~、なにあの子ぉ~
凄くムカつくんだけどぉ~
殺って良い?」
「やめろぉー!
落ち着けよ。な?あいつの言うことなんて気にするな。な?」
「椛はん?
地下のトレーニング場でその子と腕試しに模擬戦でもやって来たらどうや?」
「良いですねぇ~。じゃあ私行ってきますね。
君ぃ~、地下のトレーニング場で私と殺ろうよ」
「椛ー!やろうよが殺ろうよになっているよー!」
「ふん、相手になってやるよ
三下が!」
「もうやめてくれ!」
そんなこと聞かずに地下のトレーニング場に向かった。
「じゃあ、模擬戦始めましょうか?」
椛の声が地下に響いた。
トレーニング場は横幅400メートル、縦幅400メートルで結構広い。
床や壁などには特製の物が使われて、武器でもそうそう壊れない。
「いつでも良いぜぇー!
さぁ始めようぜぇー!」
「武器展開!
“我、業火の一族の名の元に現れよ、“炎神~紅葉~”」
椛の愛刀炎神~紅葉~、刀が紅く輝き、炎を纏っている。
「“全ての者を冥界に送れ。
最悪にして最強、光を飲み込む無限の闇よ、
“デス・ソウル”」
相手はまがまがしい鎌を取り出した。殺戮に特化されて鋭く、漆黒に染まっている。
冷たく邪悪の物を鎌から感じる。
「「行くぞ!!」」
二人は同時に踏み切りカン!
金属同士のぶつかる音がした。
カン!キンカン!カンカン
椛の打ち込みに相手は軽く受け流しながら、応戦している
二人とも一歩も引かず戦っている。
ガキン!!
武器同士をぶつけ合いながら話した。
「どう?少しは認めた?」
「ふっ、笑わしてくれる。そのジョーク笑えるぞ。少し力を入れるか」
「ー!」
「椛ー!後ろに下がれ!」
流石にやばそうだったから、
声を出してしまった。
「行くぞ」
ガン!!ガン!!ガン!!
相手は人が変わったように強くなった。
椛の攻撃を弾き返している。
椛は防ぐので精一杯だ。
「くっ!」
あいつの放った攻撃で椛の刀が飛んで行き、椛は倒れこんだ。
「ふっ!所詮この程度か。
やはり弱い。
弱者に興味はない散れ」
相手は椛の首もと狙い鎌をおろそうとした。
キーン!!
鎌は椛の首に当たらず、光の壁に当たった。
「悪いな。
仲間が死ぬところなんて見たくないし、椛が傷つけられるなんて死ぬことなんて絶対にさせない!椛を傷つけたやつは俺が許さない!!」
「聖」
「貴様かぁー!
俺の殺しを邪魔したのはー!
テメェーを先に殺してやるよ!」
「“我、聖の名において相手を滅する。
現れよ新たなる力
闇の中に煌めく光
“ライトニングネクスト”」
斧、戦斧が出てきた。刃が白く輝きを放っている。
「来い」
聖覇は軽々と持ち、相手の攻撃を無にしている。
「なかなかやるな!だがまだだ!まだ足りん!」
ガン!ギン!ガギン!ガンギン!!
地下の部屋に鈍い金属音だけが響き渡っている。
…………
「ハァハァハァ、まだ行くぞ」
「ハハハ!お前最高だ!だがまだ行くぞ」
トレーニング場の壁は傷つきボロボロになっている。
そんなことお構いなしに二人は戦闘は続いている。
「お前はなんて言うんだ」
「だから言わねーよ」
「闘うときに必要だからだよ」
「は!?意味わかんね。
だが嫌いじゃない
影無 雅“かげなし みやび”だ。
女だ!闇の魔法使いだ。お前は?」
「界光 聖覇だ。
男だ。光の魔法使いだ。
よろしく」
「あぁ!まだ行くぞ!」
「来い!」
……
その内吹雪さんが止めに来て
長時間続いた戦いは終わり、
戦いの間に友情が芽生えた。
“第三章”
「みっ、皆さんご迷惑お掛けして申し訳ありませんでしたっ!
わっ、私ぃ!…あのぉ…そのぉ…
たっ…多重人格なんですっ!
雅ちゃんがやったことは私が謝ります。ほんとにごめんなさい!」
俺たちは吹雪さんに集められ食堂にいる。
そしていきなり謝られた。
咲苗さんや巌夫さんは状況が把握出来ず頭に?マークが出ている。咲苗さんたちは俺らの方を見て
「あらあら何かあったのでしょうか?」
とボソッと聞いてきた。
「俺も知りませんよ」
咲苗と話していると
「そこ、黙りなはれ」
吹雪さんに言われた。悪寒を感じたから話をやめた。
「ごめんなさいね、聖覇君」
「いえいえこちらこそ」
「えーと、影無はん。今度は
“真那”の方でよろしゅうお願いします」
「はっ、はい!
私は“影無 真那”(かげなし まな)です!えと、その、あっ、あの!よろしくお願いします」
俺と椛は唖然としてしまった。これがあれになるのか。
まぁ確かに雅とは少し違うところがある。目とか丸くて大きめの感じて髪型が真那の方が女の子っぽい。
「今までの話を聞いた状況を説明すると、
影無真那が本当の性格で、
影無雅が偽物と言うこと?」
椛が真那に聞くと、
「違います!雅ちゃんの事そんな風に言わないでください!」
真那が強気に言った。
しばらくその場の空気が沈黙した。
真那は小刻みに震え、目に涙を貯め、
「ごめんなさい、椛さん!私今失礼なことを」
真那は何回も謝った。
「いや、私が悪いんだし謝ることないよ。私の方がごめんなさい、雅のことを偽物だなんて…
それはそれで何で私に対して怯えてるのに聖は大丈夫なの?」
真那は聖覇の後ろに隠れている。
「それは椛が怖いからだよ」
「うるさい聖覇!」
「すいません、黙ってます」
「で、何で私に対して怯えてるのかな?」
椛が真那に問い詰めると
「えっと雅ちゃんが聖覇さんの事を認めたので、雅ちゃんが人を認めたことがないから認めたと言うことは、聖覇さんのことを信用できるからです」
真那が素直に答えた。
聖覇は照れ、人差し指で頬を掻いている。
またしばらく沈黙を保った。
真那は慌てて
「私また変なこと言ったでしょうか!?」
何故か真那はまた挙動不審になっている。
「いえ、真那は何も変なこと言ってないよ」
椛が笑顔でフォローしたけど逆にその笑ってるようで笑ってない笑顔が怖い。
何故か殺気を感じた。
「あんま私の可愛い真那をいじめないで欲しいな、聖覇」
どこからか聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「誰だ!」
「いちいちそんなことで騒ぐなんてやはり三下だな!!」
「その嫌みな言い方は…」
「「雅か!!」」
「どうして声だけなんだ?姿を表したらどうだ?」
「私もしたいんだけど、本意識は真那が主導権を握っているから、真那が変わろうと思ったときにしか変われないんだよ。だから普段は真那の中にいるけど、声だけは出せるんだよ」
真那のなりで雅の口調。すげー違和感がある。
「ふ~んそうなんだ。これからよろしくな、真那と雅」
「よろしくお願いしますっ」
「あぁよろしくな」
「しばらくは真那はん、聖覇はんと椛はん三人で行動してくれなはれ」
「「了解しました」」
「♪~~♪♪~」
椛が鼻歌をしながら歩いている。今日はご機嫌のようだ。
「椛どうした?えらくご機嫌だな」
と聖覇が聞いたら
「うん!今日友達と行列のできるケーキ屋に行くんだ!」
椛は甘い物が大好きだからすごく喜んでいる。
「そうか。いってらしゃい」
「うん!」
椛はスキップしながら去っていった。
今日は土曜だから学校もないから暇なのだ。
それに普通の女子高生なら当たり前かもしれない。
再び歩き出した聖覇は、後ろから袖を軽く握られ歩を止めた。
振り返ると真那かな?影無がそこに立っていた。
「あの…きっ、聖覇さんっ」
この感じ真那かぁ
「ん?なんだい真那?」
「私こっちに来て生活用品、家具など用意してないので買い物に付き合ってもらって良いですか?無理なら無理で構いません」
「いや別に良いよ。今日はこれと言って用事もないし良いよどこに行くんだ?」
まぁ暇だし買い物ぐらいなら付き合っても良いな。
「じゃあ、先ずは何買いに行くんだ?」
「はい、組立式タンスと本棚です。あとは料理器具です」
「うん、じゃあ行こうか?」
「ちょっと待ってもらって良いですか?財布と携帯持ってくるので待っててください」
「わかった。食堂にいるから準備できたら呼んで」
「わかりました」
真那は小走りで部屋に向かった。
さて俺も食堂で待ってますか。
数分後食堂の扉が開き、真那が入ってきた。
「すいません。お待たせしましたっ」
「いや、大丈夫だよ。俺も少し用事済ましてさっきぐらいに来たから」
俺はフォローしつつ振り返ると、そこにはさっきまでの服とは違うオシャレしている真那がいた。
純白のワンピースに身を包み、腰にリボンをあしらっている。
正直、普通にきれいで見とれてしまった。
「あっ…あの私の顔に何かついてますか?まんまり見られると恥ずかしいです」
真那が頬を赤く染めもじもじしながら言った。
「あっ、いや~そのまさかそんな服来てくるとは思わなくてちょっと驚いた」
「似合ってませんか?」
真那が不安そうに聞いてきた。
「いや逆に似合いすぎて見とれてた」
「……!!!」
真那の顔が真っ赤になった。
その場が少し静まり返った。
「……」
「……はっ!そろそろ行こうか?」
「はっ、はいっ!」
マンションから数十分のところにあるホームセンターと大型ショッピングモールに行くことにした。
「なぁ真那。お前も雅と一緒で闇の魔法使いなのか?」
「違いますよ。私は光でサポート系の魔法しか使えませんので」
「へ~、でどんなの買うのか決めているのか?」
「はい、それなら大丈夫です。チラシなどで良いなと思うのをチェックしてきましたから」
真那はバックからそのチラシを取りだし見せてくれた。
「どれどれ……フッ!」
「どうかしましたか?なっ、
なにか変ですか?」
「いや別に…何でもないよ」
「教えてくださいよっ!」
言えない、チラシのチェックに何重にも丸を書いて絶対ほしいと書いてあるのがかわいくて笑ったなんて言えない。
ホームセンターに付き、真那が欲しいタンスと本棚を探し会計を済ましてショッピングモールに移動した。
ショッピングモールでは真那が雅に変わって、売り場のおばさんに中学生と言われデス・ソウルを出そうとして大変だった。
「雅、あまりここでそんな物騒なもん出すな」
「はぁ~!あのク○ババが俺の事を中学生って言ったからだろうが!あのババまた言ったら絶対ピーしてピーーピをぶちまけてやる!」
逃げて!!売り場のおばさん!俺は心のなかで叫んだ。
やはり雅の方が目がつり目のきつい感じで髪型が男っぽい感じがある。
「んで、ほかにはなにか必要なもんあるか?」
「俺に聞くな。そんなめんどくさい物真那に聞いてくれ。
ちょっと待ってて」
……
「真那か?」
「はい」
にこやかな笑顔で答えた。
「もうほかにはありません。
ありがとうございます」
「いや良いよ。もう遅いし帰ろうか」
空がオレンジ色に染まり月がうっすらと出て来はじめている。
聖覇は帰ろうと歩を進めたが
「あっ…あの今日手伝ってもらったお礼がしたいので少し付き合ってもらって良いですか?」
まぁそう思ってくれる気持ちはうれしいしお言葉に甘えるか。
「あぁ、真那が良いなら行こうか」
「はい!」
近くにあるケーキ屋に向かう途中、真那がなにか感じたらしい。
「おい、聖覇。ここから少し離れたところに魔者の気配を二つ感じる。あとあの三下だな、急ぐぞ」
「あぁ」
そこに向かうと、椛と椛の友達がいた。
「聖、雅気をつけてその子達体を乗っ取られてるんだよ」
「わかっている。なら簡単だ。相手はたかが人間だ、一発で仕留めてやる」
「やめろ雅!相手は魔者じゃない!人間なんだ」
「知っている!だが他の人間に被害が出る前にこいつらを仕留めておかないと駄目だろ!」
「くっ……どうしたら良いんだ!」
「取り敢えず武器出すか
“右手には勝利を左手には栄光をシャイニングロッド”」
「“全ての者を冥界に送れ。
最悪にして最強光を飲み込む無限の闇よ”デス・ソウル」
「“我業火の名のもとに現れよ炎神~紅葉~”」
「おやおやいいのですか?そんな物騒な物人間に向けて魔法使いさん」
謎の声の主は空で優雅に浮いている。
あれは悪魔型の魔者だ。
「お前かぁ!操っているのは!」
「う~ん正解であり不正解
正で誤みたいだね」
「やはり貴様か一撃で仕留める」雅が地面を強く蹴り鎌で魔者を斬ろうとしたとき、
「良いのかな?」
聖覇はその言葉を耳にして何故か敵である魔者を守った。
聖覇の出した壁に弾かれた雅が着地して聖覇に向け、
「テメェー何してくれてんだよ!あんなやつすぐ殺してやる!」
「雅、落ち着け。あいつを殺したら、あの人間たちはどうする?あのなかに寄生型もいるんだぞ!そしたら人間の内から壊していくぞ」
「ご名答。そうです、あのなかに寄生魔者がいます。私が死んだら、内から自爆です。いわゆる人質ですよ」
「くそ!どうしたら良いんだよ!」
「さぁ魔法使い!悩め悩め答えなど出るわけないがな!」
悪魔型の魔者がケラケラ笑いながらこの状況を楽しんでいる。
そんな絶望的な中、雅がこの状況を何とかしようと寄生された人間を殺そうとするので聖覇がそれを守っている。
椛は友達に武器を向けることが出来ずにつん立ち状態になっている。
「どけ!そこのやつを殺せば終わりだ!」
「やめろー!俺はな、絶対に俺の前では人間を殺させね!
