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1日目 始まり

 次の瞬間。サキとカイとメイは夕日が良く見える崖の上で立っていた。


「きれー!」


「うわったっか!?落ちたら死ぬぞ!?」


「...これ全部ホコリなんだよなぁ...」


「思っててもそういうこと言わないで?」


 幻想的な光景を台無しにするド理系が魔術師にシバかれている間に斥候はその辺のうさぎ型の生物をシバき倒している。


「おっ、レベル上がった」


「俺がシバかれてる間に何してんのさ」


「まぁまぁ。ほら、それより最初の街行かないと」


「おい、話逸らすな」


 カイは率先して他2人の手を引いて森の中の獣道を歩く。


「にしても、なんでお前そんな女みたいな格好してんだ?ネカマがしたかったのか?」


「いや、AIに任せたせいだ!俺は何もしていない!」


「AIはそういうのが好みだっていう噂があってね...?」


「しれっと嘘をつくな」


「さあ?噂があるって言っただけよ?」


「その噂が嘘って言ってんの!」


 そんなクッソしょうもねぇ話をしていると、街道が見え始める。


「お、道があるぞ!」


「日が暮れる前には宿に泊まりたいよな〜」


「夜には強い魔物が出てくるって言うしね」


「よし今日は徹夜だ」


「...武器は?」


「あ」


 カイは自分が今武器が無いことを自覚した。


「...お前なんで素手であのうさぎ倒せたの?」


「筋肉の力!!!」


「お前に聞いた俺が馬鹿だった」


 実際は彼のプレイスキルの恩恵で素手でぶっ倒せたのだが。

 ちなみに、ここにいる連中は全員体力が低いのでうさぎに5~15回攻撃されたら死ぬ。貧弱である。超貧弱である。


 街の門の近くに到着した。


「でけぇなぁ」


「姉さんが何人いても入らないな」


「遠回しにチビって言ってる?」


「...サア、ナンノコトカナ」


 しらばっくれるサキ達は門の下の関所(的な何かしらの施設)に到着する。


「見慣れない顔だな。入国証はあるのか?」


「無いな。金で買えるか?」


「100エルクだ」


「3人分で300エルクで良いか?」


「それで良い。ようこそ、メーゲイザー騎士国へ」


 三人で割り勘して入国証を買い取り、人間が縦に5人入るような門をくぐる。


「んじゃ、リス地固定するか」


 リス地とはリスポーン地点の略だ。


「その条件がベッドで寝ることなんだけどね」


 そう言いながら、宿屋を探す。ちなみにだが、彼らの初期資金は1000を与えられている。


 宿屋のお金を割り勘して一旦はログアウトする。本格的に遊ぶのはゲーム内時間で明日だ。




 *【奈直】




「すげぇ!宝だらけだ!」


「これ売っぱらったら金になんじゃね!?」


「...?」


 ゲームを開始したらいきなり真っ暗な上に、屈んでる状態で身動きが取れない。例えるなら腹の中の胎児だ。ついでにくぐもった感じの声が聞こえる。


 少し踏ん張ると、周辺からバキバキともミシミシとも言えないような音が鳴る。


「...????」


 こんな意味わからん状況になったら誰でも宇宙猫になる。コイツは猫じゃないが。


 とりあえずさらに踏ん張り、バキッと音が鳴ると、比較的身動きが取りやすくなる。


 上に手を伸ばすと、硬い手応えとバキバキという音が返ってくる。ついでに砕かれた何かしらも。


「「う、腕が!?」」


「お?」


 手が真っ直ぐに伸びると、手応えがなくなる。そして、男二人の声が聞こえる。


 もう片方の腕も上に伸ばし、自分を持ち上げる。


「ん...っしょ!」


 ようやく生き埋めから脱出できた。


「ば...バケモノぉ!!!!!」


 指さして男が叫ぶ。


 その声の方向を振り向くが、目は見えないのでどんなやつかは分からない。


「えっ...と?」


 声を零すと、辺りに反響して男と奈直との距離を把握した。それどころか、形状まで理解した。


「いや、俺たちの腕前確認に丁度いい!〔フライスラッシュ〕!」


 腰を抜かした弱い男では無い片方の男が斬撃を飛ばす。この斬撃を避ける。


「た、戦いはやめましょう!何も意味なんてありません!」


「人類の敵が何を言うんだ!どうせ油断させて倒す気だろう!めんどくさい事をするくらいなら正々堂々戦え!」


 避けた奈直に上段から剣を振る。


「じゃあ...てやー!」


 剣が当たる前に腹にグーパンをねじ込み、男を吹っ飛ばす。


「ぐふあっ」


 血と見せかけた黒い(モザイク)を吐く。彼の内蔵はあまりに強い衝撃でぐっちゃぐちゃにされている。


「だが...負け...!?」


 ドゴォッ


 さらに追撃し、トドメを刺す。


【レベルが2になりました】


「おお!簡単に上がる!」


 ステータスを開き、自分のステータスを閲覧する。



 奈直

 lv.2

 種族:エンシェントディザスター

 状態:正常


 試練:無し


 ステータス

 ポイント:100


 筋力:50(+100)=150

 体力:50

 防御:0

 敏捷:0

 知力:0

 魔力:0

 聖力:0

 邪力:0


 スキル

 ポイント:10


 古代厄災

 ・ドレイン

 空間認識(聴力)



「...ドレイン?」


 この〔古代厄災〕スキルの一部、ドレインに興味を持ったようだ。今更だが、なんでスタート前にステータスを見ないんだろう。アホかな?


