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エピローグ

一足先に教室に到着した俺は、窓の外を見ていた。

眼下のグラウンドには普段なら部活の連中がちらほらいるだろうが、さすがに休みの日、がらんとして静かなもの。

それ以外は、いつもと…昨日と変わらない風景がそこにある。

別に景色を見たいわけじゃない。

彼女が開けるだろう扉を、まだ見る時ではないから見ないだけ。


「あれだな、『だるまさんがころんだ』みたいだ」


可笑しくて、すこし笑ってしまう。

その心境は、渡されたプレゼントの箱を開けるときにも似ている気がする。


そこには、俺が喜ぶような、驚くような、笑ってしまうような、そして大事にしたいものが入っているはずで。

それを見たとき、自分がどんな顔をするのか、どう触れるのか、どう大事にしていくのかを思い馳せるのだ。


遠くから足音が聞こえる…


今度こそ、ちゃんと彼女の名前を呼ぼう。

皆が呼ぶ呼び名ではなく、照れ隠しの『さん』を付けないで、ちゃんと彼女の名前を。

彼女が望んだように。


二つの足音が重なり合う…


新しい彼女と向き合えたら、今度はちゃんとキスしよう。

彼女が望んだように。


ガラッと教室の扉が開く…


開かられた扉を振り返るが、廊下からの逆光が眩しくて…その姿はシルエットしか見えない。

足元から延びる影とともに、その足は迷いなく俺に向かってくる。

その手が触れるまでの時間を、とてつもなく長い時間に感じる。


さあ…

そのとき彼女は、俺をなんて呼ぶのだろうか-------

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