大切なものを全部守りたいんだよ!」
その瞬間聖覇は光に包まれた。その光は眩しくはない。暖かくてほっとする。
「誰かのために力を使うか、
やはり俺の子だな。お前に力を授ける。自分の信じるた道のために使うがいい」
謎の声は聞こえなくなったあと、聖覇が包まれてた光は消えた。
その代わり、シャイニングロッドが光輝いている。
「何だか力がわいてくる。これならいける!“我光集う者、魔を滅ぼし、聖の光を道とせん!”
ライトロード!」
聖覇がそう言ってシャイニングロッドを椛の友達に向けて放った。
友達の下に光輝く道が出来ていた。
「なっなんだ!この光は!」
「ウァー消える!消えてしまう!」
ライトロードは二人に寄生していた魔者だけを消滅させ椛の友達は無事だ。
「凄い…」
「流石聖覇だな」
俺にもわからない。何故あんなことが頭のなかに入ってきたのか。
「これはこれは逃げたほうが万策でしょう。さらばです魔法使い!」
「待ちやがれ!テメェーは俺がここで殺す!」
魔者が逃げようとし、その魔者を追い雅が地面を強く蹴り飛び上がったその時、悪魔型の魔者になにかが貫通した。その魔者はそのまま地面に叩きつけられ呻き声をあげている。
魔者を撃ったやつはさっきのやつより高いところで飛んでいる。
「敵前に逃げるが万策なんてお前バカだろ!?戦って死んでこい!」
「いやだっ!死にたくない!」
「見苦しいな、さっさと失せろ」
出てきた謎の人物は墜落した魔者に何発もの玉をぶち抜いている。
魔者は悲鳴をあげるもお構いなしにトリガーを引く。
悪魔型の魔者が完全に消滅するのを確認すると謎の人物は地面にゆっくり着地した。
男は白のスーツを身に着けていて、その男は淡々と喋りだした。
「すいません、お見苦しいところをお見せして。私は魔界四天王の一人“魔弾のマージ”と申します。以後お見知りおきを。今日は挨拶です。
今度会うときは、殺し合いをしましょう」
マージと名乗る男はにこやかに笑い、空間移動をして俺たちの前からいなくなった。
そのあと、椛の友達は真那の光の魔法により回復し、マンションに帰宅した。
これから忙しくなりそうだ。
………
“魔界”
「四天王マージただいま帰還しました」
「ご苦労、マージ君。地球の様子はどうだね」
「はっ!聖魔界の連中が防衛しています」
「そうか、これから楽しみが増えるな。
くくく、ハハハァァァ!」
“第四章”
俺は椛、雅、吹雪さん達と共に四天王と出会ったことを報告しに魔法使いの本部に向かった。
「うぁ~、でかいな」
「当たり前でしょ。このビルは大手会社なんだから」
そう俺達を束ねている魔法使いの本部は表向きは大会社のビル、だが本当の姿は魔法使いの本部なのだ。
俺達はビルの自動ドアに迎え入れられ、中に入った。
中は流石大手会社だけはあることを物語っている。
螺旋階段を暫し登ると、会議室と書かれたドアがありその前に立ち吹雪さんが、
「第1114番支部、支部長吹雪。四天王と出会った者達も連れてきました」
と言うとドアが開き、俺達を招いた。
「吹雪。お前はここで待機していろ」
吹雪さんはうなずき目で行けと俺達に伝え、俺達は会議室と書かれた部屋に入った。
一歩入った瞬間目の前が光に覆われ、俺は目を閉じて見えなかった。
少しの間閉じていた目を恐る恐る開くと光はなくとある部屋にいた。
左右を見ると椛と雅がいた。
「いったい何が起きたんだ?」
「知らないわよっ!」
「これは空間移動だ。そして俺達が受けた光は記憶探知、
すなわち俺達が本当に四天王と出会ったのか知りたかったんだろ。俺の中の真那は光を受け気絶している」
「何でそんなことされなきゃいけないのよっ」
「たぶん四天王に出会ってないやつがいたら聞かれたらまずいことでもあるんだろ。そうだろ、お偉いさんいや総司令“多摩館”」
暗闇から、左目に眼帯しているがたいの良い紺色のスーツ姿に身を包んだ人が出てきた。
「相変わらずだな雅、俺にそんな態度を取るなんて。俺はお前の父さんなのに!」
「!!!??」
俺と椛は二人のやり取りを聞いて驚いてしまった。
「そうなのか雅!?」
「雅は総司令の娘ーっ!?」
「違う!ただ俺を拾ってくれて父親がわりにしてるだけだ!」
「みぃ~やぁ~びぃ~、恥ずかしがることないだろ。そうそう真那はどうした?」
「真那はさっきの光で気絶している。真那は見てないからな。それそれで近づくなや離れろ!」
多摩館と名乗る男は雅とじゃれあっている。
「うぅん!総司令今日はプライベートではありません。本題にいきましょう」
奥から眼鏡をかけたショートカットの女性が出てきた。
「わかったよ。まずは初めまして、魔法使い本部総司令
“多摩館 宗二”(たまだてそうじ)だ。よろしく頼む」
「私は総司令の秘書“日立 沙羅”(ひたち さら)と申します。よろしくお願いします」
「それでは本題に入ります。
あなた達と出会った魔者は本当に四天王でしたか?」
「はい、寄生型と悪魔型との交戦中に四天王魔弾のマージと名乗る男に出会いました」
「それは本物でしたか?相手の偽装だと疑わないんですか?あなた達はどう思いますか?」
「なっ!あんた私達が信用できないの!?」
椛が沙羅さんに文句を言いに前に出ようとしたので右手で止めた。
「疑いはしませんでした。四天王と名乗ったので。あとは、マージの魔力が圧倒的にそこにいた魔者よりも高かった。それに俺は気迫に負け体が動かなかった」
聖覇がうつむきながら悔しそうに呟いた。
「あなたの感じた感想なんてどうでも良いんです。私が教えて欲しいことは四天王が本物かそうでないかだけです。
余計なことを……」
多摩館さんが左手を軽くあげると沙羅さんがそれに気づき途中で話すのをやめた。
「ごめんね聖覇君。沙羅君は少し敏感なんだよ、許してくれ。あと僕が四天王を見た君たちしか読んでないのは大きな理由があるんだよ。一つがいきなりそんなこと言われたらパニックが起きるから。二つがバランスの崩壊、他空間から強大な力が現れたら、この地球がその力に対応できず自然災害が起き最悪の場合、
地球が爆発する。それを回避するために四天王が来たかどうかを確認している。だから沙羅君がここまで確かめているんだよ」
「そうなんですか」
「まぁ明白な確定は出来ないから保留にしておく」
「そうですか」
「俺も見たんだけど俺の言うことが嘘だと思うんだな」
「よし!信じよう聖覇君!」
「おい親バカ!」
沙羅さんが多摩館さんの頭を強打した。
「まぁ四天王が地球に来たと言うことで善処して考える方針とします。これでよろしいでしょうか総司令」
「うんそれで頼む。あと
1114支部に派遣送るから仲良くしてくれ。あと沙羅君例の物を持ってきてくれ」
多摩館さんは沙羅さんに言うと沙羅さんは金庫からあるものを取り出し、俺達の前に二つの聖魔血晶を出した。
「なんですかこれ?」
「良い質問だね。君達が普通の服装で戦うのには普通の魔者ぐらいならできるだろ。それで魔法使い研究本部が四天王が現れた時の為に実験に実験を重ね作られた魔法使いの叡知、魔法使い服、縮めて、
“魔聖装”だ!これは使う人の能力、力により何倍にも力を発揮する。弱いも強いも己次第だ。聖覇君は白の聖魔血晶の魔聖装、椛君は赤の聖魔血晶の魔聖装だ。使い方は武器展開と一緒のようにしてくれ」
多摩館さんが丁寧に説明してくれた。
「俺のはないのか?」
雅が多摩館さんに聞くと多摩館さんは嬉しそうな顔で言った。
「雅と真那の分ももちろん用意している。ちゃんと見てくれ!」
多摩館さんは紐を引っ張ると天井から黒のドレスと白のドレスが出来た。
「黒は雅、白は真那だからちゃんと二人で分けてくれ」
多摩館さんはドヤ顔しながら反応を待っている。
雅は口を開け、白くなっている。
「雅ぃ~オーイ雅~!」
俺は雅の肩を少し揺らすと、
雅は我にかえり顔が赤く染まっている。
「テメーくそじじ!はっ、恥ずかしいことするなよ!普通に聖覇達と一緒の物出せ!」
「おいおい恥ずかしがらずに素直に喜べよ。お父さんは雅と真那が可愛くいてほしいんだよ」
雅は顔が今までにないぐらい赤くなり、例の鎌否デス・ソウルを出し黒のドレスを斬ろうとする。
「ごめん雅!冗談だからやめてー!」
多摩館さんは胸のポケットから黒と白の魔聖装を取りだし雅に渡した。
「総司令、そろそろ時間です」
「そうか、すまないこのあと会議だから今日はありがとう。また機会があったら話そう」
「わかりました。失礼しました」
俺達はドアの部に手をかけ会議室から出ていった。
「本当に良いのですか?なんな子供たちに任せて」
「私は思うんだよ。子供たちにこんなことを望むのは…
ただ彼らの可能性にかけたいのだよ」
今日は多摩館さんが言っていた、派遣の人が来る日だ。
俺達は食堂に集まり待っていた。
すると食堂の扉が開き、二人が入ってきた。
「“風巳鳥 芹香”(かざみどり せりか)と申します。
年は皆さんと同じです。ふつつかながら対四天王で派遣されました。風の魔法使いです。よろしくお願いいたします」
背が高くモデルみたいな体型をして黒髪の三編みだ。
俺達から見ても大人びている。
「私は紫電、“斑雨 紫電”
(むらさめ しでん)。雷と雨の魔法使い。よろしく」
もう一人とは対照的にまだ発達途中だ。
ショートカットの金髪だ。
「もしかして属性変わると真那や雅の様に性格も変わるのかな?」
椛に聞くと
「本人に聞いてみたら?」
ですよね。当然の返答が返ってきた。
「紫電は属性変わると性格変わる?」
「??」
紫電はきょとんと首を傾けなに言ってるの?と言うめで見てきた。
「おほん、ほなこれからよろしゅう。
あとこれからは四天王対策でチームで行動してほしいのでそのチームの振り分けを発表します。聖覇、椛、真那、芹香、紫電のチーム。私、巌雄
、咲苗のチームで行動してね。解散」
巌雄さん、咲苗さんは自分の号室に戻った。
俺は派遣された芹香と紫電の二人をつれマンションの紹介をした。
「ここが魔血晶鑑定の服部さんのいる階」
マンションの二階にいる。
「よろしくお願いしまいます服部さん」
「よろしく服部」
芹香と紫電は挨拶をした。
服部さんはペコリと頭を下げた。
そして服部さんと別れて次に向かった。
「ここが俺と椛のいる階。
困ったら相談しに来て良いよ」
「わかりました」
「わかった」
そして巌雄さんと咲苗さんの階を紹介をし、芹香たちの部屋の階に連れていった。
「ここがこれから芹香と紫電の部屋となる階、雅もこの階の住人だから仲良くしてくれ」
「よろしくお願いしますね真那、雅」
「よろです真那、雅」
「あと今から部屋認証するから扉の横についている魔方陣に手を付けて」
芹香と紫電は言われた通りに手を魔方陣に付けた。
「ニンショウ、マホウツカイトウロク、カザミドリセリカ
、カゼゾクセイ、ニンショウカンリョウ」
「ニンショウ、マホウツカイトウロク、ムラサメシデン、
カミナリ、アメゾクセイ、
ニンショウカンリョウ」
魔方陣の声が消えると、魔方陣が鍵の形になり自分専用となった。
「広いですね。独り暮らしには少し大きいですね」
「オー広い!」
芹香と紫電は自分の部屋に入りそれぞれ部屋を見回った。
「それじゃおすすめのところに行こうか」
俺が芹香と紫電を呼びエレベーターで屋上に向かった。
その階に着くと自動ドアが開き俺達は足を踏み入れた。
そこに広がるのは芝生や花畑に囲まれた華やかなガーデン。
ここから見る景色はそこまで悪くない。
「いい景色ですね、風が心地いいです」
「お~高い」
「でしょ?ここの景色は好きなんだ」
「あぁ俺はここの景色は好きなんだ。この町を魔者に破壊されるのは嫌なんだ!
