私を手放した末路に、王冠はございません〜愚かな王太子に捨てられた私を、兄王陛下がお求めです
「侯爵令嬢エヴァンジュリン・ヴェルトワーズ。今この時をもって、お前との婚約を破棄する!」
え。
……バカですか?
絢爛な宮中舞踏会の真っ最中に、いきなりお芝居のセリフみたいなことを叫び始めたランス・ユードリヒ=ログルネーテ王太子殿下。彼は私の婚約者だ。
私は普段ほとんど感情を顔に出さないけれど、今ばかりは開いた口がふさがらなかった。
ご冗談を。――と、聞き流すのは難しい。
ここは宮廷の大広間。招待された国内外の賓客たちが、大勢この場に居合わせている。来年に控えた殿下と私の結婚式の日取りを、これから正式発表することになっていたのに……まさかの婚約破棄。
(私、今日が20歳の誕生日なんですけれど。最低なサプライズですね……)
豪奢なシャンデリアに照らされて、ランス殿下は煌びやかに笑っている。
艶やかな金髪と王家の色である紫の瞳を持つ彼は、まさに絶世の美男子――でも絶世なのはお顔だけで、中身はいつも通りの空っぽだ。
「この場に集う、すべての者が目撃者となる! 俺こそが次代の王であり、お前は俺の寵愛を得られなかった惨めな女に過ぎない!」
会場を見渡す殿下の瞳は、まるで拍手喝采でも期待しているかのよう。自分勝手に振舞うことが、王の器とでも思っているのかしら。
皺の寄りかけた眉間を揉みほぐしたい衝動を抑えながら、私は小さく首をかしげた。
「しかし、ランス殿下と私の婚約は先代国王陛下の御世より定められていたことです。殿下の一存で覆すなど……」
「ふん! ヴェルトワーズ侯爵家との縁談が国益を鑑みての決定だったのは理解している。――しかし、相手がお前である必要はあるまい?」
大広間にいる全員の視線が、私たちへと注がれている。ランス殿下と私、そして……殿下の腕に抱かれている愛らしい少女に。
「お前の代わりに、次女のパトリシアを我が妃に迎えよう!」
「ふふ。ごめんなさい。エヴァンジュリンお姉様」
私の妹、パトリシアは小悪魔めいた笑みを浮かべて殿下の胸に身を寄せていた。
「……ランス殿下。わざわざ、妹を求める理由をお伺いしても?」
「すべてお前が悪いんだ! 次代の王である俺への、敬意を欠いた所業の数々。思い出しても腹が立つ!」
ランス殿下はびしりと指を突き立てて、私が不適格な理由を挙げ始めた。
俺を見下すような目つきが気に入らない! 俺がちょっと休んでいたら、サボっていると告げ口しやがった! ……などなど、逆恨みも甚だしい理由ばかりで閉口してしまう。
列席者の面々もツッコミを入れたそうな顔で、殿下と私を見比べていた。
「妹のパトリシアは、絶対にえらぶった態度をしない。パトリシアは従順だし、いつでも俺を立ててくれる! 俺の妃に相応しいのは、お前ではなくパトリシアだ!」
パトリシアは殿下の胸に身を預け、うっとりと幸せそうにしている。ふんわりとしたドレスに身を包み、ストロベリーブロンドの髪を結いあげたこの子はまさに夢見る乙女といった感じ。殿下の瞳と同色の宝石を嵌めた指輪が、パトリシアの左手に輝いている――。
その左手を見て、私は思わず声を上げていた。
「それは……!」
「ふふ、パトリシアの指輪が悔しいのか? 俺の愛の証として、特別に贈ってやった物だ!」
……いえ、指輪じゃなくて。
私が気になっているのは、パトリシアの左手の甲に描かれている『祝印』です。
「妹の祝印、デザインが間違っていますわ」
「……は?」
我が国の貴族女性は皆、左手の甲に『祝印』という光の紋章を化粧する。
女神アルカナを示す光の印だ。私も、パトリシアも、この場の令嬢たちも同じように持っている。
「大陸教の主神たる女神アルカナを示す光の紋章――アルカナの『祝印』を描き間違える女性が、王妃に相応しいとは思えません」
私が言うと、ランス殿下は「ははははは!」と嘲りの笑みをこぼした。
「お前は本当につまらない女だな。パトリシアのは描き間違いではなく、あえて華やかに描いているだけだ。若い女は皆そうしているじゃないか。お前の手に描いてある古臭い物とは違うんだよ!」
……私だって、そういう流行があるのは知っていますよ?
