2.5.お金の話は大事です
す、すごい現場に出くわしてしまった。まさに修羅場。パーティから追放という話は噂レベルでは聞いたことがあったのですが、目の前で繰り広げられるとは……
「最年少A級闇魔導士だ」
私を誘ったルークさんに呼ばれる。正直こんな状態であいさつしたくないけど、するしかない。
「リズです。よろしくお願いします」
いたたまれない。今にも泣きそうな男性を前に最後の追い打ちをかけるルークさん。この3人、性格が最悪なのでは?と思ったが私にはお金がなかった。最年少A級魔導士なのに悲しい。とにかくお金を稼ぐためにもこの場を耐えなければ。
「うん、そうか。わかったよ。今まで楽しかった。ありがとう」
本能的にこと人についていくべきだと感じた。ただ理性がそれを止めた。これもそれも全て金運が皆無な姉様が悪い。仕方ないんだと自分に言い聞かせて席に着いた。
「すまなかったな。これからこの4人でパーティだ。クエストをこなして名実ともに最強のパーティにしよう」
うーん、私は最強とかどうでもいいんだけどなぁ。さっきの人の代わりか。大変そう。なんとなくそんなことを思った。
「ところでお金の話をしておきましょう。こういうのは初めからしっかりしておかないとね」