だから俺は魔者を倒す!これが俺の願いだ」
「いい心がけですね」
「私も協力する」
……
なんだ?今すごく嫌な感じがした。
いきなり非常口のドアが開き巌雄さんが
「大変だ!大群の魔者が現れた!急いでロビーに行くぞ!」
「何で!?」
俺達は非常口のドアからすぐにロビーに向かった。
「来たか。大群の魔者が現れた。これより対処に向かってくれなはれ。聖覇はんたちの班は向かってくれなはれ。あとの対処はうちらがやるさかい行けなはれ」
「よし!みんな行くぞ!!」
町外れの廃墟ところから魔者の大群がわらわらと出てきた。
「行くぞ右手には“勝利”を左手には“栄光”を“シャイニングロッド”」
「我業火の名の元に現れよ炎神~紅葉~」
「全ての物を冥界に送れ。最強にして最悪光を飲み込む無限の闇よ“デス・ソウル”」
「風の導きに身を宿した天空の柱“セリカスカイ”」
「嵐の調“ヴォルトレビン”
」
芹香の武器は弓だ。
紫電の武器はリボルバーの二丁拳銃だ。
前衛に俺、椛、雅。後衛に芹香と紫電だ。
「町に一匹たりとも入れるなよ」
「「うん!」」
俺、椛と雅が先陣をきり魔者達を切り刻んで行く。
「断罪せよ“ジャッジメントゼロ”」
聖覇のしたから光が広がり光にの上にいる魔者達に錠をかけ爆破した。
「くらえ!業火流“炎舞”」
椛の一振りが放った火柱で魔者達を焼き払った。
「冥界への門。ヘル・ザ・ゲート」
雅の立っているところから黒い物が広がり黒い物に触れた魔者達闇に引き込まれた。
前衛で戦っていた俺らの隙を付き二等級魔者達が町に出ようとする。
だが
「天空の柱“エアロシュート”」
芹香が空に矢を放ち、その矢が二等級魔者めがけ貫かれていく。
「奏でろ跳弾“レインバレット・レビンショット”」
紫電が撃つ玉どうしがぶつかり合い二等級魔者の逃げ場を無くし撃ち抜かれた。
このチームはすごく良い。
椛が敵を焼き、俺と雅が広い距離で敵を拘束して逃れたやつは上から矢の雨が降り紫電の跳弾で撃ち抜かれる。
バランスが良い。
「あぁやはり二等級では弱いか…俺が行くか」
廃墟の屋上から一人の人が見ている。
「おい!屋上に誰かいるぞ」
「お~い危ないぞ!」
「心配ありがとう。だがいらない心配だな」
そいつは屋上から静かに何かを投げた。
「ジ・ゲート!!」
雅が俺に向けて技を放った。
俺を違う次元に飛ばし戻した。
俺は反応出来なかった。
もし雅が技を発動しなかったら右眼球をナイフで貫かれていた。
「流石だね雅ちゃん」
「お前の汚い口で私の名を口にするな。“悲鳴のサミ”」
「覚えててくれたんだ?てっきり俺の事恐くて忘れたと思った。まぁ俺は雅ちゃんの悲鳴を忘れることはないだろうけど」
サミと言われたやつは屋上から降りてきた。
髪型は金髪のセミロングだ。
背丈は雅と同じくらいで服装は黒のジャケットを来ている。
見たところ女だ。
「雅ちゃん覚えている?このハサミ。親と真那ちゃんを殺したハサミを!」
サミは黒々しい細く長いハサミを取り出し雅に向けた。
「そんな汚い物を私に向けるなっ!!」
声では強がっているがデス・ソウルを持っているてが震えている。
雅がサミに怯えている。
「今度は二人まとめて殺ってあげるよ!」
サミは雅目掛け走っていった。
雅は逃げようとしない。いや動けなかった。
俺は咄嗟に体が動き、サミが俺の真っ正面にいて胸の真ん中から循環途中の血が出てくる。
「かはっ!!」
「ニヒッ!」
サミが下から覗き込みながら笑った。
「やあぁぁぁぁ!!!!」
「その悲鳴がほしいんだよっ!!」
雅が泣きながら崩れ落ちた。
サミが聖覇からハサミを抜き
雅に向けた。
その瞬間雅から膨大な魔力が溢れ出るように出た。
「これはヤバイや俺は退散」
「き・よ・は・る・ま・も・る」
雅が暴走して周りの魔者を一掃している。
味方にも被害が出ている。
「雅落ち着いて」
「く、これでは聖覇君の治療を行え憎いです」
「雅。自我を保って」
その内雅が力を使い尽くして倒れて真那に変わった。
真那に椛達が近寄り介抱した。
「私よりも聖覇君の治療をっ!」
「それより戻りましょう」
……
「まずは一命を取り止めました。芹香ちゃんと真那ちゃんが止血してくれましたからですよ」
「よかったです」
「良くない。ましては悪い状況やな。四天王の二人が出て複数の魔者の出現。戦力は聖覇君、雅ちゃんが弱まっている。どうなるか……」
「真那は大丈夫ですかね?」
「オー見に行こう」
……
廊下を渡り真那の部屋に向かった。
「真那大丈夫?」
「私は平気です。それより雅ちゃんが呼んでも返事が来ないんです」
「そうか……」
「……」
「それはそれでサミと雅の関係を聞かせて」
「ごめんなさい。私よく覚えてないんです。それに雅ちゃんから聞いた方が良いですよ?」
「そうよね。ごめんね、私達戻るね」
「オー真那また」
「失礼いたします」
椛達は部屋から出た。
「雅ちゃん聞こえる?もうみんな帰ったよ?そろそろ話してくれないかな?……何てね」
「ごめんな真那。まだ落ち着かないんだよ。悪いな」
「そうですよね。お休みなさい」
…………
なんだ、ここはどこだ?
暗い、何も見えない。
どこなんだ?
あれ?光が見える。
「聖覇君!」
あの光から声が聞こえた。
芹香かどうした?
「聖覇!」
紫電だな何がある?
俺は光に近付く。
「聖覇さん!」
真那大丈夫か?
更に近付く
「聖覇!テメー!」
雅何があるんだ?
もうすぐだ。
「聖…」
椛!椛大丈夫か!何があるんだよ!
手を伸ばして光に触れると引き込まれた。
目を開くとそこには椛、雅、真那、芹香、紫電そのほかの死体が転がっている。
なんだよこれは!?
俺は下を見ると胸のところにハサミが刺さっている。
目の前にはサミが笑っている。
アアアァァァァァ!!!!