最近は、若い子たちのあいだで祝印を飾り立てるのが流行っている。けれど、公的な場では本来マナー違反だ。
「指輪に目もくれず、祝印とはな。お前の愚鈍さには嫌気が差すぞ」
「あらあら。お姉さまったら」
私が絶句していたそのとき、父であるヴェルトワーズ侯爵が殿下の前に進み出てきた。
「で、殿下! 何をお考えなのですか!? それに、パトリシア、お前は……」
「お父様。わたし、ずっと前からランス殿下と愛しあっていたの!」
「なんっ……」
お父様は真っ青な顔で息を呑み、殿下に向き直った。
「……おそれながら、ランス殿下。パトリシアとの婚約などありえません。なにとぞ、ご再考を」
「黙れ、ヴェルトワーズ侯爵。俺の決定に口を出すことは許さん!」
ランス殿下とパトリシアの仲を、お父様は知らなかったみたいね。二人がよろしくしていたこと、私はとっくに知っていたけれど。
将来的に「パトリシアを側妃に」と言われたら断る権限もないし、お好きにどうぞと思っていた。でも、まさか私との婚約破棄まで望むだなんて……そこまでは想像していなかった。
(……ああ。パーティが台無しね)
突然の婚約破棄騒動に、大広間はすっかりざわついている。今日は大陸中から、こんなに沢山のお客様がいらしているのに。
ランス殿下は国王陛下の座する高座をふり向いて、声を張り上げた。
「国王陛下、エヴァンジュリンとの婚約の破棄を認めてください! 何ら問題はないでしょう?」
なんて無礼な口ぶりなの……。私は思わず眉をひそめた。
大広間が、しん――と静まり返る。その静けさは輝きに満ちた宮中舞踏会にはあまりに不似合いで、淀んだ沼底のように息苦しい。
グラディウス=エルガ・ログルネーテ陛下は、柳眉を寄せて沈黙を纏っている。27歳の若き王――ランス殿下の異母兄に当たる陛下のお姿は、佇むだけで場の光をすべて引き寄せてしまう。
うなじで束ねられた長い黒髪は磨き抜かれた黒曜石のような艶を帯び、束ねてもなお流れる線が美しい。硬質な美貌には理知的な影が差し、その奥には匂い立つような色香が滲む。
長い睫毛に縁どられた切れ長の瞳は、王家に特有の紫色――ランス殿下と同色であるはずなのに、殿下とは比べ物にならないほど静謐で澄んでいる。
「――王太子ランスよ。お前は、今日の舞踏会の意義を理解していないのか」
「当然理解していますよ。俺の結婚式と戴冠式の日取りを、正式発表するためのパーティでしょう? だからこそ、この場でエヴァンジュリンとの婚約破棄を宣言しなければならないんです」
ランス殿下は、ふたたび私を指さして声を張り上げた。
「こんな女、俺は最初から気に入りませんでした! しかも本当は、ヴェルトワーズ侯爵の愛人の子だというじゃありませんか!? そのように卑しい女が王妃に相応しいはずがありません!」
――愛人の子?
突如のスキャンダル発言に場がざわつき、私と父に好奇の視線が突き刺さる。
私は表情を落とし、父はわなわなと唇を戦慄かせていた。
「パトリシアが私に打ち明けたのだ! エヴァンジュリンは、正当な嫡女ではないと!」
「わたし、もうこの女をお姉様呼ばわりするのはうんざりなんです! エヴァンジュリンは幼い頃、うちに連れてこられたんです。お父さまったら、いきなり『今日からこの子がうちの長女だ』なんて言って……」
憎しみに満ちた目で、パトリシアは私をふり返った。
「図々しくわたしの家に入り込んで、そのままお妃様の座に就こうだなんて! あんたみたいな女を、詐欺師って言うんだわ!」
……あらあら。
パトリシアったら、余計なことを言ってしまったのね。
お父様から、「絶対に誰にも言ってはいけない」って子どもの頃から命じられていたのに。
パトリシアの言っているのは、半分当たりで半分間違い。
確かに私は、生まれつきのヴェルトワーズ侯爵家の娘ではない。物心つく前に引き取られ、『長女』として仕込まれた子どもだ。
けれど私は、愛人の子なんかじゃない。
赤の他人でも家族としてやってきたつもりだし、皆も受け入れようとしてくれていた――ただ、パトリシアだけは別だけれど。
「――もう充分だ」
私の回想を断ち切るように、国王陛下が声を響かせた。
「ランス。婚約破棄を希望するお前の言葉、誠に誤りではないのだな?」
「無論です」
「エヴァンジュリンを失うことに、悔いはないか」