 ドレイン

 敵から魔力、聖力、邪力、体力を奪う。魔力、邪力、体力はストックできる。しかし、聖力は貯蔵できず、強制的に体力に変換される。


 試しに、少し使ってみることにした。


「く...くるなぁ!!!」


「〔ドレイン〕」


「なっ...はぁ...ヴっ」


 男から黒いモヤが出現し、胸部に吸い込まれていく。男はどんどんやつれていき、白目をむいて力尽きた。



【〔武器術〕スキルを獲得しました】


【〔投擲〕スキルを獲得しました】


【体力が200になりました】


【魔力が10になりました】


【レベルが3になりました】




「おー、すごい。なんか色々すごい」


 ステータスをもう一度開くと、スキル欄に〔武器術〕と〔投擲〕が追加されていた。

 そして、さっき手に入れたポイントで筋力と体力を上昇させた。また、〔古代厄災〕スキルにもスキルポイントを割り振り、新しい技を獲得した。


 ディザスターフィールド

 邪力か魔力を使用してあたりの地面を侵食する。

 この侵食した地面に触れた者は徐々に力を奪われていく。また、エンシェントディザスターに通知もする。

 侵食された土地はエンシェントディザスターの〔ドレイン〕の効果範囲となる。


「へぇ...〔ディザスターフィールド〕」


 周辺地形の色が赤黒く変わっていき、地下の古代都市を少しずつ蝕んでいく。


 魔力が尽きたタイミングで、侵食が止まった。侵食できたのは奈直を中心にした半径10mの円程度。


「色とか見えないけどなんか変わった気がする」


 その後も獲物とか来ないか待ったが、全然来なかったのでそのままログアウトした。







 *【現在の主要人物のステータス】







 カイ

 lv.2

 種族:猫獣人

 状態:正常


 縛り:無し


 ステータス

 ポイント:100


 筋力:30

 体力:5

 防御:5

 敏捷:30

 知力:30

 魔力:5

 聖力:0

 邪力:0


 スキル

 ポイント:0

 武器術

 剣術〔スラッシュ〕

 槍術〔スラスト〕

 共通術〔デュアル〕〔トリプル〕〔クアドラプル〕〔クインティプル〕〔スペンド〕〔ヘルス〕〔エクスペリエンス〕





 サキ

 lv.1

 種族:ダークエルフ

 状態:正常


 試練:魔導機械または魔導具による攻撃のみ可能。


 ステータス

 ポイント:0


 筋力:25

 体力:25

 防御:0

 敏捷:0

 知力:25

 魔力:25

 聖力:使用不可

 邪力:使用不可


 スキル

 魔術

 ・光魔術〔ライト〕

 ・幻影魔術〔フェイクオウン〕

 ・無魔術

 ・基本魔術〔ボール〕〔アロー〕〔ウォール〕〔ピラー〕

 鍛治lv.0(使用不可)

 錬金術lv.1

 ・融合





 メイ

 lv.1

 種族:エルフ

 状態:正常


 試練:


 ステータス

 ポイント:0


 筋力:5

 体力:15

 防御:5

 敏捷:0

 知力:25

 魔力:50(+15)=65

 聖力:0

 邪力:0


 スキル

 魔術

 ・火魔術〔ファイヤー〕

 ・水魔術〔ウォーター〕

 ・風魔術〔ウィンド〕

 ・土魔術〔ダート〕

 ・無魔術

 ・基本魔術〔ボール〕〔アロー〕〔ウォール〕〔ピラー〕

 ・強化魔術〔エンハンス〕〔レインフォース〕





 奈直

 lv.3

 種族:エンシェントディザスター

 状態:正常


 試練:無し


 ステータス

 ポイント:0


 筋力:150(+100)=250

 体力:150(+200)=350

 防御:0

 敏捷:0

 知力:0

 魔力:0

 聖力:0

 邪力:0


 スキル

 ポイント:0


 古代厄災

 ・ドレイン

 ・ディザスターフィールド

 空間認識(聴力)

 武器術

 投擲lv.0

奈直の見え方

視界が無いといっても、真っ暗な空間にいるみたいなイメージ。音を鳴らすと、白黒の線だけの視界が見える。


ゲーム内時間

ゲーム内時間は12.5時間。こうすることで、毎日同じ時間にログインしても毎日違うゲーム内時間でプレイ出来る。...自分が頭の中でテキトーに考えた上では。


設定ミスの報告や誤字報告はバンバンしてください。送って頂ければ、恐らく1週間以内には修正します。

また、いいねやポイントの評価、ブックマークもお願いします。

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