目を覚ますと蛍光灯の眩しい光が見える。
何だったんだ今のは……
すごくおぞましい物を見て背筋がゾッとした。
俺の悲鳴にみんな気付き病室に入ってくる。
「大丈夫聖!」
「どうかしましたか?」
「オー聖覇すごい汗」
「何かございましたか?」
みんな身を乗り出して聞いてくる。
「大丈夫、ただあいつに刺されてその嫌な夢を見ただけだ」
「それって!!」
真那がいきなり声をあげた。
「雅ちゃん!聖覇さんに話してあげて!お願い」
「悪い真那。俺はあの時のことを思い出したくないんだ……悪い」
弱々しい声が病室に響いた。
「雅ちゃんのバカー!!聖覇さんが雅ちゃんを守ったんだよ!だから今度は雅ちゃんが助ける番だよ?」
「そうか……悪いな真那。みんなに話そう俺のいや俺達の過去を」
雅に変わり雅が過去を語ろうとする。
第5章
病室のカーテンが風になびいその隙間から夕陽がうっすらと写り込む。
雅は決心した顔付きになって過去のことを話す。
「俺達は、父さん母さん双子の姉真那俺の四人家族だった。ある日が来るまで…」
「二人は双子だったの!?」
椛が驚き前のめりになりながら聞く。
「そうだよ。そして俺達は夜の食事をとってるとき、突然地震みたいな揺れが起きて天井から1人の女の人が落ちてきた。
それがサミだった、父さんはサミと話そうと思い近寄ったらあのハサミで父さんを貫いた。母さんは倒れた父さんを抱き抱え、呼び掛けた。
母さんはパニックになり後ろから来ているサミに気付かずに抱き抱えた父さんごと母さんを串刺しにした。サミはハサミを抜き次に俺達を標的にし、血塗れのみまま笑顔で近付いてくる。俺は怖くなり逃げようとしたけど足がすくんで動けなかった。
そしたら姉さん、真那が俺を庇いサミに刺された。
俺は真那のかえり血がかかり目の前が真っ暗になった。その時に意識が遠退き訳のわからない感じになって誰かの声が聞こえた。その事だけあまり記憶にないけど、意識が戻ったときには魔血晶が手の中にあった、真那が今持ってる魔血晶と共に…
それを見たサミがバックステップして間合いを開けた。
「まさか魔法使いに会うなんて最高だな!」サミが右足で踏み込みハサミを振り上げ俺に刃先を突き付け「じゃーな弱い魔法使い!!」
と言いながら俺に向けていたハサミをそのまま降り下ろした。
俺の左上半身を切り裂かれた。
「うああぁぁっ!!」
「キヒッ!その悲鳴が聞きたかったんだよっ!」
瞬間大柄の男が出てきてサミを右ストレートで吹き飛ばした。
それが多摩館総司令だった。
サミは顔を歪め血を滴ながら、
「クソが!まぁいい楽しめたから今日は帰るよ」
「待て!」
多摩館は逃げようとするサミを手を伸ばし捕まえようとするがサミはゲートを開き逃げていく。
深追いはやめて俺の傷を癒し、周りの状況を確認すべく見回る。
俺は真那が守ってくれたように真那の命を守りたくて多摩館に泣きつき、直してもらおうとした。
だけど真那の体がもたなかった。
俺は止血が早かったのと魔法使いになって体が強化された為。
俺は真那に寄り添い何故やったのか分からないけど、片手に持っていた光の魔血晶を真那の左胸に付けた。
そして俺の右胸にも魔血晶を付けた。
そこから何があったか知らないけど、
俺と真那は1つの体に2人一緒に入っていた。
これが俺達のサミとの出会いだ。
そしてやつは斬った相手に恐怖の種を植え付けていく。
それが今聖覇に悪夢を見せた正体。
それと人は誰もが恐れ不安を持つ、それを倍増させるのもサミの能力。
これが話したかったことだ」
……
周りは静まり返る、それが当たり前の反応だ。
仲間の悲しい出来事をドンマイとか元気だせとかで済む話じゃないからな。
「でもサミを倒せば恐怖の種は無くなるんでしょ?今からでも倒せば!」
椛が静寂に耐えられなくなり提案を上げる。
「それはあかん。戦況的にうちらは不利なんや、怪我人も出ている状況化に無闇やたらに戦いにいくのは認めるんは出来へん。
それに今日はみんな疲れとるさかいこの話は後日作戦これからの方針をたててからやな」
そうして自動解散となった。
吹雪さん、巌雄さん、咲苗さんは部屋に戻っていく。
だけど俺達はどうすれば良いか分からずその場に立ち尽くすしかなかった。
夕陽が夕闇に変わり、それぞれ気持ちの整理をつけたようで病室から出ていく。
雅もまだ本調子じゃないから隣の病室に戻る。
みんなが病室から出ていくと椛は俺の手を強く握り静寂が始まる。
「椛どうしたんだ?」
「………」
「椛?」
「……しないで」
うつ向きながら今にも消えそうな声だけど微かに聞こえた。
「分かったから俺が悪かった、もう無茶はしない。
だから手を離してくれないか?」
「聖は何も分かってないよ!私にはもう聖覇しかいないからどこにも行かないでよっ!!」
椛は涙を目に溜めながら俺の方を向き握っていた手をより強く握った。
「ちゃんと俺を見てくれっ!どこにも行かないから!!お前の側にこれからも居てやるから」
「本当に?」
「あぁ心配するな」
「逆に聖だから心配なんだけど」
目に溜めてた涙を拭き取り、いつもの笑顔に戻った。
「それじゃあ私そろそろ部屋に戻るね、その…ありがとうっ!」
椛は逃げるように病室を出ていった。
「おぉまた明日」
俺は点滴を射たれてない方の手で手を振る。
俺はベットに深くもたれて天井を見上げる。
別に意識して見てる訳じゃないけど自然と上を見たくなった。
正直みんなには大丈夫など強がりを見せたが内心不安でしかない。
まぶたを閉じるとみんなが刺された残像と俺の胸部を細長いハサミで貫いて下から覗き込みながらニヤリと笑うサミの顔が思い浮かぶ。
恐怖を感じまた目覚める。
身体中から出ている汗の量が尋常ではない。
少し夜風にあたりに行こうと屋上に歩を進める。
長い廊下と階段を進み屋上の扉に手をかけ、開ける。
「夏なのに夜は少し寒いな」
両手を擦り合わせながらベンチに腰を降ろす。
「誰だっ!」
扉の屋根の水タンクにショートカットのキリッとした目付きの女の子が立っていた。
「俺だよ雅、聖覇だよ」
「何だお前か…」
雅はまた空を見上げ始めた。
「今日は満月だ、綺麗だな」
「あぁそうだな。綺麗だ」
「そこは少し気のきいた言葉とか言えねぇのかよ」
「お前の方が綺麗だよ?」
「疑問系かよ!?お前らしいけど」
「…………」
「…………」
沈黙がつらい。雅も気を使ってくれて話しかけてくれるのにな。
「なぁ聖覇、俺は強くなってるのかな?
俺は多摩館の養子として引き取られたから結構いろんな支部にまわされてたんだよ。
俺は性格的にも馴れ合いが上手くないしそれに繋がりを作ってサミの時みたいに壊されるなら初めから作らなければ良いとか思うから……変だよな」
「いや変じゃない。俺もそう言う気持ちを持ったことがあるから。
俺も何故自分の命かけて周りの人を助けるのか疑問に思ったこともある。その時のままの俺だったら偽善者その者だった。
強さも弱さも全部合わせての雅だろ?強さは周りを不安にさせないため、弱さは周りに頼らないこと」
「なぁっ!頼らないことが弱さってどう言うことだよ!」
雅はつっかかる様な言い方をしてきた。
「そうかっかするなよ。信頼しきれてないってことかな?ほら、結局昔の話を拒んだのも信用できてないからだろ?」
「ふっ、あははは。確かにそうかもしれない。俺は誰にも頼らず1人でやることが強くなることだと思っていた。だから俺はお前に勝てなかったのか、弱さも強さも知ってるお前は弱さを認めることも出来るから俺は負けたのか」
「そうか?俺は雅も知ってると思うけど。人の痛みを知ってるから傷をつけないように1人で頑張ってきた。それが証拠だよ。
それにお前はもう1人じゃない、俺達がいる。お前のことを守るし、守られることもある、そう言うのってすごく信頼関係あると思わないか?」
「そうか…ありがとう聖覇。実は毎回お前にありがとうって言おうと思ったんだけど言えなかったから言えてよかった。ありがとう、真那のとこも俺を受け入れてくれて」
雅は顔を赤らめ恥ずかしそうに頬をかいていた。
「なんか改めて言われると恥ずかしいな。まぁこれからもよろしく」
手を出すと雅はそれを握り、
「俺の方こそよろしく」
と笑顔で答えてくれた。
……
満月が雲に隠れ闇夜に包まれた街の電波塔の上で一人の少女がハサミ片手にニヤリと微笑み、雲が流れ満月が再び街を照らし始めた瞬間少女が消え、断末魔が残る。
「本日のニュースです。昨日未明4人家族斬殺事件がありした。死亡が確認できたのが夫、妻、双子の姉、軽傷妹です。鋭い物で斬られた後があり、妹以外は即死の傷が見られます。
同様の事件が3件、犯人は同一人物だと検討、調査中です
次のニュー」
食堂に集められたみんながテレビに目をやる。
次のニュースに行く前に映像を消し吹雪さんが話を進める。
「これはひどいですね」
芹香は片手を口元にやり驚きを抑える。
「多分サミの仕業だろ?俺への当て付けか恐怖の再発をさせようとしてるんだろ」
雅が冷静に判断し意見を話した。
「そうかもしれへん。ただ罠の確率は高いさかい慎重に行動しなあかん」
「罠だとしても止めなきゃダメだろ!!犠牲者が増えてるんだぞ!」
俺は目の前の状況に冷静さを失い声を荒げてしまった。
「聖覇はん?命令やでちゃんと話を聞いてくれや」
吹雪さんの声が何時もより低い声で冷たく突き放す様に述べる。
「!?……すいません、頭を冷やします」
「それならええ。話を進めるさかい最後まで聞いてくれや。
確かに被害は拡大してるやけど、うちらも戦力的に損害を受けておる。現に聖覇はん、雅はんが戦えない今椛はん、芹香はん、紫電はん、巌雄はんそしてうち。これでは行こうにも本部の守りが手薄になるさかい今回は違う支部に任せるしかあらへん。
それにうちかて行きたいやけど行かせたいけど、うちはみんなが大事やから一番大事な家族やから危険な思いをさせたくないんや!」
吹雪さんは的確な意見と判断で戦線を何とかしようとしている。
でも何時もの吹雪さんならどんなことがあっても人命が第1で情に厚い人なのに……苦しいのはみんな同じなのに俺はわがままを言うだけで終わっていいのか?
良い訳ない、俺に出来ることそれは
「吹雪さんそれでも俺は、戦力にならなくても役に立てなくても俺の目の前で散る人の命を放っては置けない!
それに吹雪さんが一番俺のこと知ってるだろ?頼む、俺達を信じてくれ」
吹雪さんに頭を下げてお願いする。
「吹雪さん俺も戦えます。勝手に戦力から外されるのはやめてもらえますか?」
雅もやる気充分だ。
「はぁーもう聖覇はん頭を上げて、わかっているわ、やると決めたら言うことを聞かないさかい。
でもこれだけは守ってや、いや命令や。無事に帰還せよ!」
「「「「「了解しました‼」」」」」
俺、椛、雅、芹香、紫電は出撃準備を始める。
「そやみんなに渡す物があるさかい待ってくれなはれ」
吹雪さんは俺らに名前の付いた袋を渡した。
「これは?」
「ほら前に支部に配給されるジャケットあったやろ?うちらの支部は人数が増えたから新しいのを発注してもらったでそれ着て気合い入れて行ってきなはれ!」
「吹雪さんありがとうございます。それじゃあ早速」
俺達は袋を開け中にあった紺色のジャケットを着た。
「サイズはピッタリだな。動きやすい」
「変じゃないかな?」
椛は少し照れながら鏡を見る。
「みんな同じのか、良いものだな」
雅は嬉しそうに笑みを浮かべる。
「まぁ!支部の貰うの初めてなので嬉しいです」
芹香は大事そうにジャケットを握り喜ぶ。
「うぅ~、子供サイズ少し最悪、だけど悪くないかも」
紫電は頬を膨らませふてサイズを気にするがジャケットを着た。
「吹雪さん行ってきます!」
「行ってきなはれ!」
俺達は笑顔で答え玄関の扉を開きサミを止めるべく出ていった。
魔者の大群を相手した町外れの廃墟と化したところに着いた。
「来ると思ってずっと待ってたよ雅ちゃん♪」
サミは屋上で黒々しいハサミを片手にニヤリと微笑みかける。
「あぁてめーを倒しにやって来た!