「言ったでしょう? こんな高慢な女、絶対にいりません!」
「そうか」
陛下は深い息を吐いた。
「ならば仕方あるまい。王太子ランス=ユードリヒ・ログルネーテとエヴァンジュリン・ヴェルトワーズ侯爵令嬢との婚約解消を認めよう」
にやり――と笑うランス殿下。場内が緊迫に包まれる。
「そして――」
陛下ははっきり、こう言った。
「王太子ランスに廃太子を命じる」
静まり返っていた空気が一転。大広間が騒然となる。
「何を言っているんですか、兄上! ご乱心しましたか!?」
公式な場では兄上ではなく国王陛下と呼ぶべきところを、ランス殿下はすっかり取り乱していた。
陛下は紫水晶の瞳をランス殿下に向け、はっきりとこう言った。
「乱心はお前のほうだ。エヴァンジュリン嬢がこの国の王妃となるのは国是。娶らぬならば、王位を捨てるに等しい――お前には幾度も通達されていたはずだ」
「はい?」
「…………まさかとは思うが。理解していなかったのか?」
「???」
不可解そうに首をひねるランス殿下に、グラディウス陛下はまばたきを一つ返した。公式の場ゆえに表情こそ揺るがなかったけれど、その視線には弟への軽蔑と失望が混じっている。
「エヴァンジュリン嬢。そなたの祝印を示してやれ」
「……よろしいのですか、陛下」
「構わない」
陛下の声は、最上級のワインのようにしなやかだ。
私は陛下に礼をしてから、左手を掲げて呼吸を整えた。
「はっ。祝印が何だというんだ。我が国の貴族の女なら、誰だって描いているじゃないか!」
――本当に、うるさい人。
私は、小さく囁いた。
「……『照らせ』」
その瞬間。
私の祝印から純白の光が溢れ出した。
舞踏会の煌びやかさとはまったく異質の、新雪のように清廉な輝き――それが瞬く間に大広間全体を満たし、やがて音もなく消えていった。
「……な、なんだ。今の眩しい光は」
ランス殿下が、声を裏返らせる。
「エヴァンジュリン。今のは何の魔導具だ? なんのつもりで急に――」
「魔導具ではありません。これは女神の光です」
「は?」
「私の祝印は化粧で描いていた物ではなく、生まれながらの『女神の加護』だと言っているのです」
私の声を継ぐように、陛下が宣言した。
「エヴァンジュリン嬢は女神の加護を宿す者。真なる祝印を持って生まれた『加護の乙女』なのだ!」
――大広間の空気が一気に震えた。
「か、加護の乙女……!?」
「数百年に一度生まれるという……伝承の、女神アルカナの御遣いが!?」
列席者たちは私を見つめ、一人また一人膝をついていく。
その様子を、私はどこか現実味のない気分で見つめていた。
「加護の乙女が王妃となるのは絶対の掟だ。女神の祝福は、ログルネーテ王家を介して大陸全土に降り注ぐ――知らぬ者などいまい? 祝印を宿す『加護の乙女』は、大陸全土の安寧の源だ。現れれば、必ず王妃とならねばならぬ。これが二千年続く絶対の掟である」
――それが私の正体。
左手に祝印を持って生まれた赤ん坊だった私は、出生直後に教皇庁に届けられたと聞いている。そして次期王妃という宿命を背負わされ、4歳からはヴェルトワーズ侯爵家の『長女』として育てられた。
「戒律に従い、エヴァンジュリン嬢の事実は厳重に秘匿されてきた。そして20歳を迎える今日、世間に公表することになっていた」
「そ、そんな重大なこと、せめて俺には知らせるべきでは!?」
ランス殿下が声を裏返らせると、陛下は冷ややかに告げた。
「知らせていただろう。何年も前から」
「――は?」
「彼女が加護持ちであることも、今日の式典で開示することも。神聖古語で綴られた、教皇からの極秘文書を読んだはずだ」
神聖古語は王家と教皇の間だけで使用される古代からの契約文字だ。
「文書!? ……あっ」
ランス殿下ったら、急に青ざめてしまったわ。
「まさか……あれが……」
なにやら、思い当たるふしがあるご様子ですね。
「お前はそれに目を通し、承認のサインを提出していた。にもかかわらず婚約破棄か。王冠を捨てて愛に生きるとは、なかなかの覚悟だ」
「よ、読んでいませんでした……」
「世迷言を」
「本当です! 実は、俺……神聖古語が読めないんです!!」
……えっ。
字が読めないの!?
随分ないがしろにしてくれると思ったけれど……まさか本当に、加護持ちと知らなかったんですか?
何もできない人だとは思っていたけれど、想像の斜め上でしたね……。
「話にならん」
「発言を撤回しますっ! やはり、エヴァンジュリンは俺の妃に――」
「ちょっ……ちょっと待って。ひどいわ、ランスさま!」
「うるさい!」
この人たち、国の威信をどこまで落とす気なのかしら……。
グラディウス陛下は、冷ややかな態度で口を開いた。
「撤回は認めない。女神アルカナへの愚弄は、女神崇拝の諸国に対する愚弄でもある。私は来年退位し、お前に王位を譲る予定であったが――事情が変わったな」
そして静かに息をつくと、大広間全体に響き渡るほど大きな声で宣言した。
「退位は取りやめだ! エヴァンジュリン嬢は、私が娶る」
陛下の言葉に、大広間が衝撃に揺れた。……国を揺るがす決断だ。
ランス殿下は目を血走らせ、今にも陛下に飛び掛かりそうな剣幕だ。
「いきなり何を言い出すんだ! 兄上は本来、王になる資格がないだろ!? 俺が成人するまでの『中継ぎ』という特例だったはずだ!」
――そう。
現王グラディウス陛下は妾腹の子で、本来は王位継承権がない。けれど前王の死去当時にランス殿下がまだ十三歳だったため、成人までの『中継ぎの王』として、特例で即位していた。
グラディウス陛下に妃はおらず、王位を弟に継がせるまで余計な火種を作らないよう独身を貫いてきたお方だ。なのにその『仮初の王』が、約定を覆そうとしている。
「自分勝手に法を捻じ曲げるなんて、無茶苦茶だ!!」
「無茶苦茶はお前だろう。これ以上、我が国の品位を貶めることは許さん。廃太子の件は追って伝える。――退席せよ」
陛下が静かに手を振ると、衛兵たちがランス殿下とパトリシアを取り囲んだ。
「卑怯だぞ兄上! 今さら王位が惜しくなったんだろう!? く、くそ、離せ、お前たち!俺が次期国王なのに……!!」
「痛いっ! 引っ張らないでよ、やめてぇ」
衛兵に引っ立てられながら、ふたりは悲痛な声を上げていた。
「兄上め、俺を嵌めたな!? こ、この、卑怯者ぉおおおお――!!」
という捨て台詞を最後に扉が閉まって、ふたりの声は聞こえなくなった。
「列席者の諸君」
グラディウス陛下は、そう呼びかけて私のほうへと歩いてきた。毅然としたその所作は、王の威厳そのものだ。
やがて私と並ぶように立ち、陛下は声を響かせた。
「加護の乙女が次の王妃だ。女神アルカナの祝福は惜しみなく降り注ぎ、大陸全土の希望となることを我が王冠に懸けて宣言する!」
場の空気が期待と安堵と期待に包まれて、列席者たちは歓喜の声を上げた。
「グラディウス王、万歳!」
「加護の乙女、万歳!」
ランス殿下のやらかしで、どうなることかと思ったけれど。グラディウス陛下が機転の利くお方で、本当によかったわ……。
陛下に向かって深い礼をしながら、私は胸の中で安堵の息をついていた。
(あのランス殿下より、グラディウス陛下のほうが国の為になるのは間違いないわ。愛だの恋だの浮ついたものを望むつもりはないけれど。……どうせなら、まともな人のほうが助かるもの)
そんな本音を胸に秘め、私は少しだけ顔を上げて陛下を見つめた――そのとき。
目が合った瞬間、陛下がぱちっとウィンクをしてきた。
(……んん!?)
何ですか、今の?
あなたそういう性格でした!?
思わず二度見したけれど、陛下はいつも通りの毅然とした表情に戻っている。
(大丈夫よね……? まともで落ち着いた王様……のはずよね?)
たぶん、私の見間違いだったのよね……?
***
その夜から、私は王族の居住区画の一室に住むことになった。陛下が直々に案内してくださり、「疲れただろう。よくおやすみ」と穏やかに告げられた。
そして翌朝。
朝食への同席を求められ、私は今、陛下とふたりでテーブルを囲んでいる。ダイニングの長卓を挟んでふたりきり。香り豊かな紅茶を口にしたところで、陛下が静かに切り出した。
「これからしばらく忙しくなる。今日の議会では、私の王位継続が最重要議題になるはずだ」
妾腹である陛下の王位は、本来ならば「ランス殿下が継承可能な20歳になるまで」という期限付きだ。法改正をしなければ、退位は避けられない。
しかし、変革を嫌う貴族たちの反発は必ずあるはずだ。
この国の貴族は、大きく二つの派閥に分かれる。
前王妃マグダレーナを中心とした旧勢力『前王妃派』と、グラディウス陛下を支持する改革勢力『新王派』。
前王妃派の歴史は古く、浪費と癒着の温床になって赤字を垂れ流してきた。
対する新王派は、陛下の即位後わずか7年の間に目覚ましいまでに力を伸ばしている。
当然ながら、前王妃派は陛下の続投を阻止したい。議会が紛糾するのは明らかだ。
「エヴァンジュリン。君の意見を聞きたい」
「……私の、ですか?」
「法を変えてまで私は王位を預かるべきか。ランスに廃太子を命じた私は横暴なのか。遠慮はいらない、次期王妃としての率直な意見を」
「……私は、グラディウス陛下の治世が今後も続くべきだと思います」
自分の意見を、きちんと頭の中で整えてから言葉を発する。
「昨日のランス殿下の発言撤回を認めれば、大陸諸国に『女神信仰の中枢であるログルネーテ王国が女神を侮辱した』という印象を残すことになりますので。ランス殿下の即位は、国益を損なうと考えます」
それに――と、私は付け加えた。
「我が国にとって、グラディウス陛下が王であることは大きな利点です。歴代王の赤字財政を、わずか7年で立て直されました。あなた様でなければできないことです」