罪のない人達を殺し、私と同じ状況にする行為を俺は絶対に許さない!」
雅は前とは違い、怯えも震えもなく堂々と立ち向かう。
「サミ大人しく投降しろ、なんて言っても投降してくれるわけないなかな?」
俺は一応平和的に話を進めた。
「聖覇君だっけ?そんな敵に向かって優しいな~、だけどそこが命取り。
今度は私の“ダークシーザ”で心臓をえぐりとっちゃうよ♪」
笑顔でえげつない事を宣告された。
「そうはさせないっ!聖は私が守るから!」
椛が強気で前に出ていく。
「そうですよ、皆さんで支えあって戦う。それが1114支部です」
「おー、サミは1人紫電達は皆で1つ負けないっ!」
芹香も紫電も気持ちは1つ。
絶対に負けられない。
「まぁ長い話も面倒だからさっさと死合いを始めようか♪
“ブラック・ザ・カーテン”」
サミが指を鳴らすと周りから黒い液状な物が広がりサミと雅の足元まで届いた瞬間、2人だけを包み、そこの場所には黒いドームが出来上がった。
「雅大丈夫か!?雅!!」
「あははっ!無駄無駄聞こえてこないから。外から中は受け付けないけど中から外は聞こえるよ、だから私の声は聞こえてるかな?聖覇君?」
「サミ開けろ!俺と戦え!」
「やだよ♪私は雅ちゃんと殺し合いたいからダ~メ♪
聖覇君とは雅ちゃんを殺った後で」
「ふざけるな!」
「聖覇!」
「雅聞こえてるのか?」
「いや話の内容を聞いていればわかる。聖覇これは俺の喧嘩だ!いくら聖覇でも邪魔はしないでくれ。
俺を信じろ、俺を頼って任せてくれ」
雅の覚悟を受け止めた。
「あぁわかった。ここでお前の帰りを待つ。待っているからな!」
聞こえなくても感じてくれ。
「それじゃあ殺ろうかっ!」
「良いね、雅ちゃん私も盛り上がって来たよ。やろうかあの日の続きを!」
戦闘体勢に入った。
「全ての者を冥界に送れ、光を飲み込む無限の闇よ“デス・ソウル”」
雅の武器死神の大鎌を取り出しサミに向けた。
「お前のおかげで俺は魔法使いに覚醒して力を得た。その力でお前を倒す!」
「嬉しいね、また雅ちゃんの悲鳴を聞けると思うとぞくぞくして止まれないよ」
サミは左足踏み込みで間を縮めて雅の心臓目掛けハサミを向ける。
「はぁ!」
雅はそれを下から切り上げサミの攻撃を防ぐ。
「ひひっひ!」
サミは気味の悪い笑い方で連続攻撃を仕掛けてくる。
雅は連撃に反応できているが大鎌がついていかなくて少しずつかすり傷が増える。
サミの一太刀を見切り大鎌で吹き飛ばし、間を開ける。
「ひひっ!雅ちゃんの純白な肌に真っ赤な血が流れてるよ♪」
サミは身体中をぞくぞくさせなが奇妙に動く。
「ふん!気味の悪い奴だな相変わらず」
雅はかすり傷から出る血を手で拭き取る。
「次は俺がお前から浴びるような血を出させてやる」
「逆だよ雅ちゃん♪私が雅ちゃんから血の雨を降らせてあげるよ」
雅が間を縮めるため右足で踏み込み、左を斬りつけようとするがサミのハサミでガードされた。
が、ガードごと大鎌で吹き飛ばし追い討ちをかける。
砂煙が起こりその中サミは受身をとっていて大鎌を降り下ろしたらサミはいず、背後に回られサミが貫くモーションをしていた。
雅は大鎌の刃の方を踏み台にして空中で攻撃を避ける。
そして大鎌を持ち直して落ちる力を利用して大鎌を振り上げた。
後ろから突っ込んで来たサミの右目の方を下から上に斬られて血が尋常じゃないくらい溢れ出ている。
「クヒッ!痛い!……痛い痛い痛い痛いっ!これが斬られる感覚、すごく快感!!ひひひっ!」
サミが膝を尽き血が地面に垂れ流しながら身体を震わせ気味悪くぶつぶつ呟く。
「俺はもうあの頃の俺じゃない、サミお前はここで俺が殺してやる」
雅が肩に掛けてた大鎌を持ちサミに近寄る。
「くっ、アハハハハハっ!!雅ちゃんのそこが甘いんだよ!!“ブラッドスリッシュスピア”!」
サミが垂れ流していた血が固体になり雅向かって何本か貫く。
「グハァ」
膝から崩れうずくまる形になり口から血が溢れ出てきた。
「はぁはぁはぁグァ」
血が止まらない、視界まで赤く滲んで来た。
「あはは、雅ちゃん♪その姿が一番似合ってるよ、会ったときと一緒の醜い哀れな可哀想な姿」
サミは上から見下し、ハサミを降りおろ……
(ここはどこだろう?暗く冷たい。
死んだのか?息苦しい)
(……………………)
(何かが聞こえる)
(………み………ん…)
(聞き覚えるある声)
(……み……や……ゃ…ん…)
(俺の名前か?)
「雅ちゃん?早くおいでよっ。お父さんお母さんが待ってるよ?」
「!?ここは懐かしいな家族で最後に来た場所この高原を覚えている」
回りは花畑で囲まれていて花の海になってる。
「雅ちゃん早く行こうよ」
昔の真那に手を引かれ連れてかれて来た場所は
「父さん母さん!!」
そこには今亡き親が立っていた。
顔も曖昧になっていたのにはっきりと父さん母さんだってわかる。
「雅一人にして悪かった皆で行こうか」
父さん…
「雅ちゃん今まで甘えれなかったぶん甘えて良いのよ」
母さん…
(俺はもう頑張らなくて良いのか、魔者も魔法使いも俺には関係ない。これからは家族皆で……)
「雅ちゃん!意識をしっかり保って!!雅ちゃんはまだ生きている!しっかりして」
今の姿をした真那が出てきた。
「真那か何を言ってるここには皆いる!父さん達がいるんだぞ!俺はここにいる」
「雅ちゃん!!正気に戻ってこれは幻想サミに見せられてるだけお願い戻ってきて」
「嫌だ!父さん達といる」
左頬に痛みが発した。
真那にビンタされた。
「何すんだ!真那」
「何ってバカな妹を目覚めさせてあげようとしてるんだよ!」
「誰がバカだ!わからず屋の姉が!」
「雅ちゃんよく聞いて!」
「聞いてますよ~だ」
「ちゃんと聞いて!雅ちゃん過去に囚われないで雅ちゃんはまだ生きている!自分を保って、まだ未来がある。それにみんながみんなが待ってるんだよ!だからみんなの元に帰ろ?」
「…………」
「雅ちゃん、聖覇さんが言った言葉を思い出して」
………雅は一人じゃない俺たちがいるか俺が出来ることそれは答えること!
「ごめん真那!帰ろうみんなの聖覇達の元に」
サミは上から見下し、ハサミを降りおろし途中、雅の体から大量の魔力が放出していく。
サミはたまらず魔力に吹き飛ばされる。
ただの暴走じゃなくてその魔力は雅の身体を癒してく。
雅は立ち上がり魔力をコントロールし始めた。
雅の手の中で魔力が形になり初めて、
「生と死の審判を始めようか“ジャッジヘブン・メントヘル”」
右手に光輝く鎌ジャッジヘブン、左手に黒々しい鎌メントヘル。
デス・ソウルより大きさは異なるがそのぶん動きやすくなった。
「これが俺の新しい力、それにこの多摩館から貰った魔血晶が共鳴している。これなら使える。
“魔聖装解放闇に紛れる者に死神の加護を“ダークゲレン”」
黒色のローブを身にまとい、両手には鎌、新たな力を手にした。
体の底から力がわく感じがわかる。
「キヒッ!いーねいーねすごく楽しくなってきたよ!
その新たな力を手にしたが、それでも私に敵わない絶望を与えることができるなんて私はすごく楽しみだよっ!」
サミは相変わらず態度を変えず戦いを望む。
「俺も負ける気はない!終わりにしよう、俺達のこの運命を!!」
雅は言葉を言い終わると左足を踏み込み左手の鎌で斬りかかる。
サミはハサミで受け流し、そのモーションから連続攻撃をしてくる。
雅は両方の鎌で連続攻撃を応戦する。
さっきはついて行けなかったけど軽量されたことと少し形が小さくなったから応戦どころかこちらが上回っている。
サミの連撃に隙が見え、すかさず鋭い1発を鳩尾に撃ち込む。
「せい!」
「クヒッ!」
サミはその場で膝から崩れ動きが止まる。
(やったのか?)
「キヒッ!ヒヒヒヒアハハハハハッ!快感!恐怖!痛み!私の中に負のがたまっていくよっ!
“デス・ペシルデッドオォッ!!”」
サミはハサミを両手で広げ雅目掛け一気にハサミを閉じ、その閉じた威力と負の闇の魔力で刃となり飛んで行く。
「俺は逃げない!過去からも未来からも!“審判の元に汝に裁きをくだす、生と死の判決、ジャッジメントクロス”」
雅は頭上にジャッジヘブン、メントヘルをクロスさせ力を溜め、斬り下げた。
闇と光がクロスしながらデス・ペルシデッドとぶつかる。
じりじり押したり押されたりの状況になる。
「はぁー!」
「さぁー!」
雅のジャッジメントクロスがサミの技を破りサミに直撃しドーム状の壁にぶつかりそのまま貫通した。
ドームは崩れみんなと再会できた。
「大丈夫か!?雅!」
最初に目に入ったのは聖覇だった。
「あぁ大丈夫だ、えっとそのただいまみんな…」
「「お帰り雅!」」
みんな安堵の一時に浸っている。
「サミお前はもう終わりだ、諦めろ」
雅は振り向きサミに言い放つ。
「私は、まだっ、死んでない、戦える限り敗北はありえないっ!!」
サミはハサミを地面にさし支えとして立つ。
体はもうボロボロだ。
「それじゃあ一思いにやらせてもらう、サミ行くぞ!」
雅はゆっくりサミに近付き歩み寄る。
「ごめんねハサミちゃん暇だから来ちゃった♥って死にかけてるし、珍しいから写メ撮ろ」
突如ゲートから1人の女性が現れた。
「お前は誰だ!?」
「わたくしは四天王の1人、ドール奴隷のキラよろしくね♥
まぁそれにしても四天王のサミちゃんをここまでにするなんて誰が殺ったんだろう?
わたくしのオモチャにしたいな~」
いきなり現れたミディアムロングのバイオレットカラーの髪で青竹色の目をした女性は片手に荊のような鞭を持っている。
四天王と名乗り遊びに来た感じで戦場にやって来た。
「何を言っているんだお前は?」
「わたくしは魔界の四天王のキラって言ってるじゃん!
それにわたくしの新しいオモチャを捕まえに来たの!
誰にしようかな~?手前の男の子?その隣の赤髪っ子?後ろの三つ編み?お子さま?それともハサミちゃんのお気に入りにしようかな?きゃはっ♥」
1人で勝手に盛り上がってるよ、どうしょうか?