私がそう言うと、陛下は淡く頬を染めて少年のように笑った。
……その表情は、意外だった。
年齢よりも幼くて、少しかわいく見えてしまう。こんな顔もする人だったのね、と私も少し頬が緩んだ。
「ありがとう。君がそう言ってくれるなら、胸を張って議会に臨める」
席を立った陛下は、長いテーブルの横を歩いて私のすぐそばまでやってきた。
「私の実績を評価してくれて光栄だ。――これからは、男としても君の評価をもらえるように努力しよう」
にっこり笑って、私を見つめる。
……あらあら。
随分と色男でいらっしゃるのね。
私は反応に困りながら、紅茶を静かに口に含んだ。
***
――ここは、王宮内の議事の間。半円形の階段席に貴族がずらりと並んでいる。
今回、私は王妃内定者として特例で傍聴を許された。
「これより本議会を開会する」
議長が声を響かせた。
「第一議題は、次期国王の件である。現法ではグラディウス陛下の退位が定められているものの、ランス殿下の昨日の発言を受けて、廃太子となった場合――」
そのときだった。
「お待ちくださいませ、王太后様――!」
「ええい、おだまりなさい!!」
けたたましい叫び声とともに、バン! と弾けるように扉が開いた。深紅の固まりが嵐のように乱入してくる。
貴族たちの目が一斉に注がれた――。
「法改正など、わたくしは認めません!! ランスの婚約破棄撤回を、即刻承認なさい!」
ぅわあ……。と、思わず品のない声が漏れそうになった。
宝石をこれでもかと飾り立てた豪華絢爛な五十代前半の貴婦人。真紅のドレスときつい香水だけで、離れた席の私の頭が痛くなりそうだ。
甲高い声を張り上げるこの貴婦人は、ランス殿下の実母で前王妃のマグダレーナ様。妾腹のグラディウス陛下に対立して、失脚させようとしている。
議長が、慎重に声をかけた。
「王太后様。どうかお静まりを……」
「黙らっしゃい!!」
ギロリと音がしそうな眼差しで、彼女は陛下を睨みつけた。
「陛下。法をねじ曲げるなど、このわたくしが許しません。私利私欲にまみれた悪行ですことよ?」
「おやおや」
烈火のごとく気炎を吐き散らかす彼女とは対照的に、陛下の笑みは実に涼しい。
「ランスが自滅したのです。私はただ、後始末をしているだけですが?」
「ふんっ、あなたがランスを嵌めたくせに!!」
陰謀論めいたことを言い出したマグダレーナ様に、全員が視線を注いだ。
「ランスが字を読めなかったのは、あなたの責任でしてよ!?」
……ちょっと。
幼児教育のクレームみたいになってますけど。
「ランスが神聖古語を読めないと知りながら、わざと放置していたのでしょう? エヴァンジュリンの価値を伏せていたのね!? だからランスは、婚約破棄などという過ちを――」
……この人、正気なの?
「理解に苦しみますね。ランスに神聖古語を教育したのは教皇でしょう。読めない責任を問うのなら、教皇にどうぞ? もっとも、彼自身の怠慢を処罰するのが先でしょうが」
「腹黒い男ね! そうやって話題のすり替えを――」
「すり替えておられるのはあなたです。ランスが字を読めようが読めまいが、本質はそこですか? エヴァンジュリンが加護持ちだと知っていたら、婚約を破棄しなかった? つまり、ただの令嬢なら切り捨ててよいとおっしゃるのか」
「っ、それは……」
「婚姻を軽んじる男は王に相応しくありません。私なら加護の有無にかかわらず、エヴァンジュリンを愛します」
突然陛下に肩を抱かれ、私はびくりと身をこわばらせた。グラディウス陛下は私の肩を抱いたまま、議場を見渡して宣言した。
「女神アルカナは愛と真実の女神だ。伴侶をすげ替えるような不実な男を、果たして祝福するだろうか?」
ざわり、と空気が大きく動く。
陛下の正論に、多くの貴族が賛同している。
マグダレーナ様は怒りで顔を真っ赤にして反論しようとしていた――が。
「議長。義母上の議会参加の手続きは取っているのか?」
「いえ……おそれながら」
「いかんな、それは問題だ。参加権のない前王妃が、手続きなしで乱入とは。お散歩ついでに議会に寄るのはご遠慮ください。それとも迷子ですか?」
どっ、と失笑が沸いた。
「くっ……!」
屈辱に顔を染めるマグダレーナ様は、赤いドレスのせいで熟れたトマトに見える。
「ご退席いただけますね、おかあさま?」
「っ――――! み、見てらっしゃい! 思い通りにはさせませんからね!!」」
陛下は退廷する彼女を軽やかに見送ると、貴族たちに向き直った。
「さて諸君、余興は終わりだ。場が温まったところで議論を始めよう」
その後、王位継承の改正案やその他の議題が審議に掛けられ、今日のところは閉廷となった。
継続審議となった王位継承問題は、各派閥の調査と調整を経て協議を重ねていくようだ。
私は始終、陛下の様子を隣で見ていた。
(この人、なんだか面白いわ……)
知るほどに、違う側面を見せてくれる。
執務室や王室行事での硬質な表情。プライベートな場面での、柔らかい表情。そして政敵の前で飄々と振舞い、言葉も空気も巧みに操る――。国王グラディウスには、いくつもの顔があるみたい。
新しい顔を見つけるたびに、ふしぎと胸が高鳴ってしまう。
*** side:王太子ランス ***
無為に流れていく日々に、俺は焦りを隠せなかった。
(――くそ、どうしたらいいいんだ!?)
あの婚約破棄から、すでに3ヵ月。
俺の立場は、日に日に悪くなっていく。
正嫡である俺の、法で約束された王位――兄上はそれを、本気で奪い取る気だ。議会では前王妃派が兄上を阻もうとしているが、どうにも上手くいかないようだ。母上も苛立ちまぎれに、俺を怒鳴ってくる。
『ランス、すべてはお前の責任ですよ!? 婚約破棄などするから、グラディウスに付け入る隙を与えたのです!!』
毎日毎日責められて、頭がおかしくなりそうだ。
(だが母上だって、俺が「婚約者を次女にしたい」と相談したとき止めなかったじゃないか! 加護の乙女と知った途端に、掌を返すなんて卑怯だ……俺一人の責任じゃない!)
母上からは、「なんとかして、エヴァンジュリンとよりを戻せ」と命じられていた。「グラディウスの法改正を足止めしている間に、加護の乙女を虜にしろ」――と。
(俺だって、そうしたい。加護の乙女に俺を望ませれば、次期王位は約束されたも同然だ。だが、そんなの無理だろ……?)
あの取り澄ました女を落とすなんて、誰にも出来るもんか!
苛立ち紛れに、廊下を歩いていると――
「陛下とエヴァンジュリン様は、本当にお似合いですよね」
「ええ。おふたりの幸せそうなご様子を見ていると、こちらまで嬉しくなってしまいます」
曲がり角の先で、女官たちのそんな話声が聞こえた。
曲がり角に潜んだまま、聞き耳を立てる。
なんでも二人は、かなり親密にしているらしい。仲よく一緒に政務に当たり、最近ではお忍びで街歩きまで楽しんでいるとか。エヴァンジュリンがよく笑うになったと、女官たちが話していた。
(……嘘だろ、あのエヴァンジュリンが?)
信じられない。
俺にはあんな態度だったのに、兄上には――?
そう思うと、ふつふつと屈辱が湧き上がってきた。
女官たちは、コソコソと声を落として話を続けている。
「ここだけの話、ランス殿下がやらかしてくださって、むしろ良かったですよね」
「うふふ、あんな無能が王になったら、国が滅びてしまいますわ」
なんだと……!? 腹が立って飛び出したいのを、必死にとどめて話を聞いた。
「次の議会で法案が通ったら、いよいよランス殿下が廃太子されるんでしょう?」
「そうらしいですね。さっさと片付いてほしいです」
……そんな話になっていたのか!?
立ち話をやめて仕事に戻っていく女官たちの背中を、俺はわなわな震えながら見つめていた。
「……くそっ」
もう、時間がない。
一刻も早くエヴァンジュリンを手に入れないと――
俺は自分の部屋に戻った。文机の上にできた手紙の山を見て、うっとうしくて堪らなくなった。これは全部、パトリシアからの手紙だ。中身は全部同じような泣き言ばかり。
『ランス様。助けて!
このままじゃ私、お父様に修道院送りにされちゃう!