俺は悩んでいると椛がすごい速さで通り過ぎ、キラに炎神紅葉で斬りかかる。
「もう!まだなにもしてないのに酷いな~」
「何を言ってるのかなキラ?私達の下で魔法を使おうとしてたのによくそんな事言えたわね」
キラが片手に持っている荊のような鞭は地面に刺さっていてそれを引っ張り椛の一太刀をガードをしている。
「そうだわ!貴女をわたくしの新しいオモチャにしてあげる♥」
それを聞いた瞬間に椛はキラと間を開けて距離を保つ。
「私はお前の思い通りにならない!」
「良いよその威勢!ますます貴女をオモチャにしたい。その距離ももう、わたくしから離れないようにしてあげるから♥“奪え戒めの楔ローズマリー・ノエア”」
椛に向かって放たれた荊のような鞭は勢いよく椛に向かう。
「はぁ!」
椛は居合の様に鞭を見切り斬り上げた。
「わたくしの鞭が斬られちゃった。悲しいな」
キラは何となく感情がないみたいに棒読みだった。
椛は刀を鞘に収める。
「何てね、行けローズマリー・ノエア」
椛が斬った切り口からぶくぶくとうねり、椛に向かって伸びて行き、左胸を貫いた。
「椛!!」
椛は崩れ倒れたので俺はギリギリで受け止める。
「そんなに慌てなくても死んでないから大丈夫だよ。
それに死なれたら困るから♥
わたくしのオモチャがなくなっちゃうからね♥」
俺はキラに目を向けていたが、俺の手の中にいる椛が意識を取り戻した。
「大丈夫か!?」
「………………」
椛は反応せずそのまま立ち上がる。
「こっちにおいで椛ちゃん」
「はいご主人」
「!?」
一体何が起こっている?さっきまで戦っていた2人が今は下僕になっている。
「良くできました。良い子良い子椛ちゃん♥」
キラは自分の元に来た椛頭を撫でる。
「椛に何をした!!」
俺は大切な人を奪われ冷静に対処できなくなっている。
「もう酷いな~最初に紹介したんだけどな~わたくしはドール奴隷のキラって言ってるじゃん。
だから椛ちゃんはわたくしの命令絶対に服従の可愛いお人形さんなんだよ」
「ふざけるな!」
俺は声を荒げてしまった。
「そいつは俺達の仲間なんだから勝手なことは止めて貰おうか」
雅…
「そうですよ。椛さんは私達の大切な仲間です」
芹香…
「おー紫電も椛にそんな事して許さない」
紫電…そうだな、俺達の大切な仲間を取り返しに行こう。
「行くぞ!キラお前を倒して椛を取り戻す!」
「良いわぞくぞくしちゃう。椛ちゃんは1番大切な人を殺して来てくれる?」
「わかりましたご主人。行くぞ界光」
椛は刀を抜き俺に向けてくる。
「聖覇俺らもいるからな」
雅も傷を負いながら心配してくれる。
「ダメだよ。2人の邪魔はさせないから現れよ魔者」
キラは魔者の大群を召喚して来た。
「これはこれは」
「こちらも気が抜けませんね」
「問題ない、紫電が風穴開けてやるから」
雅、芹香、紫電も気合いを入れた。
「私を忘れないでもらいたいな」
サミも立ち上がり魔者に加勢した。
「もうハサミちゃんは寝て良いのに」
キラはサミにちょっかいかける。
「うるさい、黙っていろピエロ!」
サミは吐き捨てる様な声をかけ、雅に挑む。
「ご主人の命により界光お前は私がここで倒す」
椛は炎神紅葉をこちらに向け、軽く膝を曲げ戦闘体勢に入る。
「止めてくれ椛!元に戻ってくれ!」
俺の呼び掛けに反応せず攻撃を仕掛けてきた。
俺はそれをかわして間を取る。
「立てよ“火柱”」
椛は刀を地面と平行にして刀を俺に向けて突き出すと、火柱が俺に向かって放たれた。
俺はそれをサイドステップで避けて椛の方を見ると火柱のモーションをとっていて直ぐ様火柱が俺を襲いに来る。
「ハイスピード!」
俺は間一髪避け再び距離を保つ。
だが、保っていた間は再び椛の踏み込みで縮まる。
「右手には勝利を左手には栄光をシャイニングロッド」
俺はシャイニングロッドを直ぐ様だし迫り来る椛の攻撃に応戦する。
椛の一太刀一太刀が俺が防ぐことができるギリギリを狙ってきて、椛は本気で俺を殺そうとしてることを実感させられた。
「身を焦がせ“豪炎火”」
椛は居合の形から刀を左から右に振り抜き、炎の衝撃波を広範囲に打ち出し俺へ向かってくる。
俺はばくてんで避けると直ぐ様椛の方を見て必要な間を開ける。
「生えよ翼“炎翼”」
椛の背中に燃え盛る翼が生えて羽ばたきながら俺に攻撃を仕掛けてきた。
「天使の羽根“エンジェルフェザー”」
俺も光輝く羽根を出し、バックステップで踏み足を調節し空に飛び立ち攻撃を回避する。
椛は俺を後ろから追いかけてくる。
距離が縮み椛の一太刀が当たりそうになり俺はシャイニングロッドで応戦する。
椛の攻撃を受け流した時に俺の右羽根を両断されバランスを崩した時に炎神紅葉の鞘で腹部を強打され地面に叩きつけられた。
「がはぁっ!」
息が出来ないくらいの衝撃を食らった。
見上げると椛が見下ろしている。
「燃え尽きろ“紅蓮 ”」
椛に炎が纏って炎翼で加速し俺に向かって垂直に飛んでくる。
(流石にこれはヤバイな)
「皆を護りて聖なる盾“アイギスの盾”」
シャイニングロッドに光の粒子が集まり、盾の形になり椛の紅蓮を受け止めた。
ジリジリと、アイギスの盾を押してくる紅蓮を俺は受け流し、体制を立て直す。
「2体の龍よ、喰い燃やせ!“双火龍”」
椛が十字に刀を振ると2体の火龍が出てきて襲いに来る。
1体が真正面から突っ込んで来たから避け、上からもう1体が襲いにきたが俺はギリギリ後ろにかわすが、避けた先にさっきの1体が口から火を吐いた。
左の服が燃え、腕の部分が火傷をおった。
痛みを感じる時間さえもくれず上から来た火龍が左腕目掛け襲い来る。
「“エンジェル・フォー”」
1体の火龍を円錐形のエンジェル・フォーに吸い込まれて椛の火の魔力を俺が使える様にした。
もう1体が懲りずに狙いを定めて来る。
「“ライトニングバースト”」
火龍に向けて打ち出し、それをくらい火龍は消し飛ぶ。
息つく暇もなく椛が攻めの姿勢を崩さず攻めて来る。
消耗戦になった。
俺は仲間の椛と、紫電、芹香は尽きない魔者、雅はお互い傷だらけのサミと
そして傍観者のキラ。
戦況はこちらが不利だ。
撤退の2文字が頭をよぎった。
(どうする?何が正解だ?どうすれば良い!?)
「聖覇さん!諦めては駄目です!」
芹香…
「おっー、椛と一緒に支部に帰るんだから」
紫電…
「三下が居ねーと調子狂うからな」
雅…
「あぁ皆で帰ろう、1114支部に」
俺はやっぱりバカだ、みんなが居ないとな…
「行くぞキラ!お前を倒して椛を元に戻す!」
俺はキラにシャイニングロッドを向け言葉を発する。
「だぁ~かぁ~らぁ~わたくしを倒す前に椛ちゃんを倒してからね♥
仲間を倒せるならね♥」
キラはニヒっと不適に笑みを浮かべている。
「はぁぁっ!」
右足で踏み込み強く地面を蹴る。
キラに向かってシャイニングロッドで攻撃を仕掛けた。
だが目の前に直ぐ様椛が現れ応戦された。
また椛との距離を開ける。
「椛ちゃん♥そろそろ終わらせようよ♥」
キラは椛に命令した。
「わかりましたご主人。業火の名の元に集え武者ども!“本陣”」
椛は地面に紅葉を突き刺し魔力を出している。
椛下からは赤色の魔方陣が広がり回りには戦国劇とかで見る幕が出てきている。
「全軍出撃」
椛の一言により魔方陣から火の武者達が現れ俺らに向かって攻撃をしてくる。
ますます分が悪くなってきた。
1体1体が椛の攻撃力を持っている。
だが攻撃を与えれば一発で消える。
「みんな耐えてくれ!まだ勝機はある」
俺はみんなに声をかける。
言葉では強く言えるけど俺もそこまで耐えれない。
消えても出てくる火の武者、出てくる魔者、傷をおっているが立ち上がるサミ。
(くそが!どうするんだよ!?)
「凍てつく雪吹“アイスヴァインロック”」
魔者と火の武者が凍り動かなくなった。
「全く無茶したらあかんって言ったやろぉ?
心配やから来たけど危なかったなぁ」
空からゆっくりと吹雪さんが降りてきた。
「悪いやけど、全員撤退するさかいええか?」
「椛が捕まっているんですよ吹雪さん!」
俺は意外な言葉に動揺を隠せない。
「聖覇はんこれは命令やで?わかった?」
冷たく言い放されたが食い下がる訳にはいかない、椛が!椛がいるから!
俺は吹雪さんから目を離さなかった。
「はぁ~わかった、聖覇はんの目を見ればわかるさかい5分でけりつけてきなはれ。
時間過ぎたら撤退やからな」
「はい!行くぞキラ!
光のその先へ“シャイニングシューティング”」
先端が2つに分かれている光の粒子を放つ槍を出した。
俺はシャイニングシューティングを構えた。
目の前には椛が構えている。
「そこを退いてくれ椛!」
俺は椛に呼び掛ける。
「ご主人を守るのと命令に逆らえない。界光お前を倒す!」
椛は言い終わると踏み込み攻撃を仕掛けてくる。
俺は反応し踏み込み応戦にかかる。
リーチの方はこちらが長く有利に戦闘を行え、凌駕することができた。
椛は応戦するに連れて後退して壁に背が着いた。
俺はここだと狙いを定めて2つに分かれているところを首筋を挟んで壁に槍を刺し動きを止めた。
「終わりだ椛、動かないでくれ」
俺は優しく声をかけた。
「お前に私を殺せるか?界光」
椛は冷たい眼差しでこちらを見てくる。
「俺はお前を殺さない、仲間だから」
俺は椛に呼び掛ける、心に呼び掛ける。
「?!私はご主人の駒、主君はいるが仲間など居ない」
「椛!目を覚ましてくれ!!」
「はぁぁ~あ、つまらないよ聖覇君、そこは椛ちゃんの屍を越えて私と闘うんじゃないの?」
キラはほほを膨らませ怒っている。
「椛を殺したらお前と闘う意味がない。俺は椛を助けるためにお前を倒すんだ」
俺はキラに突き放すよう話す。
「じゃあ良いや、二人ともいらない必要ないよ♥
椛ちゃん自害して♥」
「わかった」
「やめろ!!」
俺はシャイニングシューティングを離し椛を止める。
「なんてね♥椛ちゃん丸腰の聖覇君を殺しちゃって♥」
「なっ!?」
椛は自分に向けてた紅葉を俺に向け一太刀斬り下げた。
温かい血が俺の体を濡らす。
血が出てくのがわかった。
意識が遠退く、力が抜ける。
シャイニングシューティングが魔血晶となり俺のペンダントに戻ったのをうっすらながらわかったら意識が飛んだ。
「聖覇!」
「聖覇さん!」
「きよはる!」
「聖覇はん!」
雅、芹香、紫電、吹雪が聖覇に駆け付ける。
「撤退や!雅はん、紫電はんは敵の応戦に芹香はんは、治療の手伝いをしてくれさかい」
「「「了解しました!」」」
雅は椛と、紫電は魔者達を、必死に応戦していく。
芹香は聖覇の治療を、吹雪は血を凍らせ止血をしている。
「みんな撤退するさかいよろしゅうに」
吹雪の合図でみんな体制にはいる。
「“影にまみれろ、シャドーミスト”」
雅の周りから黒い霧じょうのものが現れ、姿を隠し
「“風の怒り、疾風山嵐”(しっぷうやまあらし)」
芹香の風でシャドーミストを拡大させ
「“凍りつき雪吹スノーヴァイソ”」
吹雪の技によりさらに近寄れなくし
「“速きこと雷鳴の如くボルトイーグル”」
紫電の出した電気のイーグルに乗り撤退した。
……
(ここはどこだろう?)
暗い、なにも見えない。
(ようこそ意識の中へ、歓迎するよ)
黒い人影が見えた。
(なんだここは?)
俺は質問する。
(ここは意識の中。だから俺達はしゃべらずに今直接頭に話している)
やつは素直に話してくれた。
(それはわかった。お前は誰だ?)
俺はさらに質問を続ける。
(お前なら分かっているんじゃないか?俺が誰か、だって俺は昔の俺じゃないか?)
(何を言っている?)
(おっとまだ喋っていたいけどそろそろ時間だ。また近い内に会うだろう、それまだまたな?)