ランス様なら、なんとかできるでしょ!?』
(……ふん。バカな女だ)
婚約破棄のとき以来、パトリシアとは一度も会ってない。
今さら助けて、俺になんの利益がある? 自分がすでに『無価値な駒』に過ぎないことさえ理解できない、馬鹿な女なんて。
パトリシアの手紙をまとめてクズ籠に捨てようとしたが、ふと思いとどまった。
「……いや。パトリシアの利用価値は、まだある」
文机に向かい、俺は返事を書き始めた。
『パトリシア、お前に会いたい』――密会の日時と場所を指定して、封をした。
*
――そして約束の日。
パトリシアは、指定した会員制サロンの個室で待っていた。王侯貴族が裏取引や私的な商談で使う、ひっそりとした一室だ。
「ランスさま……!」
扉を開けた途端、パトリシアは泣きはらした目で縋りついてきた。
「やっと会えた……。もう、なんで今までお返事をくれなかったの!? 何度王城に行っても、取り次いでもらえないし……」
「――ちっ。うるさい」
うんざりとした声ではき捨てると、パトリシアはびくりと身をこわばらせた。愕然とするパトリシアを振り払い、指を突き付けて命じる。
「俺がお前に頼みたいのは一つだけだ! エヴァンジュリンを呼び出せ。うまいこと言って、情に訴えてここに連れてこい。そうしたら、俺があの女を落とす!」
「……え? 待って……なんで? だってランスさまは、お姉さまなんて好きじゃないって! だから、わたし――」
「事情が変わった。エヴァンジュリンさえ手に入れれば、俺が次の王になれる。力尽くで俺の女にしてしまえば、あいつだって俺を選ばざるを得なくなるだろう。あとはどうとでもなる」
そう。結局は、男と女の問題だ。
傷物にしてしまえば、他の男に嫁ぎたいとは言えなくなる。女なんて、どうせそんなもんだろう?
「そんな……いやよ! わたし、絶対協力しない!」
「じゃあ修道院に行け」
「……っ」
息を詰まらせるパトリシア。その惨めな姿を眺めているうちに、俺は少しばかり気分が良くなった。
「――ふん。そこまで俺の愛がほしいなら、こうしてやろう。もしもお前がエヴァンジュリンを首尾よく呼び出し、俺が王になれたら。お前を側妃にしてやってもいい」
「側妃……?」
パトリシアは随分と長く沈黙していたが、やがてうなずき、こう答えた。
「……わかったわ。わたしがお姉様をおびき出せばいいのね?」
*** side:エヴァンジュリン ***
ランス殿下に婚約を破棄されてから、あっという間に3ヵ月が過ぎ去った。
私の日々は充実している――陛下が、私に政務を手伝わせてくれるから。
この国では古くから、政治的な采配は国王に集約されて、王妃が活躍する場はなかった。人々の心の支えになるために、優雅に笑って玉座に座ること――それが、私の生涯の役目となるはずだった。
でも、陛下の考えは違う。『国の母となる女性が声を上げるのは当然だ』と言って、私に参加させてくれる。
……嬉しかった。いるだけで良い『お飾り』じゃなくて、ちゃんと一人の人間として意見を求めてもらえるのが。
だから。
この生活を壊そうとする人がいるなら、私は絶対許さない。
*
ある日、王宮で暮らす私のもとにパトリシアからの手紙が届いた。
『お姉さま、今まで本当にごめんなさい。
わたしが間違えていたわ……これまでのこと、直接会って謝りたいの。
6月3日の午後1時、王都のサロン・ダスクの409号室で待っています。
二人きりでお話したいから、絶対に一人で来てね
パトリシア』
私は今、その手紙を陛下の執務室で眺めている。
応接ソファで陛下と並んで、熱のない視線を文面に落としていた。
「……という手紙が、妹から届きました」
「見え透いた罠だな。ランスが裏で糸を引いているに違いない」
「ええ」
どうせ泣きついてきたパトリシアを、都合よく利用したのだろう。パトリシアは反省するような子じゃないし、むしろ自分が被害者だと思っているはずだ。
(ランス殿下は……私を手籠めにでもするつもりなのかしら)
軽蔑を通り越して、ぞ……っと背筋に怖気が走る。でも、この『罠』は千載一遇のチャンスだ。私がそう言おうとすると――
「この罠を逆手に取ろう。ランスが次期王として不適格だという明確な証拠になる」
と、私の思考を先読みするように、陛下が言った。
「そうですね、これだけの不祥事があれば前王妃派も反論できないでしょう。――私が囮になって、呼び出しに応じます。ですので、騎士を数名お貸しください」
分かった。と陛下なら即答してくださると思った。だけれど――
「ダメだ」
陛下の返事は、私の期待とは正反対だった。
「なぜですか?」
「君をそんな危険な目には合わせられない」
「いえ、十分な人数を配備していただければ――」
「そう言う問題じゃない」
陛下は私の手を包み、ぎゅっと強く握った。
温かさと。決して離すまいという強い意思が伝わってくる。
「作戦そのものには賛成するが、君は絶対に行かせない。諜報部に女性がいる。変装させれば、君に見えるだろう」
陛下はそう言うと文官を呼び、迷いなく次々と指示を飛ばし始めた。
騎士の配置、魔導具の準備、連携する部署……すべてが、まるで準備していたかのように速やかに整っていく。
その手際を眺めながら、ふと微かな違和感を覚えた。
(……陛下、どうしてこんなに段取りがいいの?)