話しは、はぐらかせれ黒い人影との距離は離れ、俺は何処かに行く。
「なぁ吹雪、そろそろ俺らに話してくれないか?椛と聖覇のこと」
ラウンジに吹雪、雅、芹香、紫電が集まり、雅が吹雪に問いかける。
「うちから聞くよりも直接本人から聞いた方が良いと思うんやけど、うちかて全部知ってる訳やないからな」
吹雪も顔をそらし悲しそうな顔をする。
他の三人もなにもできない自分達に悔しげに下を向く。
「つまらない昔話に付き合ってくれるなら聞いてくれるか?」
ラウンジのドアにもたれ掛かりながらいる。
「あれは俺が小学4年の時に起こった」
聖覇が過去を話そうとした。
第6章
痛々しい体をラウンジのドアに背中を預けてみんなの方を向いて話を始める。
「俺と椛が初めて会ったのが小学1年の時だった。
俺達は産まれた時から普通の人とは違っていた。
いわゆる天才と属する者だった。
同年代より早く色々でき、少し違っていた。
やがて小学に入学し学校始まって以来の才子が2人も入ってきたのだから歓迎され迎え入れられた。
その時に椛との出会いだった。
今でも覚えてる、眼があったとき緋色の瞳に引き込まれて俺は椛に興味を持った。
それから俺達は才子どうし2人で行動事が多くなった。
一緒に入るうちに互いの事等を話すようになった。
椛の家は代々伝わる武家の家系で椛もいずれは継ぐものだった。
そして俺は椛に誘われ武家の門下生として剣術指南を受けていた。
稽古で師匠が見ている前で上級生の門下生達を降し確実に力を伸ばしていった。
椛のおじいさん、師匠にも気に入られて全てがよかった。
この時俺には弟が産まれる時が来た。母さんの陣痛が始まり親父と病院に向かった。
病院に着くと直ぐ様母さんの居る治療室に入った。
そこには息の無い子供とそれを泣きながら抱き抱える母さんの姿が見えた。
幼い俺ですらわかった、弟はこの瞬間
生きる資格を剥奪されたのだ。
俺はそれが嫌で弟に無自覚で魔法を使った、この時に俺は自分が普通の人とは違うと完璧にわかった。
弟は生き延びたが俺は大変な目に遭った。
周りからは気持ち悪がられ、実の親から冷たい目をされ全てが憎らしくなった。
助けたい一心で行ったことが何故そこまでの扱いをされなきゃいけない、訳がわからなかった。
そんなときに雪吹さんが俺の前に現れて1114支部に迎え入れてくれた。
俺に心の拠り所をくれた唯一の場所だった。
記憶操作を少し加えて俺が魔法を使ったことはなかったことになって周りは奇跡が起こったと大騒ぎ。
小学校も雪吹さんが家にまで来て編入の推薦って言う話を持ってきてくれて俺は聖魔界組織の運営する学校に編入が決まったと同時に支部で暮らし始めた。
流石に大人達の本当の姿を目にしてしまったから一緒に暮らすのは辛いから助かった。
年を重ねていく度に椛との確かな信頼関係を築いて行った。
月日は経って俺が小6の時椛の家で指南を受けに行き、夕方すべてが終わって帰ろうとしたとき師匠に呼び止められ道場で師匠が目の前で正座し刀を挟んで俺と椛が並んで正座で座る。
「これは代々業火家に受け継がれた“秘剣”(ひけん)だ。お前の手で取り命を断つ重さ知っておくのだ」
椛は正座で右左と足を交互に出し秘剣の前に座り両手で刀を取り正座の体制から立ち上がる。
椛は片手には鞘を持ち、もう片方で刀を抜く体制を取った。
鞘と鍔が離れ刃が見えた瞬間待っていたかの様に炎が溢れ出し、熱風に俺と師匠は壁まで吹き飛ばされた。
俺は上手く受け身を取ったが師匠は壁に直撃し意識を失っていた。
椛は炎の渦に囲まれていて姿が見えなかった。
「椛!無事か!?」
返事が返ってこない、少し近付いて見ようと歩を進めると炎の斬激が飛んできて右にそれた。
その内炎の渦が消え椛の姿が確認できた。
「椛、大丈夫か?」俺は歩みより話しかける。
「私がこれをやったの?」椛は周りを見回す、状況は師匠が壁に叩きつけられてて、道場は斬激の後が残っている。
俺は言葉がでなかった。
どう言うことを言うのが正解なのかわからなかった。
下を向いて顔をそらしていると、椛の周りにはさっきよりも強力な炎を纏っている。
紅く燃え上がっている炎が少しずつ黒く染まっている。
この状態を知っている、“魔天”(まてん)。
魔法使いにある出来事で絶望、罪を犯した者がなる者。
そして反対に“聖天”(せいてん)魔者とかにある出来事で希望、罪を償い粛正された者がなる者。
椛が今なってる者は魔天。
黒く染まった炎は椛の体に無理やり入ろうとしている。
「あっ!ああぁぁぁっー!!」
膝をついてうずくまり椛の中に黒炎が入り魔力が邪悪な物に変わっていく。
服までも黒く染まり膝をついていた状態から立ち上がり、こちらに秘剣を向けて来た。
「魔法使いか……魔王様の邪魔になる存在今ここで消す!」
道場の木の板を壊すぐらいの踏み込みで斬りかかってくる。
俺は魔血晶を忘れていて素手て闘うしかなかった。
「はぁっ!」
両手を前に出し魔方陣を出しガードする。
椛は斬れないとわかってバックステップを踏んで間をとる。
俺はそれをさせないため踏み込み間を縮める。
椛はそれを待っていたかの様に剣に黒炎を纏わせ踏み込んで来た俺を丁度の所で斬り飛ばす。
正直のところ俺はあそこで死んでいたかもしれない、傷は開いて傷口は燃えてるように熱いし血の焦げた匂いが恐怖を煽られる。
そんなときに雪吹さんが助けに来てくれた。
そこからは記憶にないけど目覚めたら
支部に居て椛も俺も傷は癒えていた。
椛には少しの記憶操作を施されて魔天したこと、師匠を傷つけたことを忘れさせている。
しばらくして俺と雪吹さんは椛の家に向かって小学校に編入の話をしに行くのだ。
椛の家に着くと門下生に迎えられ師匠の居る道場に向かった。
師匠は板の間に胡座で座っている。
俺達は師匠の前に腰を下ろした。
雪吹さんは小学校の編入の話を魔法使い関係を喋らず話を進めた。
「ですから若い内にうちらの小学校に編入しはった方が椛はんのためになると思うんですね、それに……」
雪吹さんの話を聞きながら正面を向いていると師匠は俺の顔を睨み付け、
「隠さんでもええやろ」
師匠は話を断ち切った。
「うちらは何も隠しておりまへんが?」
雪吹さんは笑顔を崩さないまま問いかける。
「お前も聖覇、椛も普通の人間じゃないんじゃろ
わしがわからんと思っておったか?
その学校も力を持った者たちが集まる
それで椛もその力に目覚め引き取りに来たのじゃろ?」
お察しの通りで流石師匠。
雪吹さんも笑顔崩してない……わけないですね、素に戻ってますね。
「何故そう思われはるんですか?
それに根拠あらへんやろ?」
悪い笑顔で挑発でもするように話す。
「知られたくないならそれでええ、ただ今から話すことを聞いて欲しい。
わしら業火家には秘密がある。
“紅き魔女の伝説”昔、紅い瞳に紅い髪の女の子が産まれたんじゃ。
その子も武家の家系らしく武道を学び年を重ねて行ったのじゃがその子は武神の様に強く負けなしじゃった。
その時ご先祖様がその子を今のままにしていたら危険だと判断し刀を持たせ命を断つ重さ、責任を教えた。
話終えた途端にその子の体から火と思える物が溢れ出てその子のまわりは天井も床も燃えた後がありだがその子と刀だけが見当たらなかった。
そしてこの話は門下生にまで知り渡り気味が悪いと門下生は減り、月日は経ち噂話などなかったかのように門下生は少しづつ入ってきた。
ある稽古をしていたとき天井を突き破り炎を纏った刀が道場に刺さった。
皆驚き逃げ惑う者達と恐怖で動けない者もいた。
そしてこの話を他言無用にし、掟を作った。紅き瞳に紅い髪の女の子が産まれたら決して刀を触らしてならないと1つの約を建てた。と言う話じゃ」
?俺は少し納得がいかない点があった。
「でも持たせては行けないのに師匠は何故椛に刀を持たせたんですか?」
雪吹さんが言う前に声が先に出た。
師匠は痛いところを突かれた見たいにうぐっと噛み締める。
「はぁ、わしはそんな嘘臭い昔話が気に入らんかった。
本当かどうか白黒はっきりさせたかったんじゃがまさか本当だったとはな」
師匠は頭をかき話す。
「「………」」
俺達は呆れて何も言えなかった。
「まぁこんなこと言うのもあれじゃが聖覇、椛のことをよろしく頼む。
あいつは自分で何でも抱え込むそれに甘えたくてもそれが下手じゃから椛のことをよく見てやってくれ。
頼む」
師匠は深く頭を下げてお願いしている。
「やめてください師匠。俺は椛の友達ですから一番に大切にします。
ですから顔を上げてください」
と言うことがあったんだ」
俺は話終えるとみんなの方を向く。
「だから1刻も早く椛を助けに行かないと行けないんだ!!」
ドッ、鈍い音がラウンジに響く。
「あまり泣き叫ぶ犬には仕付けなあかんからな」
雪吹さんが右手を氷で堅め後ろから首筋を打っていた。
「咲苗はん聖覇はんを病室に運んでくれへん?」
「わかりました、では行きますよ聖覇君」
咲苗さんはおんぶして運んでいった。
「さて皆はんはさっきの話に出た聖天、魔天を知っとるやろか?」
雅、紫電、巌雄は首を横にふる。
ただし芹香だけは縦にふる。
「芹香はん説明してあげて」
「はい、聖天、魔天とは私達魔法使いと魔者とは切っても切れない定めで魔法使いが深く絶望、負の感情がもっとも強くなったときに起こるのを魔天。
それとは反対に魔者が深く希望、正の感情がもっとも強くなったときに起こるのを聖天、と言う感じですかね……まぁわかってない人が二人ぐらい居るんですけど」
芹香がじどっと紫電と雅を見る。
「大丈夫だよ俺がわからんでも真那がわかってるから」
(清々しいほどに人任せですね)
「おぉー紫電わからないけど芹香が居るから大丈夫っ!」
ドキッ
「紫電ちゃん!」
芹香が紫電に抱きつく。
「芹香苦しいよ」
「あぁごめんね」
「んん!私語は慎んくれへん?
今日はもう解散するけど最近魔者被害があるのも事実、危機感を持って生活しはってね、解散」
「「「はい」」」
う~ん頭が痛い、ずきずきする。
そうだ聖達はどうなったんだろ?
記憶がない。
とりあえず起きないと
ガチャンガチャガチャ
動けない、足と手首に何かに固定されてるのかな?
目隠しを取られた。
いつもなら光が差し込んできて目が少し痛いはずなのにすんなり目が開いて目の前の景色に驚く。
「なっ!ここはどこなの!」
辺りは冷たい暗闇に包まれ、歪に刺々しく伸びた岩。
殺伐とした景色が目の前に広がる。
「お目覚めですかね?魔法使いのお嬢さん」
白いスーツを身にまとってる四天王の1人マージ。
「何故お前がここに居るっ!」
椛は恐怖染みた声で荒げ、睨み付ける。
「それより雅ちゃんはどこに居るの?早くこの右目をやられたお返しがしたくてたまんないよ」
右の頬から額にかけて傷のあとがあり目は眼帯が当てられていた。
「クソ!こんな鎖私の炎で消し飛ばしてやる」
両手に力を入れて炎を出そうとしたとき、鎖に魔力が急速に吸い取られた。
「知ってる?炎の魔法使いも自分の炎以外は効くんだよ?」
「うあぁぁぁっ!」
魔力を吸い取った鎖から炎が出てきて
私の体を炎が燃え盛る。
「はぁ はぁ はぁクソぜっ……たいに屈しはしないっ!」
マージを睨み付けると涼しそうな顔で笑みを浮かべる。
「大丈夫です、絶対に貴方は絶望して屈するのですから、
ですよね魔王様?」
マージは後ろに振り返り魔王らしき者に話しかける。
「まぁ話もなんですし、見て貰いたい物があるんですよ」
マージは手から映像機を地面に投げある映像を見せた。
それは椛がが聖覇を貫いた映像だった。
その他にも仲間を攻撃する映像などが流れた。
「嘘だ……私はこんなこと しっ…してはいないっ!」
「おやおや頑固ですね、これが大和撫子ですか?ですがこれらの映像はすべて本当の出来事」
「嘘だ!私は聖達を信じる!私を解放しろ!」
「信じるのは勝手ですが貴方に帰れる場所はあるのですが?