その疑問は、口から出ずに胸の奥でひっかかり続けた――。
*
そして手紙に指定された日。
パトリシアとランス殿下は、本当にこちらの読み通りの行動に出たらしい。
つば広の帽子で私に似せた諜報員に向かって、謝罪どころか恨み事を浴びせかけてきたパトリシア。そして「俺の女になれ」「議会で次の王は俺だと宣言しろ」などと恐喝して、密室で事に及ぼうとしたランス殿下。
騎士たちが流れ込み、ふたりは現行犯で捕縛された。魔導具の映像記録に、動かぬ証拠も残っている。
その鮮やかすぎる連携と段取りを見た瞬間、胸の違和感は確信に変わった。
(……陛下、まさか最初からここまで読んでいた?)
ランス殿下が自滅する道を、そっと整えていたのは――
*** side:グラディウス ***
いったい私は、いつからエヴァンジュリンを恋しく思っていたのだろう?
初めて彼女を見たのは、私が即位した直後だった。
広い書庫の片すみで、少女が一人。大きな政治書にかじりついていた。王妃は政治に発言できない――それがこの国の常識なのに。
それでも彼女は黙々と、何年もひとりで学び続けていた。その姿はとても静かで、ひたむきで――美しかった。
声をかけたいと思ったことは、何度もある。
だが、私が近づけば余計な噂が立つだろう。彼女の立場を危うくするだけだ。
距離を置くのが最善だと、ずっと自分に言い聞かせていた。
それなのに。
ランスは、エヴァンジュリンを冷遇していた。
あの愚かな弟は自分では何一つ学ばずに、ひたすらに努力を重ねるエヴァンジュリンを見下していた。
許せなかった。
あれほど健気に国のためにあろうとする少女が、なぜ傷つけられなければならない?
その頃の私は、もちろん神聖古語を習熟していた。エヴァンジュリンこそが「加護の乙女である」という事実も、即位の折には知っていた。そして――ランスが神聖古語を読めないことにも、気づいていた。
教皇に任せるはずの教育は杜撰そのもので。
だから私は敢えて放置した。
もしもランスが、加護の有無にかかわらず彼女を大切にする男なら、私は支援を怠らないつもりだった。だが、ランスは違った。
彼女を常に踏みにじり、ぞんざいに扱い続けた。だから私は思ったのだ――こいつは破滅するべきだと。
私が直接手を下して、ランスを破滅させたわけではない。
レールにそっと事実を置いて、結末に導いただけのこと。手を伸ばせば容易く届く『真実』を、ランスが見ようとしなかった、ただそれだけのことだった。
私が用意したレールから降りようと思えば、ランスはいつでも降りられたのに。愚かで傲慢な弟は、何も気づかず堕ちていった。
今回の一件だって、私は何もしていない。
女官を使って『噂』を流しはしたが、飛びつくかどうかはランスの自由だ。
手紙を送りつけてきたのも、密室で恐喝したのも、すべてはランスの決断だ。私はただ、その決断が記録に残るよう段取りを整えただけのこと。
そして、事件は終わった。
ランスは完全に失脚し、パトリシアは修道院送りの身。これでようやく、私は堂々とエヴァンジュリンを迎えられる。
王としてだけでなく、一人の男として。
――その日の夕刻。
ふたりきりの部屋で、エヴァンジュリンは淡く微笑んで尋ねてきた。
「……陛下。本当は、ランス殿下が破滅するよう仕組んでいたんでしょう?」
正直に答えるべきか、少しだけ迷った。
だが否定したところで、聡明なエヴァンジュリンなら必ず見抜く。それに、彼女に嘘はつきたくない。
「――ああ。私が仕組んだ」
するとエヴァンジュリンは、私を軽蔑するどころか心の底から嬉しそうに笑った。
「ランス殿下は、自分で堕ちただけですもの。それにこの国の王は、あなたくらい知略に長けた方でないと」
私は思わず息を呑んだ。
私の清濁を、こんなにも自然に受け入れてくれるなんて。
「……エヴァンジュリン」
彼女は頬を染め、そっと私を見上げてきた。
「陛下。私のこと、いつから気にかけてくださっていたんですか?」
反則だ、と思った。
こんな顔をされて、打ち明けるなというほうが無理な話だ。
「……孤独に勉学に励む君の姿を見ているうちに、いつの間にか。本当は、ずっと手を伸ばしたかった」
「そんなあなただから。私は安心できるんです」
胸が熱くなった。ようやく、彼女と生きられる。
「――エヴァ。これからも、どうか私の隣に。この生涯をかけて、君を守る」
エヴァは笑った。
花咲くように、美しく。
その笑顔こそが、私にとっての祝福だ。
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ふたりの性格やストーリー展開を大幅に変更し、よりハッピーエンド・ざまぁ増し増しにしました。ぜひご覧ください^^