聖覇君たちだってバカじゃない。
敵のところから生還して無事なわけがない、何かされてると疑うでしょう?
そんなので本当に仲間なのですが?
貴方に秘密がある。
それは貴方が魔者であること、聖覇君もそれ以外の人も知ってるのに本人は知らないなんて騙されてるんですよ。
さぁ共に魔王様のために絶望してください」
「いやっ、嘘だ…そんなの嘘だ!私が魔者なんて」
「嘘じゃない、貴方の心に聞いてみますか?」
マージはコツコツと革靴を鳴らしながら椛に近づき身動きの取れない抵抗できない椛の額に触れられた瞬間、脳裏に記憶の映像が流れてくる。
「いやあぁぁっ!」
椛も意識してない内に体から負の魔力が液状に溢れ出て椛を覆い被さり球体の固体に変わる。
「終わったようだな、駿」
「そうですねマージ」
暗闇からマージが現れさっきまで喋ってたマージが姿を変え聖覇達の親友佐久真駿の姿に戻る。
「それより魔天は成功したのかな?固体になっただけだけど……」
マージは固体の周りをコツコツと歩き様子を見ている。
少し気になったのかサミが触れようとした瞬間、
「危ないですよサミ」
駿がサミの首裏の襟を引っ張り触れさせないようにした。
「何すんだよ!いいじゃねーか少しくらい」
「良くないよ、それにこれから魔王様にも協力してもらわないと……
魔王様!準備はよろしいですか?」
「………」
返答がない。
だが固体に向かって黒い手の形をした魔力が飛んできて固体に魔力が触れた瞬間一気に吸い取られ形を変えて行く。
薔薇の花の形になって中心には眠っている椛が座っている。
椛は目を覚まし、包んでいた薔薇の花のを吹き飛ばした。
「背徳の花を咲かせ復讐に身を焦がせた一輪の花“スカーレット”!!」
「これはこれは!素晴らしい」
「キヒッ!面白いことすんじゃねーか」
「まぁとても素敵♥」
「魔王様終わりましたよ」
「………」
駿が声をかけてもやはり反応がない。
「これより日本に行き絶望を集めに行け」
「「「総ては魔王様の運命を手の中に!!!」」」
「と言ってもどこを壊せば絶望を集められるんだ?」
サミが迷う。
「日本には希望と平和の象徴、“四極冠王橋”(しごくかんおおはし)に攻撃を仕掛ける!
さぁパーティーの幕開けだ!!」
第7章
(う~ん、眩しい)
チュン、チュンチュン、小鳥の鳴き声と共にカーテンの隙間から光が射し込み目を覚ました。
「いつの間にか寝てしまった……。俺は確か過去の話をして、そっからう~ん、思い出せない。
ただ後頭部がズキズキ痛いんだけど……そうか俺は椛を助けに行こうとしたら後ろから氷で殴られたんだ、雪吹さんに……」
「聖覇はん朝やけど、学校あるんやろ?はよしいや」
(あぁそうか最近忙しくて学校忘れてた。早く支度しないと、椛が来て着替えるところに鉢合わせの心…ぱ、い…はないか)
気怠そうに服を変えて覚束ない足取りで食堂に向かって歩を進めた。
「ぉはようございます」
髪をかきながら、食堂に入って朝食を取りに行く。
「おはー」「おはようございます」
紫電と芹香が挨拶を返してくれた。
今の俺にはこの2人の顔を見るのは辛い、昨日の事もそれに傷を癒してくれたのは芹香と咲苗さんだと思うと尚更会わせづらい。
俺が下を向いて居ると気を使ってくれたのかそのまま紫電達は朝食を再開した。
「はぁ~紫電はんも芹香はんもそんな腰抜けな女もいーひんと、物事どころか生きて行くのも危なっかしー女々しい男に気を使わんでええのに」
雪吹はわざと聖覇に聞こえるよう声を張り言いきった。
「うるさい」
小声で言って逃げるように足早に聖覇は去って乱暴に食堂の扉を閉める。
「雪吹さん……」
心配そうに芹香が声をかけるが、
「そう湿っぽい顔せんでええのに…心配することやない。最初の頃の聖覇はんに戻っただけやから、それにこれは聖覇はんが乗り越えなきゃいかん問題やからな」
雪吹はお茶をすすり話を終えた。
芹香は納得いってないのか「う~ん」と歯に何かついてる感じがしてやまない。
「くそ、雪吹さんだって椛を助けたいはずなのに何で!何でこうなるんだよ」
地面にあった小石を蹴飛ばし学校までの道のりを歩いていく。
小石を見下げて蹴っていると歩いている人の足に当たってしまって咄嗟に
「すいま…せ…なんだ佐久真、おはよう」
見上げて行くとそこには佐久真が立っていた。
「ぉはよ、どうした?辛気くさい顔して椛と何かあった?」
そこには界光聖覇の確かな日常があっり、今までの事が一瞬にしてよみがえり感情が溢れでてきて頬に生暖かい水の粒がつーんと流れていく。
「ほんとどうしたよ?久し振りの学校だからって……まぁ何かあるならこの駿君が話を聞くよ?」
ニコッと悪びれない笑顔が今の俺にはとても心が癒えていく感じがした。
駿は俺が涙を流したのを見て少しあたふたしたけど俺が涙を吹き捨てると再び笑顔になって
「それじゃ学校に向かいますか?」
再び学校への道を駿と共に歩き出した。
「で、話してみてよ何があったのか」
駿はキリッとした真剣な顔で聞いてきた。
「実は椛が急に倒れて今寝込んでいるんだよ。それが心配なのと少し身内と揉め事をして、喧嘩しながらそのまま飛び出て来たからずっとモヤモヤしているんだ」
俺は少し嘘つきながら話を進めた。
「そんなことがあったのか……それで椛は大丈夫なのか?」
「それほど重くはないけど安静にしとかないとな」
「そうか……なら安心だな」
「そうだな」
そこから雑談しながら学校が見える位置まで近づいてきた。
学校に着くなりよれいがなり教科書等の準備をして、ホームルームが始まった。
(久し振りの学校なのにすでに眠い……)
首をこくこく揺らし睡魔に負けて自分の腕を枕にし机に力なく頭を預けた。
(暗い、何だ?夢なのか現実なのかわからない……
からだがふわふわして自由が効かない)
「滑稽だな界光聖覇、体の自由を失い、抵抗できないお前を闇が喰らう姿実に滑稽で美しい」
足下を見るとどす黒い液体がぶくぶくと増えて行き俺の足を飲み込んでいく。
目の前を向くと自分よりも大きな人形の闇が立たずんでいた。
目は紅くギラギラさせて口は大きく笑ったように開いている。
(なんだこれは!?俺の足が、足の感覚がない!何で!体が動かない!)
「だから言っただろ?体の自由を失わせた、だから動くわけない。
お前に選択肢は1つしかない逃げ道のない闇に飲まれる事だ」
(うわあぁぁッ!」
「聖覇君どうしましたか?」
担任の若い女性のソプラノ声が聞こえ少し安堵しほっと1息吐いた。
「すいません、夢を見てました」
少し下を向き顔を手で押さえながらそう言うと周りからはクスクスと笑い声が少し聞こえた。
「本当に大丈夫ですか?」
女性教師が近付いてくる。
教師の方を見ようと顔を上げ押さえてた手をどかした。
すると、教師の顔がさっき出てきた顔に変わって行き、聖覇の方に近付いて行く。
「やめろ……来るな!!魔者‼」
突然叫びだした聖覇にみんな冷たい目をさす。
聖覇は我に返り辺りを見回す。
聖覇はあたふたし始めその場にうなだれる。
静寂な空気が流れる。
「すいません、聖覇休んでたんで体調が優れないと思うので俺が保健室に連れてきます」
その声は聞き慣れた男性の声、佐久真だ。
「ほら、聖覇行くぞ」
佐久真は周囲の目など気にせずに聖覇の手を引き教室を出て行く。
こつこつこつこつ
廊下には2つの足音だけ響き渡る。
「お前どうした?」
聖覇はびっくっと体を震わせた。
「すまん、何かようか?」
佐久真はため息を吐き聖覇の前に立ち肩を抱き聖覇の目を見る。
聖覇は後ろめたさから目をそらす。
「聖覇俺は何に見える?人間か?魔法使いか?魔者か?それとも別の者か?
俺はお前の親友だろ!お前が困っていたら助けるそれが親友だろ!
聖覇はどうかは知らんが俺は親友のつもりだ」
佐久真は自然と手に力が入り、真剣な眼差しをしている。
「俺は……俺はお前の親友の聖覇!
そしてお前は人間の俺の親友の駿だ」
聖覇は口を大きく開きながら言った。
「そうか」
佐久真は肩に置いていた手をどかし、スッキリした顔で聖覇を見て、聖覇も全部だしたみたいにスッキリしている。
「界光聖覇君至急職員室に来てください」
「悪い、呼ばれてるから行くな。ありがとう佐久真」
聖覇は足早に廊下を去った。
職員室に着くと独身の男性教師が鼻の下伸ばして群がっていた。
聖覇はその群れの間を通って行くと白銀の雪のような艶やかな長い髪。
雪のみたいな肌、伝統の服の着物を纏った姿、雪吹さんだ。
「容態が悪いと聞いたさかい迎えに来たで」
雪吹さんは変わらず笑顔で接してくる。
「ありがとう、でも大丈夫だから
「ご迷惑かけてすいまへんな、連れて帰りますんで」
「だから大丈」
(緊急集合やから行かないといけへん、わかるな)
脳に直接話しかけられた。
組織の事だから従わないわけにはいかない。
駐車場に行くと芹香と紫電が後ろに乗っていた。
俺はそのままじょっせきに乗り雪吹さんは車を走らせた。
朝の事が合ったから話そうにも気まずい。
車の窓から見える景色を左肘を付きながらつまらなそうに見ている。
「雪吹さん何で今日は車なのでしょうか?瞬間移動も出来るのに何ででしょう?」
「景色や、今聖覇はん、芹香はん紫電はん、今歩いてる人たちが見てる景色、それは聖覇はんたちが魔者から守り抜いた景色や。
もし少しでも遅れていたらこの景色は存在しいへん。
それを見てほしいんや。
仲間を守るのも大事やけどそれだけじゃあかんねん、支えあってきた人間界の世界の景色をまもらなあかん。
やから見てほしいんや」
雪吹さんは顔色変えずに話した。
俺は付いていた方の肘を置き手を強く握りしめ後悔した。
(そうだ……大切なのは椛だけじゃない、佐久真やクラスメート、支部のみんな全員俺の大切な人達なのに俺はっ!)
「後悔するのはまだ早いで、なにも始まってない、なにも行ってない。
やらず後悔ならやって後悔すればええ。
聖覇はんはまだ若い、後悔して悔やんで泣いて、次笑って成功させればええ。聖覇はんはもうわかってるさかい信じた道を仲間と共に歩きなはれ」
雪吹さんは静かに言い聞かすように言った。
そうもしてるうちに四極冠王橋に差し掛かる。
全長1㎞で平和と希望の象徴として存在している。
「今通ってる四極冠王橋も、うちらに関係しているんや。
人間界、聖魔界、魔界あとはキャァーー!」
四極冠王橋が突然揺れ始めた。
前方を見ると出口を塞ぐように火柱が立っていた。
後ろを振り返ると荊が交わり封鎖されている。
逃げ道がすべて潰された。
「さあ!パーティーの幕開けだ!!」




